「暇つぶし」を含む用例
・娯楽論 (青空文庫)
実際に不可欠な手段であろうと思われるのである。 娯楽は或る意味で、消極的な弁解的な特徴を有っている。暇つぶし、退屈凌ぎ・休息・慰安・というものとごく近い点があるからである。併しこういう種類のものと娯楽との区別が今、大切である。往々...
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・阿部徳蔵 美術曲芸しん粉細工 (青空文庫)
狐光老が奇術師をやめて遊んでゐた時代があつた。勿論、何をしなければならないといふ身の上ではなかつたが、ねが働きものゝ彼としては、遊んで暮すといふことの方が辛かつた。その時、ふと思ひついたのはしん粉細工だつた。 『面白い、暇つぶしにひとつ、大道...
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・芥川龍之介 田端日記 (青空文庫)
にやしている。それから暇つぶしに清を相手にして、 五目 ( ごもく ) ならべをしたら、五番の中四番ともまかされた。 その 中 ( うち ) に皆帰って来たから、一しょに飯を食って、世間話をしていると、 八重...
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・岸田國士 生活のうるほひ (青空文庫)
などと雑多なものが一様に趣味といふ範囲に入れられてしまふわけでありますが、ほんたうをいふと、高い精神的な訓練を経て、初めてそれを趣味として身につけるやうな種類のものもあり、またほんのやり方を覚えさへすれば、一通り遊びとしての暇つぶしの出来るやうなものなど、色々...
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・坂口安吾 手紙雑談 (青空文庫)
ふやうなことを言つて面白がるのは意味ないことだと私は思つてゐるのである。故人の書簡を調べたり伝記をひつくりかへしたりする「作家研究」といふ形式が、それが一体大学生の暇つぶし以外の何になるのだと私は思ふ。 四五日前竹村書房の大江勲がやつてきた。大江は私の竹馬の友で、私の...
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・高村光太郎 智恵子抄 (青空文庫)
しんと身に迫つて重たい雪が—— 大正二・二 [#改ページ] 人に 遊びぢやない 暇つぶしぢやない あなたが私に会ひに来る ——画もかかず、本も読まず、仕事もせず—— そして二日でも、三日でも 笑ひ、戯れ、飛びはね、又抱き さん...
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・岡本かの子 或る秋の紫式部 (青空文庫)
を破って捨てる) 老侍女「蝶々としたらほんとにいやらしい、暇つぶしの蝶々でございますねえ」 式部「けども、また、いじらしいところもある蝶々さ、そうお憎みでないよ」 (式部再び机に向って筆を執る。老侍...
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・暗黒公使(ダーク・ミニスター) (青空文庫)
頃色んな探偵事件に引っぱり出され初めて、焙(い)り麦みたように家(うち)の仕事をすっぽかすようになった。おかげで私はすっかり仕事が閑散になったので、その暇つぶしに、私が警視庁の第一捜査課長を辞職して、日本を去るに至った、その...
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・與謝野晶子 戸の外まで (青空文庫)
上考へなければならなかつたやうな女が乗つてるんですものね、可笑しいわけですわねえ。 わたしの卓の上にはまだ化粧品や何かがしまはれずに置いてあるのですわ、暇つぶしがなくなつては困りますからね。書物なんかはもう皆片附けてしまつたのです。書物と云つてもね、太抵...
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・岡本かの子 褐色の求道 (青空文庫)
は名をベックリンと言って伯林商業大学の生徒だった。自活をしているので、仕事のあるときは多くその方を懸命に働き、学校は、言わば失業のときの暇つぶしですと言った。 「御承知でもありましょうが、いま独逸で私たちのような境遇の者の食って行く 途 ( みち...
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・菊池寛 ゼラール中尉 (青空文庫)
ていた不快な感情が再びむらむらと帰ってくるのをおぼえた。大尉は、死際になってもまだ 我執 ( がしゅう ) を捨てない中尉を心から卑しみ、心から憎んだ。彼はつまらぬ暇つぶしをしたことを悔いて、そこを去ろうとした。 が、見ると中尉は、いつ...
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・芥川龍之介 毛利先生 (青空文庫)
じゃありません。ただ、毎晩やって来ちゃ、ああやって、教えているんです。何でももう 老朽 ( ろうきゅう ) の英語の先生だそうで、どこでも 傭 ( やと ) ってくれないんだって云いますから、大方暇つぶし...
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・芥川龍之介 疑惑 (青空文庫)
いた私は、私を 請待 ( せいだい ) してくれたある教育家の団体へ 予 ( あらかじ ) め断りの手紙を出して、送迎とか宴会とかあるいはまた名所の案内とか、そのほかいろいろ講演に附随する一切の無用な暇つぶし...
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・久生十蘭 黒い手帳 (青空文庫)
にとってそれは組合せと順列の簡単な遊戯にすぎない。百万 法 ( フラン ) を勝つのはわずか半日の暇つぶしですむのだ……どうだ無限の富を握るといったわけがわかったろう。……賭博の研究に十年も寝る目も寝なかったといったらひとは笑うだろうが、これ...
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・戸坂潤 読書法 (青空文庫)
な記号を確めてみる事に充分幸福を感ずるという人々のこの会話なるものに、古い時代の名残が見える。」会話=暇つぶし=娯楽というものについて反省させるに足る示唆だ。 併し困るのは「公衆」についてという項の類である。「文字...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 毒色のくちびる (青空文庫)
寄るとさわるとたいへんな評判でありました。 しかし、そこへいくと、さすがに将軍さまはお大腹で、江戸八百万石三百諸侯旗本八万騎のご統領だけがものはございます。江戸錦が染め物の名やら、秀の浦が干菓子の名やら、いっこうお気にも止めないで、余は暇つぶし...
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・寺田寅彦 丸善と三越 (青空文庫)
今の日本の文学者の前でホーマーとかミルトンとかいう名前を持ち出すのはだれでも気がひける事だろうと思う。文学に限らず科学の方面でも今どきベーコンやニュートンの書いたものを読むのは気がさすような周囲の状態である。古いものを新しい目で見るのや、新しいものを古い目で見るような暇つぶしの仕事は、忙し...
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・石川啄木 漂泊 (青空文庫)
い顏を俯向けて、右手の食指で砂の上に字を書いて居る。——「忠志」と書いて居る。書いては消し、消しては復同じ字を書いて居る。忠志といふのは此男の名である。何遍も消しては、何遍も書く。用の少い官吏とか會社員とかが、仕樣事なしの暇つぶし...
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・長塚節 芋掘り (青空文庫)
おら死んだ方がえゝなんて云つてら。そんだからおれげ任せろよ。隣近所の暇つぶした丈でもつまんめえぢやねえか」 四つ又は殼竹割である。短氣なおやぢを威したり賺したりいひくるめるのは村でも此の四つ又一人なのである。 「うん...
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・中里介山 大菩薩峠 流転の巻 (青空文庫)
はおかしがり、 「ザマあ見やがれ。おかげで暇つぶしをさせられた、さあ、今の三ぴん共、遠くは行くめえ……」 そうしておいて帯をしめ直し、鉢巻を巻き直して、逃げた侍のあとを追いかけようとする。 軽井沢の町では、鳴り...
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