「目眩」を含む用例
・牧野信一 街上スケツチ (青空文庫)
整理機」の故障は、容易に回復しなかつた。——街々の光りを映して流れる河のやうな往来は、もうそんなことには気もつかず、 目眩 ( めまぐる ) しく、とうとうと流れて止まなかつたが、その真ン中の動かぬゴー・スト...
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・牧野信一 寄生木と縄梯子 (青空文庫)
の橇道のことを想ふと、 目眩 ( めくら ) みさうな恍惚の渦巻きに襲はれた。「祝福された星」の歌の 唱歌者 ( うたひて ) は、歌の初めと終りで、未来を約す熱い接吻をとりかはすのが慣ひであるさうだ、——とい...
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・新世帯 (青空文庫)
は気がそわそわして来た。切立ての銘撰(めいせん)の小袖を着込んで、目眩(まぶ)しいような目容(めつき)で、あっちへ行って立ったり、こっちへ来て坐ったりしていた。 「サア、これでこっちの用意はすっかり出来揚(あが)った。何時...
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・牧野信一 変装綺譚 (青空文庫)
中に繰り拡げられて行く夢の境と今、其処に足が触れてゐる目の前の風景とが難なく調和してゐるので、面白気に平気で歩いてゐた。 あわたゞしく目眩しい街であつた。真夏の日暮時であつた。濤のやうな——騒音...
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・岡本かの子 狂童女の戀 (青空文庫)
西原氏の詩才と同じ樣な特色のある顏を濟して少女の方へ向け默つて鼻で息をしてゐた。 四月の朝の光線が、窓から一ぱいさし込んで、デスクから床の上へ雪崩のやうに落ち散らばつてゐる西原氏の詩稿の書き屑を目眩しく見せた。座敷...
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・牧野信一 ピエル・フオン訪問記 (青空文庫)
火の炎ゆる祭りの山へ——など、馬子唄調に似た悠長な胴間声で歌ひながら丸木橋を渡つて針葉樹の木立の中に入ると、更に声を洞ろに高くして、人の世の潮の流れ、嵐の雨、波に漂ひ、吹雪に目眩み、あゝ、されど吾等は飛び交ふ、自由自在に、生と...
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・牧野信一 痴酔記 (青空文庫)
主がその寝室に来て見ると、彼は寝台の傍らに俯向に伏して、悪魔のために絞殺されてゐた。) ——さよなら。」 と私は慌てゝ書いた手紙の封をしてしまつた。私はこの手紙をもつと続けたかつたのであるが、宇宙の神秘に目眩...
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・灰燼十万巻(丸善炎上の記) (青空文庫)
酒の箱や普請小屋の踏台に腰を掛け、中には始終腰を浮かして立ったり座ったりしていた。誰も皆気が立っていた。誰も皆ワサ/\していた。誰も皆ガチ/\していた。誰も皆元気付いてるようで何処か陰気な淋しい顔をしていた。 大抵は目眩...
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・牧野信一 階段 (青空文庫)
まで追ひかけて来てしまつたわ——」 「それは、何うも……」 久保は、安心だか、何だか、わけのわからぬ激しい目眩ひを感じて、今にも倒れてしまひさうであつた。 「喫茶店でもないでせうか、この近くに——?」 「妾、お茶...
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・素木しづ かなしみの日より (青空文庫)
て絶えないだらう。 彼は今朝、彼女のかすかな腹痛が起って産婆が来た時から、急な金策の為めに寒い冷たい 賑 ( にぎや ) かな街の白い道を、あてもなく急いで、彼女に対するあはれみと不安とにいらだちながら、くらくらと 目眩...
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・幸田露伴 骨董 (青空文庫)
また当時において秀吉の威光を背後に負いて、 目眩 ( まばゆ ) いほどに光り輝いたものは 千利休 ( せんのりきゅう ) であった。勿論利休は不世出の英霊漢である。兵政の世界において秀吉が不世出の人であったと同様に、趣味の世界においては先ず 以...
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・小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ (青空文庫)
一端が照り添って、 目眩 ( まぶ ) しいように、顔を 反 ( そ ) むけたかと見えたが、またカッキリと白く、象牙のように夕の空に浮び出で、それが一本一本ハッキリとしたときには、黄な臭いような気分になった。 峠の...
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・山路愛山 明治文学史 (青空文庫)
閑々たる幕府時代の文学史を修めて明治の文学史に入る者 奚 ( いづくん ) ぞ目眩し 心悸 ( しんき ) せざるを得んや。 文学は即ち思想の表皮なり、乞ふ思想の変遷を察せしめよ。 封建の 揺籃 ( えうらん ) 恍惚 ( くわうこつ ) たり...
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・釈迢空 山越しの彌陀 (青空文庫)
る人の方がさうであつたり、兩眼すゞやかであつても行きちがひ、尋ねあてゝ居ながら心づかずにゐたりする。何やら我々には想像も出來ぬ理由があつて、日を祀る修道人が、 目眩 ( メクルメ ) く光りに馴れて、 現 ( ウツ ) し世...
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・折口信夫 山越しの阿弥陀像の画因 (青空文庫)
すゞやかであつても行きちがひ、尋ねあてゝ居ながら心づかずにゐたりする。何やら我々には想像も出来ぬ理由があつて、日を祀る修道人が、 目眩 ( メクルメ ) く光りに馴れて、 現 ( ウツ ) し世...
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・折口信夫 山越しの阿彌陀像の畫因 (青空文庫)
すゞやかであつても行きちがひ、尋ねあてゝ居ながら心づかずにゐたりする。何やら我々には想像も出來ぬ理由があつて、日を祀る修道人が、 目眩 ( メクルメ ) く光りに馴れて、 現 ( ウツ ) し世...
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・内田魯庵 八犬伝談余 (青空文庫)
られた夫を怨ずる一章は一言一句を 剰 ( あま ) さず暗記した。が、それほど深く愛誦反覆したのも明治二十一、二年頃を最後としてそれから以後は全く一行をだも読まないで、何十年振りでまた読み返すとちょうど出稼人が都会の 目眩 ( まぶ...
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・田山花袋 朝 (青空文庫)
( かき ) の処に寄りかゝつて泣いて居た。 目の 盲 ( し ) ひたお婆さんは、車に乗ると眼が 眩 ( まは ) ると言ふので、昔 御国替 ( おくにが ) への時乗つて来たやうな 軽尻馬 ( から...
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・直木三十五 大衆文芸作法 (青空文庫)
は、それに感染して、行く所を知らない。 この加速度的な生活の 目眩 ( めまぐ ) ろしさは、人々が垂れこめて、深く思索にふける余裕を与えない。人々は我知らず、生活の苦しさから 匍 ( は ) い出...
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・牧野信一 鱗雲 (青空文庫)
として立ち竦んだ儘だつた。忽ち、この驚くべき Cross country racer 達の目眩しい流れを、地をゆるがせて一陣の風と共に私達の眼前を通過すると、奇体に猛烈なあの Fox Trot を踏みながら、まつ...
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・牧野信一 病状 (青空文庫)
かうとすればするほど背後から吹きまくられる烈風のために、飛び散りさうだつた。無意な姿であればあるほど、胸のうちの嵐は目眩むばかりに吹きまくつた。 「あツ——もし/\……あツ、やつぱりそうだつた!」 そんな声で私は目を開くと、ひとりの無帽の、角帯...
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・牧野信一 泉岳寺附近 (青空文庫)
ふ凱歌といつしよに、私の脚並みに合せて太鼓が鳴り出し、花火の吹雪が目眩くばかりに降りかゝつた。 「ああ、面白い面白い!」 私は、きらびやかな凱歌に送られて恍惚としながら軍勢の間を通り抜けて、銅像の裏へ降り、山門...
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・牧野信一 南風譜 (青空文庫)
テンの間から覗き見してゐるであらう二人の者の心持になつて想像すると、滝本は酷く不健全な、そして 目眩 ( めまぐる ) しく甘美な陶酔に誘はれながら得体の知れぬ烈しい嫉妬感に襲はれた。 滝本が二人の後から、裏庭に廻つて来て見ると、百合子は窓から半身を乗り出して、至極...
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・牧野信一 夜の奇蹟 (青空文庫)
は急にむせつぽいやうな 目眩 ( めまぐる ) しさを覚へた。 何時も話だけで、思ひ/\の着想に酔つて、それつきりになつてしまふが今夜こそは、あの仮装舞踏会を是非とも実現させようではないか——。 「ねえ、雪江さん——あな...
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・牧野信一 熱い風 (青空文庫)
的な日を送るのであつた。ラツパでも、馬乗りでも、昆虫採集でも、酒でも——私には差別はない、ただ私の幻にとつて代るものでさへあれば、いつも私は根限りの熱中を惜しまなかつた。 彼の城主は、 目眩 ( めまぐる ) しい...
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