「虫歯」を含む用例
・坂口安吾 暗い青春 (青空文庫)
には少なからぬ抱負もある。抱負は何ぞや。 「私は虫歯が痛むときに、痛いと言へないこの商売が気に入つてゐるのです。会社につとめてゐるでせう。課長が私をよびつけて、君は朝から仏頂面をしてゐるぢやないか、何か不平があるのか、言ひ...
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・宮本百合子 短歌習作 (青空文庫)
れし後の雨だれきゝてあれば かしらおのづとうなだるゝかな ぜんまひの小毬をかゞる我指を 見れば鹿の子を髪にのせたや 夜々ごとに来し豆売りは来ずなりぬ 妻めとりぬと人の云ひたり 意志悪な小姑の如シク/\と いたむ虫歯...
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・泉鏡花 伯爵の釵 (青空文庫)
というのが金でも米でもない。 施与 ( ほどこし ) には違いなけれど、変な事には「お 禁厭 ( まじない ) をして遣わされい。虫歯が 疚 ( うず ) いて堪え難いでな。」と、成程左の頬がぷくりとうだばれたのを、堪難い 状...
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・徳田秋声 チビの魂 (青空文庫)
でゐるので、ちよつと四角張つたやうな輪廓だが、 鼻梁 ( びりやう ) が 削 ( そ ) げて、唇が厚手に出来てゐる外は、別に大して手落ちはなかつたし、ぱつちりはしないが、目も切れ長で、感じは悪くなかつた。虫歯...
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・わが町 (青空文庫)
おおけにと頭が下りかけたら、いまのベンゲットの話を想い出すんやぜ。——それから、歯抜きの辰いう歯医者に会うたら、忘れんと二円返しといてや。わいが虫歯抜いてもろた時の借りやさかい、他あやんがよろしゅう申してました言うて、二円...
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・旧主人 (青空文庫)
御手紙を書きながら啜泣(すすりなき)をなさることも有ました。時によると、御寝衣(おねまき)のまま、冷々(ひやひや)した山の上の夜気に打れながら、遅くまで御庭の内を御歩きなさることも有ました。 秋のはじめから、奥様は虫歯...
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・太宰治 猿ヶ島 (青空文庫)
お ) でいるときのほうが芝居の上手な婆で、おおお、またおれの奥の虫歯がいたんで来た。あれは地主と言って、自分もまた労働しているとしじゅう弁明ばかりしている小胆者だが、おれはあのお姿を見ると、鼻筋づたいに 虱...
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・牧野信一 風媒結婚 (青空文庫)
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・有島武郎 一房の葡萄 (青空文庫)
ども次の日が来ると僕は中々学校に行く気にはなれませんでした。お 腹 ( なか ) が痛くなればいいと思ったり、頭痛がすればいいと思ったりしたけれども、その日に限って虫歯一本痛みもしないのです。仕方なしにいやいやながら 家 ( いえ ) は出ましたが、ぶら...
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・鈴木三重吉 青い顔かけの勇士 (青空文庫)
ロットにも多少罪がないとは言へません。 これなぞは、みんな、しかられてもいゝことです。だけど、トゥロットはまだもつとわるいことをしてゐます。さう/\、あれが一とういけないことでした。きのふ、お母ちやまは、トゥロットの虫歯をうめに、歯の...
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・林芙美子 生活 (青空文庫)
が来てくれることは何よりもうれしい。日に十人位は色々の人が見える。疲れると勝手に横になって眠る。 家へ来るひとは、男のひとたちが多い。大変シゲキがある。——酒は飲まない。虫歯が出来たし、胃が弱くなって、 深酒 ( ふかざけ ) をす...
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・永井荷風 日和下駄 一名 東京散策記 (青空文庫)
み ) な態度を示すに引き比べて昔ながらの 脚半 ( きゃはん ) 草鞋 ( わらじ ) に 菅笠 ( すげがさ ) をかぶり 孫太郎虫 ( まごたろうむし ) や 水蝋 ( いぼた ) の 虫 ( むし...
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・黒島傳治 土鼠と落盤 (青空文庫)
の有毒瓦斯を溶解して来る。 長屋の背後の二すじの連山には、茅ばかりが、かさ/\と生い茂って、昔の巨大な松の樹は、虫歯のように立ったまゝ点々と朽ちていた。 灰色の空が、その上から低く、陰鬱に蔽いかぶさっていた。 山は、C川の...
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・小島烏水 高山の雪 (青空文庫)
な円い輪を描いたのに似ている。これも風力が、雪片を飛散させて作ったのであろうと思われる。 最後に雪の「カアル」(Kar)またはサアカス(Cirques)というものについて述べる。これは雪が深く、岩壁に喰い入って、そこだけを、虫歯...
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・山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 恋衣 (青空文庫)
ふにわらひたまひぬ あやにくに 虫歯 ( むしば ) [#ルビの「むしば」は底本では「むしは」] 病む子とこもりゐぬ皷きこゆる昼の山の湯 君によし撫でて見よとて引かせたり小馬ましろき春の夕庭 花とり/″\野分...
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・太宰治 きりぎりす (青空文庫)
になど決してなれるものでないと私は、思っていました。けれども、それは、見せかけだったのね。どうして、どうして。 但馬さんが個展の相談を持って来られた時から、あなたは、何だか、おしゃれになりました。まず、歯医者へ通いはじめました。あなたは虫歯...
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・泉鏡花 夫人利生記 (青空文庫)
しんみょうけん ) の宮、摩利支天の 御堂 ( みどう ) 、弁財天の 祠 ( ほこら ) には名木の紅梅の 枝垂 ( しだ ) れつつ咲くのがある。明星の丘の 毘沙門天 ( びしゃもんてん ) 。虫歯封じに 箸 ( はし...
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・水上滝太郎 山の手の子 (青空文庫)
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・武田麟太郎 現代詩 (青空文庫)
陛下の御前で試合したのをおぼえてるぢやろ」 今朝がた兄は虫歯をスイスイ云はせながら、さう云つてゐた。同じことを母親にも聞かせたものと見える。 「——かつ子さん、あんたは本当にせんかも知らんが、アルバム見りやちやんとお分りになるが、中学...
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・牧野信一 毒気 (青空文庫)
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・豊島与志雄 理想の女 (青空文庫)
日たっても痛みが止まなかった。「あの晩からよ、」と彼女は云った。私は冷りとした。そして無理に歯医者へ通わした。 歯医者の言葉に依れば、その虫歯は可なりひどくなってるので、セメンをつめ金を被せるのには、二週...
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