「隠者」を含む用例
・折口信夫 女房文学から隠者文学へ 後期王朝文学史 (青空文庫)
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・芥川龍之介 きりしとほろ上人伝 (青空文庫)
時学匠は爪長な指をのべて、下界をゆびさしながら申したは、 「かしこの 藁屋 ( わらや ) には、さる 有験 ( うげん ) の隠者が 住居 ( すまひ ) 致いて居ると聞いた。まづあの屋根の上に下らうずる。」とあつて、「れぷ...
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・薄田泣菫 春菜 (青空文庫)
も酔が醒めないところから、三日僕射といふ綽名を取つた周 といふ人があつた。この人の子孫に周 といふ清貧な隠者がゐた。 この周 が思ひ立つて、隠遁生活を送るべく、鍾山の山深く閉籠つたことがあつた。その知人の一人で、幼い...
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・太宰治 お伽草紙 (青空文庫)
そ赤くおそろしげではあるが、ひどく陽気で無邪気な鬼のやうだ、とお爺さんは見てとつた。お爺さんのこの判定は、だいたいに於いて的中してゐた。つまり、この鬼どもは、剣山の隠者とでも称すべき頗る温和な性格の鬼なのである。地獄...
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・坂口安吾 現代とは? (青空文庫)
ないのが当然だと私は思う。学究とか隠者とか、生活から距てられた骨董的老人が、愛読し、そして現代をのゝしるヨスガとする性質の、それも亦骨董品の一つではないかと私は考えているのである。 底本:「坂口安吾全集 06」筑摩...
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・坂口安吾 街はふるさと (青空文庫)
ましいほど断定的な直線で構図されているのである。まるで八十の隠者のように。 その構図は、肯定的で、楽天的であった。しかし彼女は自分が隠者に似ていることを自覚してはいないだろう。 「兄さんのドタ靴、ひどいわね。雑巾のような靴下。買っ...
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・薄田泣菫 侘助椿 (青空文庫)
つたい青葉を焼き焦がすやうに、火焔の花びらを高々と持ち上げないではゐられない 獅子咲 ( ししざき ) のそれに比べて、侘助はまた何といふつつましさだらう。黒緑の葉蔭から隠者のやうにその小ぶりな 清浄身 ( しや...
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・夏目漱石 博士問題とマードック先生と余 (青空文庫)
における英国の 隠者 ( いんじゃ ) 」というような 高尚 ( こうしょう ) な生活を送っているらしく思われた。博士問題に関して突然余の手元に届いた一封の書翰は、実にこの隠者が二十余年来の 無音 ( ぶい...
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・駆逐されんとする文人 (青空文庫)
や白木をお店とする美術家先生達と一緒に多額の営業税を納めるようになるだろう。恁ういう人達は郊外生活をするには及ばない。日本橋か銀座に何々株式会社と列んで白煉瓦の事務所を構える事が出来る。 ▲上司小剣君は日本の文士の隠者生活を何時までも保存したいと云ってる。が、文人が之まで隠者...
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・永井荷風 矢立のちび筆 (青空文庫)
われは唯 自 ( みずか ) らおのれを省みて心ならずも暗く淋しき日を送りつつしかも 騒 ( さわが ) し 気 ( げ ) に 嘆 ( なげ ) かず 憤 ( いきどお ) らず悠々として天分に安んぜんとする支那の隠者...
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でに無い異端の宗派が生じた。処々の市々は黙したる裸形の女人等が走り歩るくを見た。この恥知らぬ唖の女等はたゞ天に指すばかり、又数多の狂人は 朝 ( いち ) に立つて、世の破滅を説く由。修道の隠者、流浪の学生たちは、いろ...
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・中島敦 斗南先生 (青空文庫)
ようにして古代文字などを研究しながら、別にその研究の結果を世に問おうとするでもなく、東京の真中にいながら、髪を牛若丸のように結い、二尺近くも 白髯 ( はくぜん ) を貯えて隠者のように暮していた。その「お 髯 ( ひげ ) の伯父」( 甥...
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・花のいろ/\ (青空文庫)
至りては大河をなし海をなすといへる譬喩(たとへ)も目前なり、此道理にて我今少しの元手なれども一稼ぎ働かば以前の大身代に立戻らんこと遠きにあらじ、さても用無き隠者がゝりかなと悟り、即日(そのひ)に金子預け置きたる方へことわりを云ひこみ、密々...
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・伊太利亜の古陶 (青空文庫)
心臓形の中に僧の胸像は描かれているのだが、峻厳な茶色でくまどられた鷲鼻の隠者の剃った丸い頭の輪廓とその後にかかっている円光のやや薄平たい線とが、不思議に全体円い皿の形と調和を保ち、勁く効果多く藍色の心臓形を活かしているのだ。その...
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・牛肉と馬鈴薯 (青空文庫)
ろが先生僕と比較すると初から利口であったねエ、二月ばかりも辛棒していたろうか、或日こんな馬鹿気たことは断然止うという動議を提出した、その議論は何も自からこんな思をして隠者になる必要はない自然と戦うよりか寧ろ世間と格闘しようじゃアないか、馬鈴...
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・二十五年間の文人の社会的地位の進歩 (青空文庫)
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・泉鏡花 雪霊記事 (青空文庫)
て申すのですが、そこへ案内もなく、ずかずかと入って来て、 立状 ( たちざま ) にちょっと私を尻目にかけて、炉の左の座についた一 人 ( にん ) があります——山伏か、隠者か、と思う 風采 ( ふうさい ) で...
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・中島敦 名人伝 (青空文庫)
とした紀昌を導いて、 老隠者 ( ろういんじゃ ) は、そこから二百歩ばかり 離 ( はな ) れた 絶壁 ( ぜっぺき ) の上まで連れて来る。 脚下 ( きゃっか ) は文字通りの 屏風 ( びょうぶ ) のごとき 壁立...
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・田中貢太郎 牡丹燈記 (青空文庫)
とは老人の前へ行って 拝 ( おじぎ ) をした。 「わしは、こんな処へ籠っている隠者だから、そんなことはできない、それは何かの聞き違いだろう」 人びとは玄妙観の魏法師から教えられて来たと言った。 「そうか、わしは、今年...
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・海野十三 第四次元の男 (青空文庫)
ぶられた次第であった。 爾来、私は、隠者のような生活をしている。今も私の身体は、ときどき人間たちの眼に見えなくなるようである。不意に人に突き当られて 吃驚 ( びっくり ) することが 間々 ( まま ) あり、その...
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・芥川龍之介 芭蕉雑記 (青空文庫)
事を尋ねられしに、翁 曰 ( いはく ) 、詩の事は 隠士素堂 ( いんしそだう ) と云ふもの此道に深きすきものにて、人の名を知れるなり。かれ常に云ふ、詩は隠者の詩、風雅にてよろし。」 「 正秀 ( せいしう ) 問...
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・芥川龍之介 戯作三昧 (青空文庫)
手合ひの書くものには天然自然の人間が出てゐやす。決して小手先の器用や 生噛 ( なまかじ ) りの学問で、 捏 ( でつ ) ちあげたものぢやげえせん。そこが大きに 蓑笠軒隠者 ( さりふけんいんじや ) なんぞとは、ちがふ所さ。」 馬琴...
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・坂口安吾 女体 (青空文庫)
と二人だけで高原の森陰とか田園の沼のほとりで原始的な生活をして一生を終りたいと考へ耽るやうな人であつた。 この性癖は根強いものだと谷村は思つてゐた。病弱な谷村とすゝんで結婚したことも、その病弱が決定づけてゐる陰気な又隠者的な生活に堪へてゐるのも、素子の底にこの性癖があるからで、その...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 澪標 (青空文庫)
ぞ ) いて隠者になっている人も治世の君がお決まりになれば、白髪も恥じずお仕えに出て来るような人をほんとうの聖人だと言ってほめています。御病気で御辞退になった位を次の天子の御代に改めて 頂戴 ( ちょ...
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・太宰治 親友交歓 (青空文庫)
会に出席せよなどと言われる事があっても、「他にもっと適当な講師がたくさんいる 筈 ( はず ) です」と答えて断り、こっそりひとりで寝酒など飲んで寝る、というやや 贋隠者 ( にせいんじゃ ) のあ...
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・泉鏡花 伯爵の釵 (青空文庫)
様にお茶を替えて上げぬかい。」 紫玉は我知らず 衣紋 ( えもん ) が 締 ( しま ) った。…… 称 ( とな ) えかたは 相応 ( そぐ ) わぬにもせよ、 拙 ( へた ) な山水画の 裡 ( なか ) の隠者...
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・折口信夫 ごろつきの話 (青空文庫)
の子弟を教育するのが、主なるものとなつてゐたのだが、其教育は、なか/\行き届いたもので、時には、其娘や息子たちの為に、艶書の代筆などをもやつてゐる。此が、後には、男で文筆あるものが替つてやるやうになつた。隠者の文学は、そこ...
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・中島敦 悟浄出世 (青空文庫)
・この不思議な自己というやつこそ、依然として続くじゃろうよ。」 悟浄が仕えてからちょうど九十日めの朝、数日間続いた猛烈な腹痛と 下痢 ( げり ) ののちに、この老 隠者 ( いんじゃ ) は、つい...
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