「法悦」を含む用例
・宮本百合子 「敗北の文学」について (青空文庫)
は芥川の智識に対するドン欲さを社会的生存的なものとして見ている、 p.19「地獄変」「野蛮な芸術的法悦に云々」——伸子は野バンナという形容詞にはっとした、それは彼女が感じていたものだったが、ヤバンと云い切れなかったものだった、 芸術至上主義者であって、そう...
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・種田山頭火 赤い壺(二) (青空文庫)
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・浮浪漫語 (青空文庫)
他の自然の物象と同化して自分の存在がともすれば怪しくなって来ることはさして珍しいことではない。自分の存在が怪しくなってくる位だから、世間や社会の存在はそれ以前に何処かへ消し飛んでいる。そんな時に、どうかすると「浮浪人の法悦」というようなものを感じさせられる。が、その時は無論、そん...
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・小野佐世男 ジャズ狂時代 (青空文庫)
鏡の奥で眼をくるくる廻していたのである。 法悦の夢想境 曲目は進んで五彩のスポットをあびて、ピンク色のイヴニングに大輪の紅バラを胸に、メリー大須賀歌手が、艶麗な姿でマイクにころばす、ナイヤガラのメロディー、いつ...
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・若山牧水 樹木とその葉 歌と宗教 (青空文庫)
こころ澄みゆく時に詠む歌か詠みゆくほどに澄めるこころか といふのがある。 まつたく歌に詠み入つてゐる瞬間は、普通の信者たちが神佛の前に合掌禮拜してゐる時と同じな、或はそれより以上であらうと思ふ法悦を感じてゐるのである。 おそ...
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・澤田正二郎 私の龍之助感 ——舞臺上の愛人—— (青空文庫)
は難かしい法樂とか、悟道とか、そういう言葉ではなく、はなしに即してベストの効果を期してなされた私の藝術的法悦——即ち眞演劇的なる藝術に即してベストの効果を期してなされた私の創作、これ以外多くを語る氣持にはなれない。と云...
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・牧野信一 ガール・シヤイ挿話 (青空文庫)
逆上すると、それが何んな原因に依る感情であるか(有頂天の法悦にひたり酔つてゐた筈だツたが)——などといふことは反つて忘れてしまつて、厭世観に誘はれて来る。 僕は堅くなつて兄貴の部屋に入つて行つた。わざ...
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・坂口安吾 西東 (青空文庫)
からの帰るさ図らずも霊感の宿るところとなつて、高遠なアナクレオン的冥想の訪れを受け法悦に浸りながら家路を辿つたと思ひたまへ」 「ウム」 「御承知の通り一ヶ月ほど前に 先 ( せん ) の住所から二三町離れたばかりの今の家へ移つたのだが、高遠...
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・宮本百合子 「黄銅時代」創作メモ (青空文庫)
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・宮原晃一郎 愛人と厭人 (青空文庫)
には「虚無に立脚した力強い肯定も」出来ねば、「絶望の法悦」も味ははれぬ身であるから、 輪廻 ( りんね ) を想うて非常な悒鬱、絶望に陥りかけたニイチエか Uacht Zum Nille を高調し、そこ...
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・佐藤惣之助 荒磯の興味 (青空文庫)
て殺伐な気分というものも常識になって、新鮮無類な魚族の七色の光に眩惑されるようになり、野人のような食欲さえ湧いてくるのである。それは少しく誇張であるとしても、この忙しい世界にいて、こうして釣っていられるのだけでも有難く、こよなき法悦...
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・坂口安吾 探偵の巻 (青空文庫)
彼女等の非凡きはまる天才に驚き、「吹雪物語」もうつちやらかして、悦に入つて手紙の山を読みほぐし、遂に夜の白むのも忘れてしまふといふていたらくであつた。 「先生、てがかり、おまへんか」と翌朝親爺が現れた時、小生徹夜つづきの尚も法悦...
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・大杉栄 生の拡充 (青空文庫)
当面の事件の背景が十分に頭に映じている実行である。実行に伴う観照がある。観照に伴う恍惚がある。恍惚に伴う熱情がある。そしてこの熱情はさらに新しき実行を呼ぶ。そこにはもう単一な主観も、単一な客観もない。主観と客観とが合致する。これがレヴォリユーショナリイとしての僕の法悦...
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・薄田泣菫 恋妻であり敵であつた (青空文庫)
も疑ひませんでした。 藝術を捨てたのではなかつたが、不治の病気を抱いて、死に直面した平尾氏は、藝術よりもむしろ神の救ひを 欣求 ( ごんぐ ) しました。で、京都に来て同志社神学校に入りました。法悦...
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・吉田絃二郎 沈黙の扉 (青空文庫)
りもない幸福が自然といふ自然のなかに湛へられてゐるであらう。私たちは少かに自然の窓を透して、かすかに洩れて来る法悦のさゝやきや、静かに漂ふて来る久遠の楽の音を聴くのみである。私たちが見る自然——いのちの表現としての——は、たゞ...
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・宮本百合子 明日の言葉 ——ルポルタージュの問題—— (青空文庫)
がかもし出す最も密度の濃い沈黙的緊張の凄さであることを、実感をもって思い出すであろう。戦線の兵士たちが可愛い。法悦が顔にあらわれている。「神の子のような顔をした」兵士達云々と云っている林氏のロマンチシズムの横溢は、岡本...
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・寺田寅彦 ラジオ雑感 (青空文庫)
の数にしても決してそう驚くほど多くはならないのである。 こういう意味からすると、ラジオが出来たためにわれわれの音楽を聴くことの享楽をいくぶん破壊されたとも云われるかもしれない。教育機関の立派になったお蔭でわれわれは学問することの 法悦 ( ほうえつ ) を奪...
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・岡本かの子 娘 (青空文庫)
洋行帰りの青年紳士は、室子の家の遠縁に当り、 嘗 ( かつ ) て彼女をスカールへ導き、彼女に水上選手権を得させ、スポーツの 醍醐味 ( だいごみ ) も水の上の法悦も、共に味わせて呉れた男だった。 親切で厳しく、大事...
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・坂口安吾 閑山 (青空文庫)
和尚は六日先んじて己れの死期を予知した。諸般のことを調へ、辞世の句もなく、特別の言葉もなく、 恰 ( あたか ) も前栽へ逍遥に立つ人のやうに入寂した。 参禅の三摩地を味ひ、諷経念誦の法悦を知つてゐたので、和尚の 遷化 ( せんげ ) して...
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・坂口安吾 安吾巷談 巷談師退場 (青空文庫)
いう効能に浴しているか、効能の実際の方を見たかったのである。その効能が狂信者の幻覚上の存在にすぎなくとも、その当人にとって、効能は効能である。宗教の法悦というものは、それに無縁の私にとっては、大そう興味が深いのである。その...
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・山本実彦 十五年 (青空文庫)
どき提琴をきかさるるときがあった。私はそのとき、あの大きな頭や、あのふくよかな顔をつくづく見入るのであったが、その瞬間ほど教授にとりて幸福な時間はないようであった。すべてを打ち忘れ、あらゆるものを超越し、身の苦悩も、身の海外万里の地にあるのも打ち忘れて満身法悦...
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・海野十三 すり替え怪画 烏啼天駆シリーズ・5 (青空文庫)
帽に似て、いやに中の高い帽子をかぶり細面で、パイプをくわえ、やはり手の中のカードを見ている。このとおり、何でもない場面を描いてあるのだが、伯爵としては、この二人の気楽さと法悦にひたっていることが非常に 羨...
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うに思うくらいでした。そうして、 大勢 ( おおぜい ) の友達のうちには暗いような物思わしげな顔をしている者があるのを、不思議に思うくらいでありました。わたしは 祈祷 ( きとう ) にその一夜を過ごして、まったく 法悦...
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・加藤道夫 なよたけ (青空文庫)
が存在しなくなる。それは未来 永劫 ( えいごう ) を一瞬に定着する詩人の凝視を形成する場所だ。真実の 詩 ( うた ) とはそこに生れるのだ。その虚無の場を不安と観ずるべからず、 法悦 ( ほうえつ ) の境...
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・芥川龍之介 続野人生計事 (青空文庫)
かつた鑑賞上の神秘主義者などは勿論無上の 法悦 ( はふえつ ) の為に即死を遂げたのに相違あるまい。クロオデル大使は紋服の為にこの位損な目を見てゐるのである。 しかし男ぶりは 姑 ( しばら ) く問はず、紋服そのものの感じにしても、全然...
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・高村光太郎 智恵子抄 (青空文庫)
つう ) は身をよぢらしめ 極甚の法悦は不可思議の迷路を輝かす われらは雪にあたたかく埋もれ 天然の 素中 ( そちゆう ) にとろけて 果てしのない地上の愛をむさぼり はるかにわれらの 生 ( いのち ) を...
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・犬田卯 沼畔小話集 (青空文庫)
家にもありようはずはない。時によっては十銭玉一つ入っていないようなことも稀ではないぼろ財布なのだ。 しかし十銭玉一つであろうが、一銭銅貨一枚であろうが、とにかく「塵一本」でも「自分のもの」として 蓄 ( た ) め込むことに無上の法悦...
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・坂口安吾 朴水の婚礼 (青空文庫)
の秋水如きは問題とするに足りない。共産党と坊主そのものに就て考へれば、彼らはいづれもこの現実に彼等の夢を実現し得るものと信じてゐる。前者は共産主義社会を、後者は悟り、法悦の 三昧 ( さんまい ) を。ところで文学はどうであるか。荘子...
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・坂口安吾 安吾巷談 麻薬・自殺・宗教 (青空文庫)
く酔生夢死の生活をたのしんでいられるはず、本質的な違いはない。両者ともに神を見、法悦にひたってもいられるのである。 精神的な救いか、肉体的な救いか。肉体的な救いなどゝいうものは、空想上のみの産物で、現世に実存するものではない。しかし、精神...
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