「茜」を含む用例
・佐藤垢石 しゃもじ(杓子) (青空文庫)
中間に殿田用水の石橋がある。石橋の手前の方二十間ばかりは、 路 ( みち ) の両側に桑畑が森の如く茂り合っている。路の幅は、一間半あるかないか。 永き夏の 陽 ( ひ ) も、西に没して空の 茜 ( あかね ) 色も...
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・泉鏡花 森の紫陽花 (青空文庫)
( は ) に 茜 ( あかね ) さす 夕日 ( ゆふひ ) 三筋 ( みすぢ ) 四筋 ( よすぢ ) 、 梢 ( こずゑ ) には 羅 ( うすもの ) の 靄 ( もや ) を 籠 ( こ...
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・久生十蘭 キャラコさん 蘆と木笛 (青空文庫)
氏は、 茜 ( あかね ) さんという、すごいような 端麗 ( たんれい ) な顔をした妹さんと二人で 別棟 ( べつむね ) の 離屋 ( はなれ ) を借り切って、二階と 階下 ( した ) に別...
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・梶井基次郎 路上 (青空文庫)
分は言った。 富士がよく見えたのも立春までであった。午前は雪に 被 ( おお ) われ陽に輝いた姿が丹沢山の上に見えていた。夕方になって陽がかなたへ傾くと、富士も丹沢山も一様の影絵を、 茜 ( あかね ) の空...
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・泉鏡花 妖術 (青空文庫)
( やに ) の音。くく、とどこかで鳩の声。 茜 ( あかね ) の 姉 ( あねえ ) も三四人、 鬱金 ( うこん ) の 婆様 ( ばさま ) に、 菜畠 ( なばたけ ) の 阿媽 ( かか...
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・菊池寛 大阪夏之陣 (青空文庫)
城に入っている。 塙直之戦死 大阪方でも、戦備に忙しく、新規浪人を募集し、秀頼自ら巡視した。「 茜 ( あかね ) の 吹貫 ( ふきぬき ) 二十本、金の切先の旗十本、千本 鑓 ( やり ) 、瓢箪の御馬印、太閤...
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・若松賤子 忘れ形見 (青空文庫)
たまわ ) っているようでした。 勿論 ( もちろん ) 何のことか判然 聞取 ( ききとれ ) なかったんですが、ある時 茜 ( あかね ) さす夕日の光線が 樅 ( もみ ) の木を大きな 篝火 ( かが...
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・蘭郁二郎 蝕眠譜 (青空文庫)
出された時は、もう空の 茜 ( あかね ) が 薄黝 ( うすぐろ ) く 褪 ( あ ) せた頃だった。 燦々と輝く電燈を吊した新興商店街を抜けると、見覚えの道が、黒く柔らかに武蔵野の森に続いていた。私は...
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・久生十蘭 キャラコさん 新しき出発 (青空文庫)
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・近松秋江 箱根の山々 (青空文庫)
眉の上に聳つ鷹巣山と峯つゞきなる宮の下の淺間山と二の平と強羅の傾斜との彼方に早川の溪が抉つたやうに深く掘れてゐる。その上に明神ヶ岳は屏々として、濃藍色に暮れてゆかうとしてゐる。明日の晴を報ずる白い雲の千切れが刻々 茜 ( あかね ) 色に夕映てゐる碧空に向つて飄々として上騰し、金時山、足柄...
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・佐藤垢石 わが童心 (青空文庫)
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・佐藤垢石 酒徒漂泊 (青空文庫)
蒼 ( あお ) く、真昼の 陽 ( ひ ) は輝いている。上州では高い空に白い浮雲をみたのに、信州へはいっては一片の雲もみない。その明るい陽に照らされて、浅間山の中腹から、前掛山の頂かけて 茜...
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・寺田寅彦 東上記 (青空文庫)
胸ふくれて心地よからず。とかくするうち東の空白み渡りて 茜 ( あかね ) の 一抹 ( いちまつ ) と共に星の光まばらになり、軒下に車の音しげくなり、時計を見れば既に五時半なり。急いで朝飯かき込み岡崎氏と停車場に 馳...
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・小熊秀雄 小熊秀雄全集-13 詩集(12)その他の詩篇 (青空文庫)
ガンのペタルを踏み歩くやうに 人生は鳴る 茜 ( あかね ) 色から朝に変るやうに 夕映 ( ゆうばえ ) から夜にかはるやうに 移りかはり激しく 貧しいものだけが 真実の喜怒哀楽を享楽する。 怖ろしい言葉を 頭を掻きむしつて 詩を...
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・山田美妙 武蔵野 (青空文庫)
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・泉鏡花 竜潭譚 (青空文庫)
日あざやかにぱつと 茜 ( あかね ) さして、眼もあやに躑躅の花、ただ 紅 ( くれない ) の雪の 降積 ( ふりつ ) めるかと疑はる。 われは涙の声たかく、あるほど声を 絞 ( しぼ ) りて姉をもとめぬ。 一...
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・泉鏡花 海神別荘 (青空文庫)
けて浦づたい、朝夕の、 茜 ( あかね ) 、紫、雲の上を山の峰へお 潜 ( しの ) びにてお出ましの節、珍しくお手に 入 ( い ) りましたを、 御姉君 ( おんあねぎみ ) 、 乙姫 ( おとひめ ) 様へ...
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・泉鏡花 薄紅梅 (青空文庫)
らし ) の吹く日も、暖かそうに霞んで見えて、裏表、露地の 処々 ( ところどころ ) から、三崎座の女芝居の景気 幟 ( のぼり ) が、 茜 ( あかね ) 、 浅黄 ( あさぎ ) 、青く、白く、また...
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・泉鏡花 悪獣篇 (青空文庫)
( かに ) の穴、うたかたのあわれを吹いて、 茜 ( あかね ) がさして、日は 未 ( いま ) だ高いが虫の声、 艪 ( ろ ) を 漕 ( こ ) ぐように、ギイ、ギッチョッ、チョ。 「さあ、お掛...
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・中原中也 在りし日の歌 亡き児文也の霊に捧ぐ (青空文庫)
かに此処で待つてゐなければならない さうすればそのうち 喘 ( あへ ) ぎも平静に復し たしかにあすこまでゆけるに違ひない しかしあれは煙突の煙のやうに とほくとほく いつまでも 茜 ( あかね ) の空にたなびいてゐた [#改ペ...
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・島田清次郎 地上 地に潜むもの (青空文庫)
ツのポケットの中へ手紙を二つ折りにして入れたまま 戸外 ( そと ) [#ルビの「そと」は底本では「そよ」] へ出た。彼は和歌子の家へゆくつもりであった。戸外はもう夕暮近くで、空には 茜 ( あかね ) 色の雲が美しくちらばっていた。彼は...
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・木下杢太郎 京阪聞見録 (青空文庫)
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・林不忘 丹下左膳 日光の巻 (青空文庫)
に共同に穀物でも入れておくところらしいが……。 空いっぱいに 茜 ( あかね ) の色が流れて、小寒い烏の声が二つ三つ、ななめに夕やけをつっきって啼きわたるころ。 夕方を待っていたかのように、その 藁 ( わら ) 屋根の小屋に、ポツ...
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・蘭郁二郎 腐った蜉蝣 (青空文庫)
を忘れて見詰め、或は又、 右手 ( めて ) の 太郎岬 ( たろうみさき ) の林を染めている 幽 ( かすか ) な 茜 ( あかね ) に、少女のような感傷を覚えたり、さては疲れ果て、 骸骨 ( がい...
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・蘭郁二郎 鱗粉 (青空文庫)
のような情熱——、若々しい情熱が、爽快な海風に乗って、鷺太郎の胸をさえ、ゆすぶるのであった。 最早 ( もはや ) 、 茜 ( あかね ) さえ 褪 ( あ ) せた空に、いつしか I岬 ( アイみさき ) も溶...
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