「軽薄」を含む用例
・岸田國士 『紙風船』について (青空文庫)
文壇との血縁のやうなものが生じたらしい。この種のフアンテジイに何となく反感をもつ人もゐなくはなかつた——その点、実のところ私は、先駆者のつもりでゐた。新劇壇は表現派ばやりの時代とて、一部では軽薄呼ばはりをする声も聞えたが、似而...
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44533_36719.html
・宮本百合子 愛 (青空文庫)
の頃からでしょう。そして、愛という字が近代の偽善と自己欺瞞のシムボルのようになったのはいつの時代からでしょうか。三文文士がこの字で幼稚な読者をごまかし、説教壇からこの字を叫んで戦争を煽動し、最も軽薄な愛人たちが、彼等...
www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/4027_12690.html
・坂口安吾 切捨御免 ——貞操なきジャーナリズム—— (青空文庫)
を真犯人としているわけではない、と云っているのに、妙な感じをうけた。むしろ、腹立たしさを感じた。では、なぜ、容疑者の指名タイホを公表したのであるか。 この公表もひどかったが、ジャーナリズムの無定見、軽薄さは、さら...
www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43142_31205.html
・岡本かの子 縮緬のこころ (青空文庫)
子のゑりがかゝつたそのねんねこがすらつとした色の白い若い守女と眼の大きな髪の毛の黒々とした茫漠としたやうな女の児をつつんでゐたその頃の——明治三十年代のやや古びたおめしちりめんを想像して下さい。今の錦紗のやや軽薄めいた技巧的感触や西陣お召の厳粛性のやうな感じとは全然ちがふもつと、ち、り、め、ん、とい...
www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/439_4287.html
・太宰治 如是我聞 (青空文庫)
のごひいきのお好みに応じた表情を、キッとなって構えて見せているだけであった。軽薄も極まっているのであるが、馬鹿者は、それを「立派」と言い、「潔癖」と言い、ひどい者は、「貴族的」なぞと言ってあがめているようである。 世の...
www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1084_15078.html
・芥川龍之介 漱石山房の冬 (青空文庫)
印を貰つてゐますが、……」 わたしは 黙然 ( もくねん ) と歩き続けた。まともに吹きつける埃風の中にW君の軽薄を憎みながら。 (大正十一年十二月) 底本:「芥川龍之介作品集第三巻」昭和出版社 1965(昭和40)年12月...
www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/2321_13452.html
・宮本百合子 宝に食われる (青空文庫)
私の心持を陰気にさせる一つのものがあった。それは、仏像拝観に訪ねた私たちを案内したりもてなしたりしてくれる僧侶が、大概ごく若いのにまるで大人ぶり、それも一人前の坊さんぶるのではない軽薄な美術批評家ぶって、小癪な口を利き立てる淋しさである。やっ...
www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3855_13053.html
・坂口安吾 桜枝町その他 (青空文庫)
と童話が不滅の生命をつづけるであらうことも疑ひない事で、単に時代性を持たない点で批難さるべきものではないのだ。かやうな軽率な批難は、その人がいかに うかつ に軽薄な人生を歩いてゐるかを明らかにしてゐるにすぎないと私は固く信じてゐる。私は自分の文学を、まこ...
www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45840_39436.html
・太宰治 自作を語る (青空文庫)
の意図を、あやまたず摘出してくれる。山岸君も、亀井君も、お座なりを言うような軽薄な人物では無い。この二人に、わかってもらったら、もうそれでよい。 自作を語るなんてことは、老大家になってからする事だ。 底本...
www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/42366_15876.html
・岸田國士 新劇界の分野 (青空文庫)
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44397_19908.html
ば最近の科学者伝文学や科学者伝映画の多くは科学を技術へ持って行く代りにヒューマニズムへ持って行く。或いは技術を通らずに文化へ持って行く。この傾きも亦、文化的に相当誘惑的なものだ。 前者は一種の卑近な功利主義、一種の上つらの実行主義の誘惑である。之に対して後者は、一種軽薄な文化主義の誘惑である。科学...
www.aozora.gr.jp/cards/000281/files/42193_12281.html
・豊島与志雄 田園の幻 (青空文庫)
の川魚は甘煮にして大皿に並べてあった。そして手製のドブロクが何よりも上味だった。 「つまり、大戦のおかげで、東京と近在の田舎とが、いろんな点で平均してきたわけだな。平均して軽薄になってきた。」 平均の例として、彼は...
www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42660_25528.html
・怪僧 (青空文庫)
が云った。飯田は微笑しながらそれを聞きながして入った。部下もその後からいっしょに往った。狭い玄関口には大きな色の白い僧が坐っていた。 「今晩は御厄介にあずかります」 飯田は鷹揚に云った。僧は軽薄...
www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/1611.html
・宮沢賢治 山地の稜 (青空文庫)
から東には敏感な空の白髪が波立つ。光の雲のうねと云った方がいゝ、南はひらけたトウクォイス、東は銀の雲のうね、書いて行かうか。けれどもどうも 斯 ( か ) う云ふ調子にのった 語 ( ことば ) は軽薄でいけない。それ...
www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4469_8265.html
・九鬼周造 かれいの贈物 (青空文庫)
かく先生に上げようと思ってわざわざ国から取寄せて持ってきたものを気に入ってるこの敏子のところへすぐもうやってしまったと見えるな。かなり不似合な軽薄なことを先生もするのだな。自分が来たときしばらく待たせておいたのもその手配をするためだったのか。山崎はチラっとこんな念におそわれて少し不快を感じたが、万事...
www.aozora.gr.jp/cards/000065/files/4400_12067.html
・宮本百合子 風俗の感受性 ——現代風俗の解剖—— (青空文庫)
の歴史に立ってこの卓抜な業績を見て感興を覚えることは、漱石が実に容赦なく十八世紀ロンドン人士の俗っぽさ、軽薄さ「詩的に下等」であることを摘発しつつ、では何故そんなに俗っぽくて常識万能の鼻もちならなさが当時の社会に 瀰漫 ( びまん ) した...
www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2803_8851.html
・坂口安吾 大阪の反逆 (青空文庫)
文学論を一席やつたといふ。 かういふ織田の衒気を笑ふ人は、芸術に就て本当の心構へのない人だらう。笑はれる織田は一向に軽薄ではなく、笑ふ人の方が軽薄なので、深刻ヅラをしなければ、自分を支へる自信のもてない贋芸術の重みによた/\して...
www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42853_35002.html
・太宰治 親友交歓 (青空文庫)
顔には、 幽 ( かす ) かに見覚えがあった。 「知っている。あがらないか」私はその日、彼に対してたしかに軽薄な社交家であった。 彼は、 藁草履 ( わらぞうり ) を脱いで、常居にあがった。 「久し...
www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2271_34630.html
・田中貢太郎 瞳人語 (青空文庫)
歩いている女でも見かけると、きっと軽薄にその後をつけて往くのであった。 清明の節の前一日のことであった。たまたま郊外を歩いていると、一つの小さな車がきた。それは朱の色の戸に 繍 ( ぬい ) のある 母衣 ( ほろ ) をか...
www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/1647_16638.html
・百詩篇第7巻 (Wikisource)
アの人々は大いなる後悔の中にあるだろう。 空虚で軽薄な心が無謀を信じるだろう。 パンも塩もワインも水も毒もビール( cervoise )もない。 最も偉大な者が囚われる。飢餓、寒さ、窮乏。 35 大きな釣られた魚 [27] は嘆...
ja.wikisource.org/wiki/百詩篇第7巻
・岸田國士 言葉の魅力[第一稿] (青空文庫)
馴れた調子」とか、「分別臭い調子」とか、「軽薄な調子」とか、いろいろ云ふが、これはその時々の、又は単純な感情的色彩を指す場合もあり、一方、その人の性格、気風を表はしてゐるやうな時にも使ふのであつて、これこそ、寧ろ...
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44505_36669.html
・坂口安吾 文章その他 (青空文庫)
文章も生育するのである。しかるに日本の小説は、概して軽薄なる文章があるばかりである。詩の伝統はあつたが、人性観察に伝統を持たない日本は、そも/\文学の勉強法を根本から改める必要があるのである。繰り返して言ふが、こん...
www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45819_34995.html
・田中貢太郎 青蛙神 (青空文庫)
しきりに、離縁しようとしながら、この 態 ( ざま ) はなんです」 と言う者があった。目を開けてみると十娘であった。崑は喜びのあまりにとび起きて言った。 「おまえ、どうして来たのだ」 十娘が言った。 「あなたが軽薄...
www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/1657_13205.html
・弟子 (Wikisource)
は顔淵の受動的な柔軟な才能の良さが全然呑みこめないのである。第一、どこかヴァイタルな力の欠けているところが気に入らない。そこへ行くと、多少軽薄ではあっても常に才気と活力とに充(み)ちている子貢の方が、子路の性質には合うのであろう。この...
ja.wikisource.org/wiki/弟子
・太宰治 小さいアルバム (青空文庫)
は朝鮮の銀行に勤めているとかいう話だが、このひとに較べたら私なんかは、まず、おっちょこちょいの軽薄才士とでもいったところかね。見給え、私がこの写真のどこにいるか、わかるかね? そうだ、その主任の教授にぴったり寄り添って腰かけて、いかにも、どう...
www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/237_20060.html
・岡本かの子 新時代女性問答 (青空文庫)
理智 ( りち ) から明快に生きる青年と時代のカスをなめてただ 軽薄 ( けいはく ) にその場その場の生活をするのと両方でしょうね。もちろん女性にもそれに適応した型が幾つもの差別で存在してます。近代...
www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/4550_15438.html
・蒲松齢 田中貢太郎訳 阿霞 (青空文庫)
それを見て嘆き悲しむのみで如何ともすることができなかった。 その年の試験に景は落第して、亜魁すなわち経魁五人に 亜 ( つ ) ぐの成績を得たのは果して王昌であった。鄭も及第した。景はそれがために軽薄だという名がひろまった。 四十...
www.aozora.gr.jp/cards/001051/files/4935_27889.html
・岸田國士 『ハイカラ』といふこと (青空文庫)
ふ言葉を必ずしも「 気障 ( きざ ) な当世風」、乃至「軽薄な西洋かぶれ」とのみ解しないで、かの「粋」といふ言葉の如く、今日、われわれの生活、われわれの趣味、われわれの文学中に見る一つの「美」の要...
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44403_19759.html
・岸田國士 最近の戯曲について (青空文庫)
国の戯曲家によつて意識的にマスタアされつゝあることを証拠だてるのである。 今日の劇壇は、かゝる新作家の業績に対してまつたく無関係であるのみならず、これを一概に「文学性」として斥けるところに、大いなる時代的逆行があり、オーソドツクスへの軽薄な蔑視があり、新劇...
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44448_37216.html
・岸田國士 六号記 (青空文庫)
排斥の音頭取りは、西洋崇拝の軽薄な一面をしか見てゐないのではない。もつと深刻な一面があることを惧れてゐるのである。 キリスト教や共産主義は、なるほど西洋の思想なら、それでもよろしい。ただ、深く人間を見、高い精神と、豊か...
www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44430_17926.html
用例の品詞分類
他の用例のページ
Wikisource ジャーナリズム ヒューマニズム そこへ行くと 気に入らない キリスト教 宮本百合子 岡本かの子 田中貢太郎 知っている 西洋かぶれ 豊島与志雄 お座なり と見える と言って アルバム ドブロク ハイカラ ロンドン 三文文士 九鬼周造 何よりも 俗っぽさ 共産主義 切捨御免 功利主義 十八世紀 吹きつけ 坂口安吾 如何とも 如是我聞 宮沢賢治 容赦なく 文化主義 明らかに 漱石山房 自己欺瞞 音頭取り 食われる その人 その後 その時 と言い と言う タイホ ビール フアン マスタ ワイン ヴァイ 一人前 並べて 作品集 偉大な 先駆者 出版社 勉強法 十二月 受動的 坊さん 大きな 太宰治 容疑者 幾つも 当世風 得ない 意識的 感受性 感情的 戯曲家 戸坂潤 批評家 文化的 文学論 新時代 桜枝町 淋しさ 深刻な 無定見 無関係 真犯人 社交家 私たち 科学者 紙風船 老大家 聞えた 蒲松齢 藁草履 表現派 見かけ 見覚え 説教壇 貴族的 青蛙神 馬鹿者 髪の毛 一席 一日 一種 一部 一面 万事 万能 三十 上味 下等 不滅 両方 主任 主義 亀井 二人 交歓 人士 人性 人物 人生 人語 人間 今日 今晩 仏像 伝統 信念 偽善 傾向 僧侶 先生 公表 六号 写真 冷酷 分野 前者 劇壇 十一 卑近 卓抜 厳粛 及第 反感 反逆 問答 四十 場合 大人 大戦 大概 大正 大皿 大阪 女性 子貢 子路 存在 実行 小癪 小説 山地 山岸 山崎 岸田 崇拝 川魚 差別 常居 常識 平均 年代 底本 弟子 当時 彼等 後悔 後者 御厄 微笑 心持 思想 性格 性質 想像 意図 愛人 感興 感触 成績 戦争 戯曲 手製 才気 才能 批難 技巧 技術 拝観 指名 排斥 摘出 摘発 敏感 教授 文化 文壇 文学 文章 新作 新劇 日本 明快 明治 映画 昭和 時代 暗示 最近 朝鮮 本当 東京 柔軟 根本 案内 業績 歴史 母衣 気障 気風 活力 清明 漱石 潔癖 瀰漫 無謀 煽動 玄関 王昌 現代 理智 理窟 甘煮 生命 生産 生育 田園 田舎 白髪 目標 社会 科学 空虚 窮乏 童話 第一 第三 精神 縮緬 織田 美術 腹立 自作 自信 自分 自嘲 色彩 芥川 芸術 茫漠 落第 蔑視 血縁 衒気 表情 西洋 西陣 親友 観察 解剖 言葉 証拠 試験 詩的 詩篇 誘惑 読者 調子 貞操 贈物 趣味 軽率 軽薄 近代 近在 逆行 適応 郊外 部下 銀行 錦紗 陰気 離縁 青年 顔淵 風俗 飢餓 飯田 魅力 鷹揚 黙然