「軟らか」を含む用例
・岡本かの子 雪の日 (青空文庫)
はいりません。その代り日本のお嬢さん(西洋人には東洋人の年齢がわかりにくいのです)あなた日本の歌を唱って聴かせて下さい。」 ——日本でも歌をうたいますかね、お嬢さん。」 と老人が如何にももの軟らかに尋ねる。私は...
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・高村光雲 幕末維新懐古談 鶏の製作を引き受けたはなし (青空文庫)
の温柔なちんまりした形に対して、軍鶏の勇猛な処を 鑿打 ( のみう ) ち半分で、かさかさと荒けずりの仕事を見せると、形の上からも矮鶏の軟らかさに対して剛柔の対比にもなるし、また、仕事の上では粗密とか強弱などの調和も見せられる、これ...
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・寺田寅彦 郷土的味覚 (青空文庫)
なく密生しても活力を失わないという特徴があるために垣根の適当な素材として選ばれたのであろう。あれは何月頃であろうか。とにかくうすら寒い時候に可愛らしい筍をにょきにょきと 簇生 ( そうせい ) させる。引抜くと、きゅうっきゅうっと小気味の好い音を出す。軟らかい緑の茎に紫色の 隈取 ( くま...
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・田中貢太郎 柳毅伝 (青空文庫)
君は饗宴の席を設けさして毅と盃をあげた。洞庭君は酒を飲みながら毅が信義を重んじてわざわざ女の手紙をとどけてくれた礼を言って喜んだ。 軟らかな風がどこからともなしに吹いてきて、笑声が聞え、その笑声に交って笛や 簫 ( しょう ) の 音...
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・田中貢太郎 雨夜詞 (青空文庫)
た色の青白い、丸顔の線の軟らかなふわりとした顔が浮かんでゐた。この月になつて雨が降りだした頃から来はじめた客は、魚のフライを注文して淋しさうにビールを飲んだ。 「此所は面白い家だね、これからやつて来るよ、」 と客...
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・牧野富太郎 アケビ (青空文庫)
形が太く色が人眼をひく紫なものであるから、通る人にはだれにも気が付く。都会の人々には珍しいのでおみやげに買っていく。 紫の皮の中に軟らかい白い果肉があって甘く佳い味である。だが肉中にたくさんな黒い種子があって、食う...
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・村井政善 蕎麦の味と食い方問題 (青空文庫)
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・中里介山 大菩薩峠 東海道の巻 (青空文庫)
隔てた次の間で、すやすやとお絹の寝息が聞えます。軽い寝息、吐いて吸う 軟 ( やわ ) らかな女の寝息、すういすういと竜之助の魂に糸をつけて引いて行くようです。ややあって寝返りの音。 髪の毛が 枕紙 ( まく...
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・堀辰雄 風立ちぬ (青空文庫)
は一人で病室にいた。その日は大へん気分もよさそうで、いつも殆ど着たきりの寝間着を、めずらしく青いブラウスに着換えていた。私はそういう姿を見ると、どうしても彼女を庭へ引っぱり出そうとした。すこしばかり風が吹いていたが、それすら気持のいいくらい軟らか...
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・宮本百合子 村からの娘 (青空文庫)
の小市民の家庭の中での一つの役割とその型とになかなかはまれず、主婦としての民子は、やっと一ヵ月も経って、とし子の態度が軟らかくなって来たのに些か安堵するというところも、はっきり都会の主婦の常識というものがうかがえて、私にいろいろのことを考えさせた。 東北...
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・折口信夫 新しい国語教育の方角 (青空文庫)
頃二年上級の友人に恐しく早熟な読書家がありました。源氏物語も尠くとも、「須磨源氏」位の習得は持つて居た様です。其うへ、なか/\の雑書読みで、江戸の軟らかな物は元より、支那小説の類までも知つて居るのでした。昼の休みなどに、運動場の隅に此友人を真中に、小さ...
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・葉山嘉樹 死屍を食う男 (青空文庫)
の上にいるように感じた。 深谷は何をするのだろう? そんなにセコチャンと親密ではなかった。同性愛などとは思いもよらない仲であった。ほとんど一度も口さえ利いたことはなかった! 軟らかい墓土はそばに高く撥ねられた。そして 棺...
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・有島武郎 或る女(後編) (青空文庫)
だがふらりふらりと揺れるような感じを失ってはいなかったが、広い畳の 間 ( ま ) に大きな 軟 ( やわ ) らかい夜具をのべて、五体を思うまま延ばして、一晩 ゆっくり と眠り通したその 心地 ( ここち ) よさは格別だった。仰向けになって、寒か...
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・宮本百合子 一九二五年より一九二七年一月まで (青空文庫)
る男の傍で、始めて自分の軟らかさ、軽さ、愛すべきものであることを自覚する。 女にする男 その紙やすりである男の荒い掌になでられすぎた女を御覧、 こすりすぎた象牙の表面同様につやがぬけ、筋立ち、かさ...
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・黒島傳治 武装せる市街 (青空文庫)
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・佐々木味津三 山県有朋の靴 (青空文庫)
やくように言い乍ら近寄って、突然、軟らかく平七の手を握りしめたかと思うと、リンリンと簪を鳴らし乍ら、逃げるように門の中へ駈けこんでいった。 二階へあがって、見送ってでもいるらしく、顔のみえない窓から、同じ...
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・国枝史郎 怪しの館 (青空文庫)
琢磨というこの家の主人、こんな具合に話すのであった。 その琢磨の風貌だが、まことに立派なものであった。 艶々しい髪を総髪に結び、バラ毛一筋こぼしていない。広い額、秀でた眉、——それがノンビリと一文字である。軟らか...
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・国枝史郎 前記天満焼 (青空文庫)
の行き渡っている証拠である。丸味を帯びた細い眉、切長で涼しくて軟らか味のある眼、少し間延びをしているほど、長くて細くて高い鼻、ただし 鬘 ( まげ ) だけは 刷毛先 ( はけさき ) を散らし、豪勢 侠 ( いなせ ) に作...
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・国枝史郎 血曼陀羅紙帳武士 (青空文庫)
かな咽喉が、 鹿 ( か ) の 子 ( こ ) の半襟から抜け出している様子は、 艶 ( なまめ ) かしくもあれば清らかでもあった。 「もし、お武家様、お気づかれましたか」と娘は云った。 頼母...
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・小島烏水 高山の雪 (青空文庫)
日本北アルプス辺の峰頭に立って見ると雪田の美しさは、また別物である、柔かく彎曲する雪田の表面は、刃のような山稜から、暗い深い谷に折れ、窪地に落ちこんでは、軟らかい白毛の動物の背中のように円くなり、長く 蜿 ( く ) ねった 皴折 ( ひだ ) の白...
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・太宰治 斜陽 (青空文庫)
して私の胸の中に住む蝮みたいにごろごろして醜い蛇が、この悲しみが深くて美しい美しい母蛇をいつか、食い殺してしまうのではなかろうかと、なぜだか、なぜだか、そんな気がした。 私はお母さまの軟らかなきゃしゃなお肩に手を置いて、理由のわからない 身悶 ( みも...
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・太宰治 畜犬談 —伊馬鵜平君に与える— (青空文庫)
( がま ) を恐れて悲鳴を挙げたり、その様には私も思わず失笑することがあって、憎いやつであるが、これも神様の御心によってこの家へ迷いこんでくることになったのかもしれぬと、縁の下に寝床を作ってやったし、食い物も乳幼児むきに軟らか...
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・南方熊楠 十二支考 蛇に関する民俗と伝説 (青空文庫)
し性大寒にして能く陽道を萎せしめ人をして子なからしむ〉。ランドの『安南風俗迷信記』にこの蛇土名コン・トラン、その脂を塗れば鬚生ずとあれば漢医がこれを大寒性とせるは理あり、『 雅』には〈※ [#「虫+冉」、227-3] 蛇の脂人骨に 著 ( つ ) くればすなわち軟らか...
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・徳冨蘆花 熊の足跡 (青空文庫)
美しい山葡萄の紅葉を摘むで宿に歸つた。 午後は畫はがきなど書いて、館の表門から陸路停車場に投函に往つた。軟らかな砂地に下駄を踏み込んで、葦やさまざまの水草の茂つた入江の假橋を渡つて行く。やゝ色づいた樺、楢、イタヤ、など...
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・知里幸惠編訳 アイヌ神謡集 (青空文庫)
鴎の歌を友に木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁り,花咲く春は軟らかな陽の光を浴びて,永久に 囀 ( さえ ) ずる小鳥と共に歌い暮して 蕗 ( ふき ) とり 蓬 ( よもぎ ) 摘み,紅葉の秋は野分に穂揃うすすきをわけて,宵まで鮭とる 篝 ( かが...
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・平林初之輔 動物園の一夜 (青空文庫)
( てんてん ) していたことを思い出す。だが不眠なんてことは、今の苦しさに比べると極楽浄土だ。軟らかい布団があって、その上に 身体 ( からだ ) をぞん分に横たえることができるのだもの。立っ...
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用例の品詞分類
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