「頭ごなし」を含む用例
・犬田卯 おびとき (青空文庫)
仕事は若い時分から嫌いだったが、魚捕りでは名人格と謳われていた彼だった。が、さて、取っかかるのがまた容易でない。しかし女房から頭ごなしにされると、何としても 御輿 ( みこし ) を上げずにはいられなかった。 「米糠...
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・岡本綺堂 お住の霊 (青空文庫)
( いい ) 加減にしろと頭ごなしに叱り付けたが妹は中々承知せず、 何 ( ど ) うあっても 彼 ( あ ) の邸には居られませぬと思い入ったる 気色 ( けしき ) に、兄も殆ど 持余 ( もて...
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・芥川龍之介 蜜柑 (青空文庫)
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・岸田國士 素面の管 (青空文庫)
もいゝさ。批評家などゝいふものは、わかつてもわからなくても、顔をしかめてさへゐれば、何か意見がありさうに見えるんだから。しかし、自分で小説なり戯曲なりを書いてゐながら、人の書いたものと云へば頭ごなし...
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・宮沢賢治 革トランク (青空文庫)
( ことば ) がはっきりしないのでどこの家でも工場でも頭ごなしに追ひました。 斉藤平太はすっかり困って口の中もカサカサしながら三日仕事をさがしました。 それでもどこでも断わられたうとう 楢岡 ( なら...
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・傾城買虎之巻 (青空文庫)
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・寺田寅彦 高知がえり (青空文庫)
なく菊尾は帰ったが、安田にも学校にも居ませんと云うので、御ばあさんまたブツブツ。そのうち定勝さんが帰った。着物の寸法を取らねばならぬに何処へ行っていたか。この忙しいのにどんなに世話を焼かすか知れぬと頭ごなし。帰っ...
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・萩原朔太郎 ラヂオ漫談 (青空文庫)
聴かぬラヂオに夢中になつて騒いでる時、室生君がやつて来ては、よく頭ごなしに嘲笑した。室生君の説によると、ラヂオなんか俗物の聴くものださうである。さうした彼のラヂオ嫌ひも、一には彼の新奇嫌ひ——その性分は、支那...
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・生きている腸 (青空文庫)
すくなからぬ貯金をつくったという幸福そのもののような医学者であった。 しかしなぜか吹矢は、博士のことを頭ごなしにやっつけてしまう悪い習慣があった。もっとも彼にいわせると、熊本博士なんか風上におけないインチキ人物であって、天に...
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・岸田國士 対話させる術 (青空文庫)
主義の巨頭、例の『ナナ』の作者ゾラが、大いに自然主義演劇を唱道して、自分でも劇作に手を染めた。勿論、劃時代的作品を書いたつもりであつたらう。ところが、時の鑑識ある劇評家から頭ごなしにやつつけられた。やつ...
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・太十と其犬 (青空文庫)
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・木内高音 水菓子屋の要吉 (青空文庫)
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・弟子 (Wikisource)
が孔子を随えて斉の景公と夾谷の地に会したことがある。その時孔子は斉の無礼を咎めて、景公初め群卿諸大夫を頭ごなしに叱咤した。戦勝国たるはずの斉の君臣一同ことごとく顫(ふる)え上ったとある。子路をして心からの快哉を叫ばしめるに充分な出来事であったが、この...
ja.wikisource.org/wiki/弟子
・豊島与志雄 阿亀 (青空文庫)
法なものですか。気が弱くちゃいけません。」 僕はそこで、頭ごなしにやっつけられた気がして、黙りこんでしまった。 ところが、やりかけのゲームを初めてるうちに、木谷は僕のところにやって来て、顔を近寄せて囁いた。 「先生...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 お照の父 (青空文庫)
で行き違ったか半七はもう出てしまった後であったので、また引っ返して自身番へくると、この始末である。幸次郎の怒るのも無理はなかった。彼は腹立ちまぎれに居あわせた者どもを頭ごなしに叱り付けた。そうして、すぐ河童のあとを追って行った。 「そりゃあ 拙 ( まず...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 人形使い (青空文庫)
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・夏目漱石 道草 (青空文庫)
ず ) い顔をした。ある時は自分を理解しない細君を 心 ( しん ) から 忌々 ( いまいま ) しく思った。ある時は 叱 ( しか ) り付けた。またある時は頭ごなしに 遣 ( や ) り込めた。する...
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におのれの意見をもち出して、芸術や芸術家にたいする頭ごなしの軽蔑を隠さなかった。否むしろそれを看板にして、この音楽家ばかりの親戚の一家を侮辱して喜んでいた。各人について悪い冗談ばかり言っていた。それ...
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・久生十蘭 顎十郎捕物帳 菊香水 (青空文庫)
しに甘えて、ひとつゆっくり頂戴するといたしましょう、なにとぞよろしく」 「まア、……よろしくなんて、そういうなされかたでは、思召しにそうことは出来ません。どうぞ、もっと……」 「もっと、なんです」 「もっと、どんどん頭ごなし...
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・犬田卯 瘤 (青空文庫)
助役でさえどれだけの肚をもっているのか——恐らく二年間の村長の空席には、自然と自分がのし上るべきものと取らぬ狸の……をきめ込んでいた矢先へ、のこのこと瘤の野郎に乗りこまれたのが癪で……位のところかも分らなかったのである。事実この中老助役は、葭簀張りの小学校舎をつくった時代にあっては瘤から頭ごなし...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 お蘭しごきの秘密 (青空文庫)
つままれた寝ざめの悪さが腹にたまっているとみえて、頭ごなしにがなりたてました。 「しゃくにさわるね。ゆうべなんていったんですかよ。朝ははええんだから道草食うなといったじゃござんせんか。つがもねえひとり者がまくらと添い寝をやって、何が...
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・正岡子規 従軍紀事 (青空文庫)
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・二葉亭四迷 浮雲 (青空文庫)
うな事を言う所を見りゃア、 弥 ( いよいよ ) 馬鹿だ」 「あれは全体課長が悪いサ、自分が不条理な事を言付けながら、何にもあんなに頭ごなしにいうこともない」 「それは課長の方が或は不条理かも知れぬが、しかし 苟 ( いや...
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・中島敦 弟子 (青空文庫)
( とが ) めて、景公始め群卿諸大夫を頭ごなしに 叱咤 ( しった ) した。戦勝国たるはずの斉の君臣一同ことごとく 顫 ( ふる ) え上ったとある。子路をして心からの 快哉 ( かいさい ) を叫...
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・矢田津世子 神楽坂 (青空文庫)
をちょっとの間に合せにした。爺さんが 渡仙 ( わたせん ) (羽後の名立たる高利貸の渡辺仙蔵)の手代をしていた頃、大番頭の丸尾さんというのが大そう主人の気にいりで、 下 ( しも ) の者にも受けがよい。 下 ( しも ) の者が何かの粗忽をした時などは頭ごなし...
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・豊島与志雄 林檎 (青空文庫)
だのと云って、頭ごなしにやっつけるんです。時には癇癪まぎれに、女にも敵わない弱虫ですかって、私をさんざん小突き廻すことさえあるんです。それなら初めっから、私と一緒にならなけりゃいいんですがね、私はその女のお影で、学校...
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・豊島与志雄 黒点 ——或る青年の「回想記」の一節—— (青空文庫)
髯を剃ることをひどく億劫がっていた。 或る時、父は一包みの古釘をどこからか持って帰った。そして火鉢の横に、厚い鉄板と金槌とを持出して、曲りくねった古釘を丁寧に伸ばし初めた。 「そんなことをして、何にするんだい。」 母は頭ごなし...
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