「樒」を含む用例
・芥川龍之介 鴉片 (青空文庫)
は人気のない墓地の隅に寺男か何かの掃き集めた 樒 ( しきみ ) の葉を焚いてゐる匂であらう。従つて鴉片の煙の匂は清朝の支那人は暫く問はず、僕等現代の日本人にも墓、——死人、——死などと云ふ聯想を伴ひ易いものである。が、それ...
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・芥川龍之介 松江印象記 (青空文庫)
建築とはこの町に住む人々の常に顧慮すべき密接なる関係にたっているのである。けっして調和を一松崎水亭にのみゆだぬべきものではない。 自分は、この 盂蘭盆会 ( うらぼんえ ) に水辺の家々にともされた 切角灯籠 ( きりこどうろう ) の火が 樒 ( しきみ ) のに...
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・二葉亭四迷 平凡 (青空文庫)
処々壁が落ち、 下地 ( したじ ) の骨が 露 ( あら ) われ、屋根には名も知れぬ草が生えて、 甚 ( ひど ) く 淋 ( さび ) れていた。私は台所口で寺男が内職に売っている 樒 ( しき...
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・芥川龍之介 捨児 (青空文庫)
そうにあやし始めるのです。——この時の事は 後 ( のち ) になっても、 和尚贔屓 ( おしょうびいき ) の門番が、 樒 ( しきみ ) や線香を売る 片手間 ( かたでま ) に、よく参詣人へ話しました。御承...
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・宮本百合子 日々の映り (青空文庫)
ケ谷墓地の裏口で、どこか植木屋の庭のはいりくちめいた様子の小門があいていた。それがちっとも陰気でなくて、角の花屋の軒下においてある線香の赤い紙の色も、陽を浴びて艶々している手桶の 樒 ( しきみ ) の青葉とともに、却っ...
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・泉鏡花 彌次行 (青空文庫)
し、 樒 ( しきみ ) 枯 ( か ) れたる 墓 ( はか ) に、 門 ( もん ) のみいかめしきもはかなしや。 印 ( しるし ) の 石 ( いし ) も 青 ( あを ) きあり、 白...
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・正岡子規 死後 (青空文庫)
猿楽町の下宿にいた頃に同宿の友達が急病で死んでしまった。東京には其男の親類というものが無いので、我々朋友が集まって葬ってやった事がある。其時にも棺をつめるのに何を用いるかと聞いてみたら、東京では普通に 樒 ( しきみ ) の葉...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 お化け師匠 (青空文庫)
くぐると左側に花屋があった。盆前で参詣が多いとみえて、花屋の小さい店先には足も踏み立てられないほどに 樒 ( しきみ ) の葉が青く積まれてあった。 「もし、 今日 ( こんにち ) は」 店口から声をかけると、樒に...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 蝶合戦 (青空文庫)
紅 ( さるすべり ) の大樹が眼についた。入口の花屋で要りもしない線香と 樒 ( しきみ ) を買って、半七はそこの小娘にそっと訊いた。 「ここのお住持はなんという人だえ」 「覚光さんといいます」 「本所...
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・岡本綺堂 海亀 (青空文庫)
はり ) 提灯や、 樒 ( しきみ ) や、それらが型のごとくに供えられている前に、ひとりの男がうつむいて 拝 ( おが ) んでいた。そのうしろ姿をみて、僕はすぐに覚った。彼はとなりの息子の清に相違ない。顔を...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 小女郎狐 (青空文庫)
のようにやって来て、五人の墓の前に立っている新らしい塔婆を片っぱしから引っこ抜いてしまうんですよ。花筒の 樒 ( しきみ ) の葉は掻きむしってしまう。どうにもこうにも手に負えねえ。 初七日 ( しょなのか ) を過...
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・宮本百合子 朝の風 (青空文庫)
はそういう刹那アパート生活などを描くのであった。 欅の梢の見える横丁を行くと、青々とした 樒 ( しきび ) の葉が何杯も手桶に入れてあって、線香の赤い帯紙が妙なにぎわいを店頭に与えている花屋の角へ出た。そのつき当りは雑司ケ谷の墓地である。墓地...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 総角 (青空文庫)
くまでも冷静に作っていたのであるかと、身にしみ入る気もするのであった。薫はその横にあった短い 几帳 ( きちょう ) で御仏のほうとの隔てを作って、仮に隣へ寄り添って寝ていた。名香が高くにおい、 樒 ( しきみ ) の香...
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・泉鏡花 怨霊借用 (青空文庫)
石橋の際に土をあわれに 装 ( も ) って、石地蔵が、 苔蒸 ( こけむ ) し、且つ砕けて十三体。それぞれに、 樒 ( しきみ ) 、線香を手向けたのがあって、十三塚と云う…… 一揆 ( いっき ) の頭目でもなし、戦死...
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・正岡子規 曙覧の歌 (青空文庫)
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・折口信夫 髯籠の話 (青空文庫)
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・樋口一葉 ゆく雲 (青空文庫)
ろもの觀音さま濡れ佛にておはします御肩のあたり膝のあたり、はら/\と花散りこぼれて前に供へし 樒 ( しきみ ) の枝につもれるもをかしく、下ゆく子守りが鉢卷の 上 ( う ) へ、しばしやどかせ春のゆく衞と舞ひくるもみゆ、かす...
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・田中貢太郎 南北の東海道四谷怪談 (青空文庫)
は其のひょうしにばったりと裏がえしになった。裏には首へ藻のかかった小平の死骸があった。 九 お袖は山刀を持ってせっせと 樒 ( しきみ ) の根をまわしていた。其処は 深川法乗院 ( ふかがわほうじょういん ) 門前...
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・島崎藤村 新生 (青空文庫)
てその蝴蝶も今年になって初めて見た蝴蝶である。僕の好きな 山椿 ( やまつばき ) の花も追々盛りになるであろう。十日ばかり前から 山茱黄 ( やまぐみ ) と 樒 ( しきみ ) の花が咲いている。いずれも寂しい花である。ことに樒の花は 臘梅...
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・堀辰雄 三つの挿話 (青空文庫)
なると一層その寺の境内や墓地を荒すことが面白いことのように思われ、私たちは爺に見つかるのを恐れながら、それでも決してその中へ侵入することを 止 ( や ) めなかった。その寺には爺が二人いた。一人は正門の横で線香や 樒 ( しきみ ) などを売っており、もう...
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・林不忘 釘抜藤吉捕物覚書 槍祭夏の夜話 (青空文庫)
の影が点々としている下に、 倒屏風 ( さかさびょうぶ ) が立ててあるのが、第一に与惣次の眼に入った。寝ている敷物はいつしか 荒筵 ( あらむしろ ) に変っている。瞳を凝らしてなおも窺えば、枕に近い小机に 樒 ( しき...
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