「翅」を含む用例
・宮沢賢治 手紙 三 (青空文庫)
( ばい ) 乃至 ( ないし ) 八百倍ぐらいまでですから、 蝶 ( ちょう ) の 翅 ( はね ) の 鱗片 ( りんぺん ) や 馬鈴薯 ( ばれいしょ ) の 澱粉粒 ( でんぷんりゅう ) など...
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・梶井基次郎 桜の樹の下には (青空文庫)
かげろうの屍体だったのだ。隙間なく水の面を被っている、彼らのかさなりあった 翅 ( はね ) が、光にちぢれて油のような光彩を流しているのだ。そこが、産卵を終わった彼らの墓場だったのだ。 俺はそれを見たとき、胸が 衝 ( つ...
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・高村光太郎 蝉の美と造型 (青空文庫)
きに指をなめては其をまきつける楽しさを今でも 稍 ( やや ) 感傷的に思出す。私はなぜかクモの巣の糸を集めて捉えるという方法を当時知らなかった。これは最近になって聞いた方法である。これで採れるなら此の方がよい。 翅 ( はね ) を傷...
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・素木しづ 幸福への道 (青空文庫)
から見たら、二人が 秋草 ( あきぐさ ) と一緒に搖れてるんですね。水のやうにけざやかな秋の空は、美しい光りを孔雀の 翅 ( はね ) のやうにひろげて、その中に憧憬の歡樂を夢みる二人は、本當...
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( いろいり ) の 翅 ( はね ) を 拡 ( ひろ ) げて、 小 ( ちひ ) さな 頸 ( くび ) の 透 ( す ) きとほつて、 空 ( から ) な 処 ( ところ ) をみせもする。 伝...
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・芥川龍之介 女 (青空文庫)
首もとへ 跳 ( おど ) りかかった。蜂は必死に 翅 ( はね ) を鳴らしながら、無二無三に敵を 刺 ( さ ) そうとした。花粉はその翅に 煽 ( あお ) られて、紛々と日の光に舞い上った。が、蜘蛛...
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・蒲松齢 田中貢太郎訳 汪士秀 (青空文庫)
明けてから見ると舟の中に魚の 翅 ( ひれ ) が落ちていた。さしわたしが四、五尺ばかりもあった。そこでこれは宵に切った 臂 ( ひじ ) であったということを悟ったのであった。 底本:「聊斎志異」明徳出版社 1997(平成...
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・蒲松齢 田中貢太郎訳 促織 (青空文庫)
やっとそれを捉えて精しく見た。それは大きな尾の長い、 項 ( うなじ ) の青い、金色の 翅 ( はね ) をした虫であった。成は大喜びで篭へ入れて帰った。 成の一家は喜びにひたされた。それは大きな 連城 ( れんじょう ) の...
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・岡本綺堂 磯部の若葉 (青空文庫)
にも丘にも、桜の古木が枝をかわして繁っている。磯部の若葉は総て桜若葉であるといってもいい。雪で作ったような白い 翅 ( つばさ ) の鳩の群が沢山に飛んで来ると湯の町を一ぱいに 掩 ( おお ) って...
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・夏目漱石 処女作追懐談 (青空文庫)
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・蒲原有明 新しき聲 (青空文庫)
胸は胡蝶の 翅 ( つばさ ) の如く 顫 ( ふる ) へた。島崎氏の用ゐられた言葉は决して 撰 ( え ) り好みをした珍奇の言葉ではなかつたので、一々に拾ひ上げて見れば 寧 ( むし ) ろそ...
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・泉鏡太郎 蛇くひ (青空文庫)
同音 ( どうおん ) に「お 十三 ( じふさん ) 七 ( なゝ ) つ」と 和 ( わ ) して、 飛禽 ( ひきん ) の 翅 ( つばさ ) か、 走獸 ( そうじう ) の 脚 ( あし...
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・中島敦 和歌でない歌 (青空文庫)
チェもかゝる夢見て思ひ得しかツァラツストラが永劫囘歸 むかしわれ 翅 ( はね ) をもぎける 蟋蟀 ( こほろぎ ) が夢に來りぬ人の 言葉 ( くち ) きゝて 何故 ( なにゆゑ ) か生埋にされ叫べども 喚 ( わめ ) けど呼べど人は來らず 叫べ...
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・岡本かの子 蝙蝠 (青空文庫)
へ首尾よく移した。籠の口で、お涌が指を蝙蝠の 翅 ( はね ) から離すときに、いかにも喰ひつかれるのを怖れるやうに、 勢 ( いきおい ) づけて引込ますと、男の子はくくくと、笑つた。その声には、いぢ...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 行幸 (青空文庫)
から考えていた問題であろうと大臣はとって、ただかしこまっていた。 「昔から公人としても私人としてもあなたとほど親しくした人は私にありません。 翅 ( はね ) を並べるというようにして将来は国事に携わろうなどと当時は思ったものですがね、のち...
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・ちるちる・みちる (青空文庫)
かりに一ぴきの ※ (かな/\) があるいてきました。翅(はね)などはもうぼろぼろになつて飛(と)べるどころではありません。 機織蟲(ばつた)をみかけると 「毎日(まいにち)、毎日(まいにち)よくまあ、お稼(かせ)ぎで...
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・加能作次郎 少年と海 (青空文庫)
( ゆうゆう ) と低い空を 翅 ( かけ ) っていました。 夕暮方に、この浜には盛んな 藁火 ( わらび ) の煙があがりました。それは為吉の 死骸 ( しがい ) をあたためるためでした。為吉...
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・芥川龍之介 手紙 (青空文庫)
は 仰 ( あおむ ) けになったなり、時々 裂 ( さ ) けかかった 翅 ( はね ) を鳴らし、蟻の群を 逐 ( お ) い払っています。が、蟻の群は 蹴散 ( けち ) らされたと思うと、すぐ...
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・太宰治 おしゃれ童子 (青空文庫)
も、こんどのシャツには蝶々の 翅 ( はね ) のような大きい 襟 ( えり ) がついていて、その襟を、夏の 開襟 ( かいきん ) シャツの襟を背広の上衣の襟の外側に出してかぶせているのと、そっ...
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・神西清 わが心の女 (青空文庫)
蓮が咲きほこり、熱帯魚がルビイ色の 魚鱗 ( ぎょりん ) をきらめかせてゐる。樹間には極楽鳥の 翅 ( つばさ ) がひるがへり、芝生には白 孔雀 ( くじゃく ) が、 尻尾 ( しっぽ ) をひ...
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・島木健作 ジガ蜂 (青空文庫)
といふよりは青光りのする美しさである。 翅 ( はね ) も日の光を受けると紫色に輝いて美しい。病室の障子窓からすぐ手の届く所へまで枝を張つてゐる柿の木が、白い小さな花をぽたぽた落す間を、一刻を惜むやうに忙しげに飛び移つてゐる蜜蜂は、ジガ...
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・海野十三 見えざる敵 (青空文庫)
聞いてみるがいい。蠅はたしかに壜の中を飛んでいるのだ。 翅 ( はね ) の音が聞えるにちがいない」 二人は半信半疑で、大きな硝子壜に耳をつけてみた。 「なるほど、たしかに翅がブーンブーン 唸 ( うな ) って...
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・蒲松齢 田中貢太郎訳 王成 (青空文庫)
なく雪のような毛がばらばらに落ちて、 翅 ( はね ) を垂れて逃げていった。見物していたたくさんの人達は王成の鶉をほめて羨まない者はなかった。 王はそこで王成の鶉を手に持って、 喙 ( くちばし ) より 爪先 ( つまさき ) まで...
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・佐藤垢石 みやこ鳥 (青空文庫)
船が隅田川と綾瀬川の合流点を下流の方へ曲がる時、左舷から眺めると、鐘ヶ淵の波の上に『みやこ鳥』が浮いていた。楽しそうに水面に群れていたみやこ鳥は、行く蒸気船に驚いて二つの 翅 ( はね ) で水を 搏 ( う ) った。そして、乗客...
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・森鴎外 みちの記 (青空文庫)
う ) 一つ二つ 翅 ( つばさ ) 重 ( おも ) げに飛べり。車漸く進みゆくに霧晴る。 夕日 ( ゆうひ ) 木梢 ( こずえ ) に残りて、またここかしこなる 断崖 ( だんがい ) の白...
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・田中貢太郎 陳宝祠 (青空文庫)
は風があった。杜陽はどうして道のある処へ出たものだろうと思って注意した。其処は険しい切り断った瓶の底のような壑の底で、 翅 ( はね ) のないかぎりあがって往くというようなことは想像にも及ばなかった。彼が...
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・田中貢太郎 西湖主 (青空文庫)
心がふるえて肌に粟ができた。彼は自分の体に 翅 ( つばさ ) のないことを恨んだ。彼は殺されるのを待つより他にしかたがなかった。 やや暫くして初めの女がまた来て、そっと言った。 「お喜びなさい、あな...
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・田中貢太郎 変災序記 (青空文庫)
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・牧野富太郎 カキツバタ一家言 (青空文庫)
は今からまさに百二十一年前の文政四年に出版となった同氏著の、『槻の落葉信濃漫録』に載っている文章である。 かきつばた 波太波奈 ( ハタハナ ) の通ふ言につきて因に言 かきつばたといふ花の名は燕の 翅 ( カケ ) る形ちに似たれば 翅燕花 ( カケ...
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