「袋戸棚」を含む用例
・宮本百合子 Sketches for details Shima (青空文庫)
間の上の長押に功七級金鵄勲章の金額のところはかくれるような工合に折った書類が 茶色の小さい木の椽に入ってかかっている、針金で。 ○大きい木の椽に、勲八等の青色桐葉章を与う証が入っている。 「三万五千五百八十四号ヲ以テ勲等簿冊ニ記入ス」 書院の袋戸棚 四枚...
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・変な音 (青空文庫)
の敷いてある六畳の方になると、東側に六尺の袋戸棚(ふくろとだな)があって、その傍(わき)が芭蕉布(ばしょうふ)の襖(ふすま)ですぐ隣へ往来(ゆきかよい)ができるようになっている。この一枚の仕切をがらりと開けさえすれば、隣室...
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・變な音 (青空文庫)
はもと特等として二間(ふたま)つゞきに作られたのを病院の都合で一つ宛(づゝ)に分けたものだから、火鉢などの置いてある副室の方は、普通の壁が隣の境になつてゐるが、寢床の敷いてある六疊の方になると、東側に六尺の袋戸棚...
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・黄昏 (青空文庫)
に対しても、おくめはただ、黙って頭を下げた。そして、自分の部屋に入り、襖をしめ、出がけとは正反対ののろさで、ゆるみかけた帯を、畳の上に解き落した。片隅に小机を置き、袋戸棚のある四畳半はまるで、今ま...
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・夏目漱石 門 (青空文庫)
( の ) けて、 袋戸棚 ( ふくろとだな ) を開けた。小六は御米の 後姿 ( うしろすがた ) の、 羽織 ( はおり ) が帯で高くなった 辺 ( あたり ) を 眺 ( なが ) めていた。何を...
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・久坂葉子 落ちてゆく世界 (青空文庫)
土蔵から出しておいてくれ。それから東さんを呼んで来てね。だいたい値をかいておいたけれど、よくもう一度相談してみてくれ。銀は東さんでない方がいいだろう。貴金属屋の方が……」 「では今日中に」 私は渋々立ち上り、袋戸棚...
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・若山牧水 姉妹 (青空文庫)
もお氣に入りやんしたらうね。」 そのうち母の平常の癖で 葛湯 ( くずゆ ) の御馳走が出た。母自身は胸が 支 ( つか ) へてゐるからと言つて、藥用に用ゐ馴れて居る葡萄酒をとり寄せて、吾々にも一杯づつでもと勸むる。私はそれよりもといつて袋戸棚...
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・泉鏡花 鷭狩 (青空文庫)
( つま ) らないから、寝しなに 呷 ( あお ) ろうと思って、それにも及ばず、ぐっすり 寐込 ( ねこ ) んだのが、そのまま袋戸棚の上に忍ばしてある事を思い出したし、……またそうも言った。——お澄...
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・牧野信一 村のストア派 (青空文庫)
を欠き、判断を失つて、寝てゐるわけにも行かなくなると部屋の隅にある祭壇の下に膝まづいて、いつまでもひれ伏した。 この部屋の隅には、この家を建てた者が、住むだら仏壇にでも仕様と思つたらしい左右に開く布張りの扉がついた袋戸棚...
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・矢田津世子 父 (青空文庫)
様の御旅行のお支度でしたらお手伝いいたしましょうか」と尋ねた。それで、明朝の父の新潟行きを紀久子は思い出したので離れへ行きかけた足をちょっと停めた。そして、 「いつもの通りですから独りで結構よ」 と廊下から声をかけて父の居間へ入り袋戸棚...
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・豊島与志雄 叔父 (青空文庫)
だの珊瑚だの瑪瑙だの、その他いろんな美しい玉のついた、種々の髪の道具を持っていた。彼はそれをそっと盗み出して隠しておいた。母は大騒ぎを初めた。漸く髪の道具は袋戸棚の中から見付ったが、彼は素知らぬ顔をしていた。そし...
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・豊島与志雄 聖女人像 (青空文庫)
同じように、待望の雨滴を楽しめばよかったのだ。蛙の如く遅鈍になれ。 敷き放しの寝床に転がっていると、庭の木立の影から忍び寄ってくる凉気が、もう既に感ぜられる。だが、私自身はどうしてこう風通しが悪いのか。——押入の横の袋戸棚...
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・邦枝完二 歌麿懺悔 江戸名人伝 (青空文庫)
りを見廻した。 「びっくりさせやがる。こんなに早く来やがって。——」 のこのこと床から 這 ( は ) い出した歌麿は、手近の袋戸棚を 開 ( あ ) けると、そこから、 寛政 ( かんせい ) 六年に出版した「 北国...
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