「蜃気楼」を含む用例
・芥川龍之介 蜃気楼 ——或は「続海のほとり」—— (青空文庫)
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・豊島与志雄 故郷 (青空文庫)
旅は苦難の道だ。砂漠を一人で旅するに等しい。その時、人を救うものは、日出の壮厳さや蒼空の深みや星の光などよりも寧ろ、オアシスの一掬の清水であろう。砂漠のオアシスは蜃気楼であることもある。それだからといって、蜃気楼...
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・芥川龍之介 後世 (青空文庫)
ら私はかう云ふ私の想像が、如何に私の信ずる所と矛盾してゐるかも承知してゐる。 けれども私は猶想像する。落莫たる百代の後に当つて、私の作品集を手にすべき一人の読者のある事を。さうしてその読者の心の前へ、朧げなりとも浮び上る私の蜃気楼...
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・蘭郁二郎 地図にない島 (青空文庫)
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・宮原晃一郎 子良の昇天 (青空文庫)
郷の天は一口に言へば、あのそれ、時時空に見えるでせう。美しいお城が、あれよ、あの 蜃気楼 ( しんきろう ) といふものとよく似てゐるの。」 「ウン、それぢや、僕も行つてみたいな。おつ 母 ( か ) さん、 僕 ( ぼく...
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・梶井基次郎 筧の話 (青空文庫)
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・宮本百合子 海浜一日 (青空文庫)
ば ) だから平気であった。 「どうせ歩くのなら海岸を行きましょうよ」 父を真中に挾み、彼等は愉快に波打ちぎわを進んだ。太陽が二子山のかげに沈もうとしていた。いつか雪雲が浮んだ。それに斜光の工合で、蜃気楼...
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・浮浪漫語 (青空文庫)
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・佐左木俊郎 猟奇の街 (青空文庫)
間もなく橋にかかった。黒い木橋は夢の国への通路のように、 幽 ( かす ) かに幽かに、その尾を羅の 帳 ( とばり ) の奥の奥に引いている。そして空の上には、高層建築が 蜃気楼 ( しんきろう ) のように 茫 ( ぼう...
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・木村荘八 鏑木さん雑感 (青空文庫)
は強固のものとなる。 鏑木さん一個の「回想」ではなく、我々時代共通の一つの資産となるのである。 元々はそれがぼくといふ相手なりぼくに先づ印刷紙面の愛情を通じて浮かび上つた「鏑木清方」の蜃気楼は、やが...
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・タイトル (青空文庫)
に思ひがけなく、海上に浮んだ蜃気楼(しんきろう)のやうな気がしたからだ。 『おーい!』 理由もなく、私は大声をあげて呼んでみた。広茫とした平野の中で、反響がどこまで行くかを試(ため)さうとして。すると不意に、前の...
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・光のない朝 (青空文庫)
んは我知らず指の先までひやひやになった。 どんな狂犬でも、歯の届かない処にある者に害を加えることはしなかろう。 津田と継母とが会った揚句、どんな吉事を望めよう。もう、自分のものと定ったと想った運命は、矢張り未定な、蜃気楼(しんきろう)であ...
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・萩原朔太郎 石段上りの街 (青空文庫)
のロマンチツクな夢幻的情趣——山巒の奥深く美しい生活の夢を捉へるといふやうな、言はば山間都市に対する蜃気楼的な幻想——にある。順つてそれが周囲に対して特異な気分を反映するほど、さうした場所の印象と魅惑を深くする。(言ふ迄もなく、それ...
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・坂口安吾 安吾巷談 教祖展覧会 (青空文庫)
脈々として子孫に霊気をつたえているに相違ないが、イサム氏に限らず、当今の超現実的傾向の源流をツラツラたずぬるに、元来詩人の霊気から発生した蜃気楼であると見たのは拙者のヒガメであろうか。 私がはじめてこの霊気に対面したのは、今か...
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・岡本綺堂 綺堂むかし語り (青空文庫)
の茶碗で番茶をすすっていると、江戸時代の麹町が湯気のあいだから 蜃気楼 ( しんきろう ) のように 朦朧 ( もうろう ) と現われて来る。店の八つ手はその頃も青かった。 文金 ( ぶんきん ) 高島田に や の字...
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・岡本綺堂 二階から (青空文庫)
( つか ) っている。しかしこの茶碗には幾人の唇が触れたであろう。 今この茶碗で番茶を 啜 ( すす ) っていると、江戸時代の麹町が湯気の間から 蜃気楼 ( しんきろう ) のように 朦朧 ( もう...
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・井上円了 妖怪玄談 (青空文庫)
第三時期の解釈法によりて定むるところの原因にまた三種あり。 第一種は、外界一方より起こる原因 第二種は、内界一方より起こる原因 第三種は、内外両界相合して起こる原因 まず第一種の例を挙ぐるに、 狐火 ( きつねび ) 、 鬼火 ( おにび ) 、 蜃気楼...
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・芥川龍之介 少年 (青空文庫)
に大沙漠の空想などは 蜃気楼 ( しんきろう ) のように消滅した。今はただ泥だらけの荷車が一台、寂しい彼の心の 中 ( うち ) におのずから車輪をまわしている。…… 保吉は 未 ( いま ) だにこの時受けた、大き...
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・芥川龍之介 侏儒の言葉 (青空文庫)
群の芸術家は幻滅の世界に住している。彼等は愛を信じない。良心なるものをも信じない。唯昔の苦行者のように無何有の砂漠を家としている。その点は成程気の毒かも知れない。しかし美しい 蜃気楼 ( しんきろう ) は砂...
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・芥川龍之介 神神の微笑 (青空文庫)
跡には、—— 日本の Bacchanalia は、 呆気 ( あっけ ) にとられたオルガンティノの前へ、 蜃気楼 ( しんきろう ) のように漂って来た。彼は赤い 篝 ( かがり ) の 火影 ( ほかげ ) に...
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・芥川龍之介 好色 (青空文庫)
した美人の姿が、 髣髴 ( はうふつ ) と浮んでゐるからだよ。平中は何時も世間の女に、さう云ふ美しさを見ようとしてゐる。実際惚れてゐる時には、見る事が出来たと思つてゐるのだ。が、勿論二三度逢へば、さう云ふ 蜃気楼...
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・宮本百合子 一九二九年一月——二月 (青空文庫)
れ工合が異常な感覚的実現性をもってモスク の一米ある壁の 此方 ( こちら ) まで迫って来たのだ。 臥て居た間自分の心に最も屡々現れた民族的蜃気楼は林籟に合わせ轟く日本の海辺の波と潮の香、日向...
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・寺田寅彦 レーリー卿(Lord Rayleigh) (青空文庫)
この家の後継者はこの実験室を玉突き室に改造したそうである。 病後の冬の寒さを避けるためにエジプト旅行に出掛けた。夫人の姉エリーノアも同道した。その頃はまだ珍しかったスエズ運河を見、 蜃気楼 ( しんきろう ) に欺されたりして、カイロに着き、そこ...
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・寺田寅彦 厄年と etc. (青空文庫)
わず ) 」という言葉の裏に四十は惑い易い年齢であるという隠れた意味を認めたい。 二十歳代の青年期に 蜃気楼 ( しんきろう ) のような希望の幻影を追いながら脇目もふらずに芸能の修得に勉めて来た人々の群が、三十...
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・山路愛山 明治文学史 (青空文庫)
は空言に非ずと信じて書くことにても、思想錯雑して前後衝突し論理的に之を 煎 ( せん ) じ 詰 ( つめ ) れば結局空論に化して自らも之を驚く者あり。 其論文の構造は如何にも華麗にして 恰 ( あたか ) も 蜃気楼 ( しん...
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・泉鏡花 瓜の涙 (青空文庫)
つつ近づくべからざる巨木名花があると聞く。……いずれ、佐保姫の 妙 ( たえ ) なる袖の影であろう。 花の 蜃気楼 ( しんきろう ) だ、 海市 ( かいし ) である……雲井桜と、その霞を 称 ( たた ) えて、人待石に、 氈 ( せん...
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・谷譲次 踊る地平線 ノウトルダムの妖怪 (青空文庫)
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・田中貢太郎 放生津物語 (青空文庫)
いものはない、この比、ばてれんが無うなって、 蜃気楼 ( かいやぐち ) もあまり立たないと思うておりゃ、またばてれんをやりだした」 「もったいない、もったいない、お諏訪様を拝んでおります、お前...
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