「無邪気」を含む用例
・芥川龍之介 塵労 (青空文庫)
( たざき ) は「朝日」へ火をつけると、その生活に疲れた顔へ、無邪気な 羨望 ( せんぼう ) の色を 漲 ( みなぎ ) らせた。 「 何処 ( どこ ) へでも旅行すれば 好 ( い ) いぢ...
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・太宰治 私信 (青空文庫)
て失敗する事ほど醜い生きかたは、ありません。私たちは、信じているのです。一寸の虫にも、五分の赤心がありました。苦笑なさっては、いけません。無邪気に信じている者だけが、のんきであります。私は文学をやめません。私は...
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・田中貢太郎 狼の怪 (青空文庫)
水みずした眼があった。 「どうも悪うございました、つい 悪戯 ( いたずら ) をいたしました」 章は無邪気な女を苦しめては可哀想だと思いだした。 「そうですか、私は、また、獣か何かが来て、嘗めたかと思いました、不意...
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・坂口安吾 安吾人生案内 その六 暗い哉 東洋よ (青空文庫)
の菊乃さんへの溺愛ぶりは、いかにも手ばなしの感で、大らかでもあるし、マジメでもある。思うに先生は生涯順境にあって、邪心を知ること少く、いかにも無邪気な人であるようだ。ハタから見れば、親しみ深く、愛すべき人であろうと思う。 しか...
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・宮本百合子 さしえ (青空文庫)
彫像が久しぶりで訪ねた鷺の宮の家のたんすの上に飾られていた。ああここに来ていると思ってながめながら、座布団の上に坐ったとき、わたしは、その彫像の飾りかたに稲子さんの感覚を実につよく感じた。無邪気に足の裏のとげをしらべている可愛い裸婦は、お客...
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・坂口安吾 山麓 (青空文庫)
つぱちかしらと呟やいた。そして鳥を持上げて傷口を調べ、ほんとうにこれつぱちか出ないんだわと、また膝へ載せて、奇麗な鳥だわ、それにちつとも怖くないのねと男の顔を媚るやうに見上げた。 「怖いものか。生きてゐるより、よつぽど無邪気...
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・宮本百合子 仮装の妙味 (青空文庫)
トラーになりすまして笑いもせず貴公子らしく写っている姿は、相当なものである。あっさりとただ支那服に著換えただけらしい文麿公夫人が悧発そうなまた無邪気な視線で、こちらを見ているのも面白い。 文麿公が、娘さんのお嫁に行かれる送別仮装会のために、その...
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に出かけるものとに分れます。 避暑の方法はやはり日本と同じで海か山へ行くのですが、しかし海へ行くとしても只ゆくばかりでなく、いろいろな戸外ゲームたとえば射的や乗馬などを全く何もかも忘れて愉快に無邪気に数日乃至数週間を過ごします、それ...
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・坂口安吾 パンパンガール (青空文庫)
といふものが殆どないし、 荒 ( すさ ) み方もすくない。勿論荒みはあるけれども、娼家の娼婦の荒みと全然異るもので、インチキ・バアの女給よりも、無邪気であり、明るい。 その原因はたぶん住所がないといふこと、した...
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・宮本百合子 アワァビット (青空文庫)
に窮乏が迫らない為、無邪気にも余り無知識であった人々。又は、目下の露国社会状態に反感を持ち、些の愛も感じられない人々。どうぞ、時々外国の新聞や雑誌に現れる、彼等の恐ろしい飢餓の有様を見て下さい。 あの...
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・岸田國士 巴里の新年 (青空文庫)
し当つた当人はてれくさいので、わざとみんなの期待通りには選ばなかつたりする。かうして、老若男女、無邪気に一日を楽しむこの日だけが、ちよつと日本の正月のカルタ会の空気などを思はせられる唯一のものだつた。 底本:「岸田國士全集22」岩波...
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・山路愛山 北村透谷君 (青空文庫)
は愛すべきの朋友を失し也。而して予は最も無邪気にして最も信認すべき論敵を失し也。 民友社中彼れと交る最も久しき者は予也。 焉 ( いづく ) んぞ一片の哀辞なきを得んや。 若し夫れ彼れが遺著たる「エメルソン」に至つては、其今...
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・正岡子規 旅 (青空文庫)
はまた如何にしてか心の奥までしみこんで、ここに一夜を明す言ひ草まだ考へつかぬ内に、汽車が参りました、お急ぎなされませ、と彼女かひがひしく我が荷物さきに持ちて走るに我もおくれじと汽車に走りこみける。その無邪気な顔どうしても今に忘られず。大方...
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・薄田泣菫 初蛙 (青空文庫)
四辺の立聞をでも気づかうように、そっと内証で声試しをしているあの音を聞きますと、ちょうど土塊をおし分けて、むっくり頭をもち上げた早蕨か菌かを見るような、無邪気と悪戯っ気とが味わわれます。それは小っぽけな、知恵と元気とに充ちた地の精霊の無邪気...
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・有島武郎 私の父と母 (青空文庫)
は境遇と性質とから来ているので、晩年にはおいおい練れて、広い 襟懐 ( きんかい ) を示すようになった。ことにおもしろがったり喜んだりする時には、私たちが「父の笑い」と言っている、非常に無邪気な善良な笑い方をした。性質...
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・地は饒なり (青空文庫)
しようとした人々は、その価値を減じてしまった。 そして、封じこめられた多くの「感じ」ばかりが次第次第に種類をまし、数をまし、互に縺(もつ)れ合い、絡まり合ってまるで手のつけられない混乱のうちに、彼女の活気や、無邪気...
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・北原白秋 神童の死 (青空文庫)
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・岡本かの子 雪の日 (青空文庫)
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・菊池寛 形 (青空文庫)
服折と兜とを着て、敵の眼をおどろかしてみとうござる」 「ハハハハ念もないことじゃ」新兵衛は高らかに笑った。新兵衛は、相手の子供らしい無邪気な功名心をこころよく受け入れることができた。 「が、申しておく、あの...
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・宮本百合子 選評 (青空文庫)
にはこまかい心のいきさつがのみこめない。無邪気によい教育をする先生でありたいと思う心からの動きを投獄というおどかしでねじ伏せたところが過去の治安維持法の非人道的ないわれである。 おとなしい従順な「出発」に描...
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・宮本百合子 女流作家多難 ——創作上の諸問題—— (青空文庫)
良人の世界観の限界を自身の芸術家的限界としてしまっている点、そのようなワクがいつとも知らずに自分の芸術的生涯にかけられているということ、それを自覚されない無邪気さ、そういうものについて私は強烈な印象を受けました。 野上さんはこのことを、どの...
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・宮本百合子 新しい美をつくる心 (青空文庫)
独断がそのまま色彩のとりあわせや帽子の形やにあらわれているようで、そういう人たちがいわば無邪気であればあるほどこちらで何となし顔のあからむような思いもないことはなかった。たとえば帽子の型のある奇抜な面白味というようなものは、それを頂いている顔に漲っている知的な趣、体の...
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・錯覚した小宇宙 (青空文庫)
うような物の存在を信ぜざるを得ないのは自分が如何にスケプチックであるかという証拠なのである。自分に解らないものを全部否定する勇気のある人の如何に幼稚で無邪気であるかを私は嗤わざるを得ない。自分にはアインシュタインの「相対性原埋」という説が勿論よくわかってはいないが、わか...
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・種田山頭火 鎖ペンを握って ——三月十九日夜—— 山頭火 (青空文庫)
頬を出されないまでも 、 じっと堪忍して 、 願わくならば微笑でもしていて下るほどの雅量を持っていて欲しいということです 。小供のするような無邪気な喧嘩ならば面白いけれど、大供のする睨合には感心しません—— △兎に角、こう...
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・新渡戸稲造 武士道の山 (青空文庫)
は小児の如く戯れかつ笑う。彼らの戯は無邪気というも中々に、罪を辱かしむるものなり。彼らの笑は微かなりといえども、 萎 ( な ) えたる霊魂を蘇生せしむ。彼らの小児らしきは、罪ある良心をして、純潔を羨望せしむ。彼ら泣かば、その...
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・太宰治 正直ノオト (青空文庫)
ほど知らずの 抱負 ( ほうふ ) を、無邪気に語っているのを聞いていると、私はその人たちを、うらやましく思い、生きていることが、 矢鱈 ( やたら ) に、つらく思われて来るのです。わかりますか? けれ...
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・太宰治 弱者の糧 (青空文庫)
事だか、私にもわからない。 観衆たるの資格。第一に無邪気でなければいけない。荒唐無稽を信じなければいけない。大河内伝次郎は、必ず試合に勝たなければいけない。或る教養深い婦人は、「大谷日出夫という役者は、たの...
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・北大路魯山人 鮟鱇一夕話 (青空文庫)
こうに対する彼女の無知、無経験が生んだナンセンス。おかしくておかしくて、その無邪気さに一時笑いがとまらなかった。 偽あんこうを贈ったKさんは、もとよりわにのつもりで女史の不在中においていったらしい。Kさん...
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・永井荷風 一月一日 (青空文庫)
生れて第一に耳にしたものは、乃ち 皺枯 ( しはが ) れた父の口小言、第一に目にしたものは、何時も 襷 ( たすき ) を外した事のない母の姿で、無邪気な幼心に、父と云ふものは恐いもの、母と云ふものは 痛 ( いたま ) しい...
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・岸田國士 幕間 (青空文庫)
ひねるやうな芝居でさへなけれや、幕間は「見物が無邪気に演ずる即興劇」であつてほしい。自分でも一役ぐらゐもつていゝ。 「見物が無邪気に演ずる即興劇」であるからには、幕間の面白さは、戯曲に関係しない。役者たる見物の腕次第、頭次第、どう...
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用例の品詞分類
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