「簇」を含む用例
・芥川龍之介 O君の新秋 (青空文庫)
花を 簇 ( むらが ) らせたまま、そよりともせずに日を受けてゐた。 「おや、こいつはもう咲いてゐらあ。この……… 何 ( なん ) と云つたつけ、 団扇 ( うちは ) の画の中にゐる花の 野郎...
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・小島烏水 菜の花 (青空文庫)
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に小さな紫弁が 簇 ( むら ) がってちょっと小菊の花に似ているもの)、それが終ると、今度は小鳥に唐草を一組仰せつかった。この一組は二枚の処も四枚の所もあって、なかなか大きく手の 籠 ( こ ) んだもの。……これ...
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・佐藤垢石 しゃもじ(杓子) (青空文庫)
盛んであった。久し振りの機会であったので、役場の小使に頼んで、濁酒一升を取り寄せた。われら二人は、豪酒であったから、僅かに一升を酌みあったのでは、腹の虫の機嫌に触れぬ。 とはいえ、季節は折柄養蚕上 簇 ( まぶ...
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・北村透谷 復讐・戦争・自殺 (青空文庫)
不義は直ちに其反響を社会に及ぼすなり、而して此塲合には、社会は他の義を以て、其不義を消すの権利あり、責任あり、これ正しき意味の復讐なり。宗教の精神より云ふ時は、社会といふ法律的の組織はなし、単に神の下に 簇 ( むら ) がる...
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・北村透谷 最後の勝利者は誰ぞ (青空文庫)
すれば基督。 来れ、共に基督の旗に 簇 ( あつ ) まらむ。われら最後の勝利者に従ひ、以てわれらの紛糾せる戦争の舞台を撤去せむ。平和は、われらが基督にありて領有する最後の武器なり。 (明治二十五年五月) 底本...
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たけ入口に近く地歩を占めようとして、次第次第に 簇 ( むら ) がつて来た。 各 ( おの/\ ) 番号の打つてある札を持つてはゐるが、遅く往つたら這入られまいかと云ふ心配をしてゐる。それは偽札が出たと云ふ噂を聞いたので、番号...
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・梶井基次郎 闇の絵巻 (青空文庫)
く光らせている。竹というものは樹木のなかで最も光に感じやすい。山のなかの所どころに 簇 ( む ) れ立っている竹藪。彼らは闇のなかでもそのありかをほの白く光らせる。 そこを過ぎると道は切り立った崖を曲がって、突如...
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・市島春城 読書八境 (青空文庫)
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・中島敦 夾竹桃の家の女 (青空文庫)
の水浴をしてゐる娘共にからかふ気も起らない。又、緩やかな石の坂道を下り続ける。 夾竹桃が紅い花を 簇 ( むらが ) らせてゐる家の前まで来た時、私の疲れ(といふか、だるさといふか)は堪へ難いものになつて来た。私は...
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・島木赤彦 諏訪湖畔冬の生活 (青空文庫)
を離れる石が氷上に置かれる頃は、もうからからに凍つてゐるからである。凍つた石が、終りに黒山を成して氷の上に積み上げられる頃は、「やつか」の底には青藻と共に揺れ動いてゐる魚族がある。日が射せば水底に 簇 ( むらが ) り光...
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・北村透谷 万物の声と詩人 (青空文庫)
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・小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ (青空文庫)
木の下闇を白く抜いて、水は蒼暗い葉のトンネルを潜って、石を噛んでは音を立てる、小さな泡が、葉陰を洩れた日の光で、 紫陽花 ( あじさい ) の花弁を 簇 ( むら ) がらしたような、小刻みな 漣 ( さざなみ ) を作...
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・泉鏡太郎 人魚の祠 (青空文庫)
えて、 膚 ( はだ ) の 白 ( しろ ) い 色 ( いろ ) が 颯 ( さつ ) と 簇 ( むらが ) つて 咲 ( さ ) かう。 霞 ( かすみ ) は 花 ( はな ) を 包...
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・森鴎外 妄想 (青空文庫)
ルランドとスコットランドとから起つて、ヨオロッパ一般に行はれるやうになつた d n ( ドユウン ) といふ 語 ( ことば ) は、かういふ処を 斥 ( さ ) して言ふのである。 その砂山の上に、ひよろひよろした赤松が 簇 ( むら...
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・北原白秋 東京景物詩及其他 (青空文庫)
に似て小さく、 簇 ( むらが ) り青むある花は ひと日 浴 ( ゆあ ) みし肺病の女の肌を忍ぶごとく、 洋妾 ( らしやめん ) めける 雁来紅 ( けいとう ) は 吸ひさしの巻煙草めきちらぼひてしみらに 薫...
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・芥川龍之介 庭 (青空文庫)
柳はこの間植ゑたばつかだに。」——廉一は叔父を 睨 ( にら ) みつけた。「さうだつたかなあ。おれには何だかわからなくなつてしまつた。」——叔父は憂欝な目をしながら、日盛りの池を見つめてゐた。 それでも秋が来た時には、草や木の 簇...
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・芥川龍之介 六の宮の姫君 (青空文庫)
ず ) んだ儘、茫然と庭の跡を眺めまはした。其処には半ば埋もれた池に、 水葱 ( なぎ ) が少し作つてあつた。水葱はかすかな新月の光に、ひつそりと葉を 簇 ( むらが ) らせてゐた。 男は 政所 ( まん...
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・高村光雲 幕末維新懐古談 四頭の狆を製作したはなし (青空文庫)
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・森鴎外 花子 (青空文庫)
に節のあるような鼻。白いたっぷりある 髯 ( ひげ ) が 腮 ( あご ) の周囲に 簇 ( むら ) がっている。 戸をこつこつ 叩 ( たた ) く音がする。 「 Entrez ( アントレエ ) !」 底に...
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にも見えない。河に沿うて、河から段々陸に打ち上げられた土沙で出来ている平地の方へ、家の 簇 ( むら ) がっている斜面地まで付いている、黄いろい泥の道がある。車の轍で 平 ( な ) らされているこの道を、いつ...
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・芥川龍之介 山鴫 (青空文庫)
からトルストイ夫人はトウルゲネフの側に、子供たちは彼等のずつと後に、各々分れてゐる事になつた。 空はまだ赤らんでゐた。その空を 絡 ( かが ) つた木々の梢が、一面にぼんやり煙つてゐるのは、もう匂の高い若芽が、 簇 ( むらが ) つて...
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・芥川龍之介 文章 (青空文庫)
( もや ) ももういつか 下 ( お ) り出したらしい。垣の中に 簇 ( むらが ) った松は 疎 ( まば ) らに空を透かせながら、かすかに 脂 ( やに ) の 香 ( か ) を放っている。保吉...
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・小島烏水 日本山岳景の特色 (青空文庫)
塔 ( ドーム ) となって、 簇 ( むら ) がり立っているが、神河内は、その大山峻立の底に、落ち窪んでいる平坦地という以外に、森と水の美しさを有している、その 緑 ( りょくてん ) 色の水と、青々...
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・野口雨情 極楽とんぼ (青空文庫)
岳からは福岡県小倉高等女学校のために作りし寮歌である) 伊那の龍丘 伊那 ( いな ) の 龍丘 ( たつをか ) 桃の花盛り 春蠶 ( はるこ ) 掃きませうか 籠ロヂ干そか 春蠶 毛子 ( けご ) になつた 日和はよいし 簇...
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・堀辰雄 燃ゆる頬 (青空文庫)
して私の脱皮はすでに用意されつつあった。そしてただ最後の一撃だけが残されていた…… 或る日の昼休みに、私は一人でぶらぶらと、植物実験室の南側にある、ひっそりした花壇のなかを歩いていた。そのうちに、私はふと足を止めた。そこの一隅に 簇...
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・堀辰雄 鳥料理 A PARODY (青空文庫)
しそんなに眩しいのはその緑色の葉のせいばかりではないかも知れない。その緑の茂みの上に一面に 硫黄 ( いおう ) のような色をした 斑点 ( はんてん ) のようなものが無数にちらついているのだ。それはなんだかそんな黄色をした無数の小さな 蝶 ( ちょう ) が 簇...
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・魯迅 井上紅梅訳 薬 (青空文庫)
お ) のように前に押寄せ、丁字街の口もとまで行くと、突然立ち停まって半円状に 簇 ( むらが ) った。 老栓は注意して見ると、一群の人は鴨の群れのように、あとから、あとから 頸 ( くび ) を延...
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