「蚕棚」を含む用例
・岡本綺堂 磯部の若葉 (青空文庫)
容易に動きそうもなかった。 堂と真向いの家はもう起きていた。家の軒下には桑籠が沢山に積まれて、若い女房が 蚕棚 ( かいこだな ) の前に 襷掛 ( たすきが ) けで働いていた。若い娘は何を祈っているのか知らない。若い...
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・伊藤左千夫 紅黄録 (青空文庫)
りざくり桑を 大切 ( おおぎ ) りに切ってる。薄暗い [#「薄暗い」は底本では「簿暗い」] 蚕棚 ( かいこだな ) の側で、なつかしい人なだけあわれはわけても深い。表半分雨戸をしめ家の中は乱雑、座を...
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・夢野久作 幽霊と推進機 (青空文庫)
で止せばよかったと思った。 チャンコロ部屋というのは船尾の最下層に近い部屋で、ズット以前に支那人の奴隷を積んだ寝床の取り崩し残りを、荒板で無造作に囲んだものであった。その真暗な 蚕棚 ( かいこだな ) 式の寝床の間を、突き...
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・吉江喬松 木曾御嶽の両面 (青空文庫)
は女の学生も出ている。同行者の一人の太田君は自分の教え子だと言ってその子の家へ立寄った。家の中は一ぱいに蚕棚が立てられていて、人のいる場所もない位。おとずれると、太い大黒柱の黒く光っている陰から老人の頭が見えて、その...
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・久生十蘭 海豹島 (青空文庫)
かりの押扉を押して部屋に入ってみた。 そこは奥行の深い 木 ( たるき ) がむきだしになった、がらんとした粗末な部屋で、半ば以上窓が雪に埋まっているので薄暗く、もののかたちが朧気によろめいている。左右の板壁によせて、二段になった蚕棚...
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