「小料理屋」を含む用例
・豊島与志雄 猫先生の弁 (青空文庫)
犬との性格の違いに由るのであろうか。 戦争前のことであるが、下谷花柳地の外れに、梅ヶ枝という小料理屋があった。出前を主にした店であったが、確かな品を食べさせてくれるので、ひいき客がだいぶあった。特別の連れがある時は二階に通り、さも...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 南蛮幽霊 (青空文庫)
の観音さまで金運きたるっていうおみくじが出たんで、福が来るかなと思っていると、それがだんな、神信心はしておくものですが、ほんとうにあっしへ金運が参りましてな、みごとに三百両という金星をぶち当てたんでがすよ。だから、あっしが有頂天になってすぐ小料理屋...
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・林芙美子 朝夕 (青空文庫)
議に厭になつて来る女ではなかつた。寝物語りに他の男の事を考へてゐる時があるのよ、とまるで娼婦のやうなことを平気で云つたが、死んだ女房のやうに、とぼけて寝てしまふやうなことはしなかつたし、根が、小料理屋へ努めてゐた女なので、あけ...
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・豊島与志雄 女と帽子 ——「小悪魔の記録」—— (青空文庫)
は政治関係の負担で、破産に近い状態となり、黒川さんにも可なりの迷惑をかける。そんなこんなで、波江さんは福岡から東京に出奔してきた。東京に叔母さんがいた。二人して、日本橋の裏通りに小料理屋をはじめた。初め...
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・若山牧水 樹木とその葉 東京の郊外を想ふ (青空文庫)
して歩くことなほ二三十町ほどで中野の藥師さまに着くのであつた。藥師さま附近の一二軒の小料理屋なども 鄙 ( ひな ) びていゝものであつた。 ばら/\松の小さな木立を珍しいと書いたが、東京の西部の郊外にはそれが到る所に茂つてゐた。即ち澁谷、目黒...
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・太宰治 朝 (青空文庫)
なるのだろう、と自分ながら、そらおそろしくなって来て、さすがにもう、このへんでよそうと思っても、こんどは友人が、席をあらためて僕にこれからおごらせてくれ、と言い出し、電車に乗って、その友人のなじみの小料理屋...
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・豊島与志雄 風俗時評 (青空文庫)
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・坂口安吾 死と影 (青空文庫)
五十銭、一円二十五銭、いつもそれぐらいなハンパな金で、 蟇口 ( がまぐち ) のない三平は、それを手に握って私を訪ねてくるのであった。彼のオゴリは、新橋のコップ酒か、本郷の露店であった。 時たま私が彼を小料理屋...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 廻り燈籠 (青空文庫)
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・豊島与志雄 孤独者の愛 (青空文庫)
方でどういう感じを持ったかは、前に述べた通りである。女嫌いと言われる私に対して、彼女がどういう感じを持ったかは、私は知らない。 彼女、澄江は、男嫌いだと言われてるからには、もとより良家のお嬢さんなんかではない。小料理屋...
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・岡本綺堂 父の怪談 (青空文庫)
ころ富津付近は竹藪や田畑ばかりであったが、それでも木更津街道にむかったところには農家や商家が断続につらなっていた。殊に台場が出来てから、そのあたりもだんだんに開けてきて、いつの間にか小料理屋なども出来た。 九月はじめの午後に、父と...
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・高村光雲 幕末維新懐古談 熊手を拵えて売ったはなし (青空文庫)
の店も、大小料理店いずれも 繁昌 ( はんじょう ) で、 夜透 ( よどお ) しであった。前にいい落したが、その頃小料理屋で、 駒形 ( こまがた ) に 初富士 ( はつふじ ) とか、茶漬...
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・岡本綺堂 一日一筆 (青空文庫)
実地を一度見たいというような考えで、わざわざここまで足を運んだのである。 海岸には人家が 連 ( つらな ) ってしまったので、 眺望 ( ながめ ) が自由でない。かつは風が甚だしく寒いので、更に品川の町に 入 ( い ) り、海寄りの小料理屋...
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・宮本百合子 映画の恋愛 (青空文庫)
非常に消極的な役割しか演じなくなる。「裸の町」についていえば夫の留守債鬼に囲まれながら孤城のような店に立てこもっている妻の顔つきは全く内部の感情と結びついたものであって、観る者を納得させた。けれども猫を捨てる海岸の場面、駅前の小料理屋...
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・坂口安吾 流浪の追憶 (青空文庫)
狂人の俗人ぶりに腹を立て本が読みたいと言ふので所持した数冊を置き残して病院を立ち去つたが、途中池袋で賑やかな街へ降りてみると寂寥から酒が飲まずにゐられなくなつた。私は見知らない小料理屋でやけに酒を呷つたものだ。酔う...
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・佐藤垢石 烏惠壽毛 (青空文庫)
浜街道の千住あたりを極力捜したのであるがいかに場末と雖も、資本金三百円をもって開店し得るような、街道に沿うところに、そんなささやかな貸家はない。しかし懸命になって捜し歩いた。とうとう、大井町の鮫洲の近くで一軒家を見つけた。京浜国道に沿ったところに、小料理屋...
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・豊島与志雄 待つ者 (青空文庫)
いう話の中では、嘘も事実も共に真実となる。 それらの知人のうちの一人と、私は或る夜遅く、私達の交際場所たる小料理屋で出会った。どちらも酔っていた。彼は何かと話しかけてきた。生憎私は、物を云いたくない時機にあった。或る...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 ズウフラ怪談 (青空文庫)
るめえが、本当になぐられたのか、出たらめの事を云うのか、よく念を押して訊きただしてくれ」と、半七は云った。 「あい、ようがす」 「おれは白山前から指ヶ谷町へまわって来る」 「どこで逢いますね」 「白山町に笹屋という小料理屋...
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・岡本綺堂 廿九日の牡丹餅 (青空文庫)
粉が付いているかも知れねえ。」 手の甲で口のまわりを撫でながら、男はやはりにやにや笑っていた。 田原町 ( たわらまち ) の 蛇骨 ( じゃこつ ) 長屋のそばに千鳥という小料理屋がある。彼はその独り息子の長之助で、本来...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 妖狐伝 (青空文庫)
う今年二十二の若い男がこの物騒な場所を通りかかった。芝の 田町 ( たまち ) に小伊勢という小料理屋がある。巳之助はそこの総領息子で、大森の親類をたずねた帰り道であった。この頃はいろいろの 忌 ( いや ) な噂があるから、今夜...
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・佐々木味津三 山県有朋の靴 (青空文庫)
どん ) のみえる小料理屋の門の前に止まると、新兵衛は、 頤 ( あご ) をしゃくるようにして 目交 ( めま ) ぜをし乍ら、さっさと中へ 這入 ( はい ) っていった。 狭 ( せま ) い 前庭...
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・泉鏡花 薄紅梅 (青空文庫)
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・豊島与志雄 死の前後 (青空文庫)
ははっと身を引いて、両手を懐の中で組合せ、首垂れて、真直に歩き出した。もう何時頃なのか、人通もまばらで、小さなカフェーや小料理屋の中だけが、明るく、而も静かだった。彼はうるさい空自動車をよけながら、いつ...
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・豊島与志雄 常識 (青空文庫)
滓を残すことは少い。だがああいう男を相手にしては、ねちねちした臭気が身体にこびりつく。あなたのつもりでは、小料理屋の小娘に対する代償として、勝ちほこった見せしめだったかも知れない。然し、かりに私とみよ子との間が、お酌...
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・豊島与志雄 潮風 ——「小悪魔の記録」—— (青空文庫)
ろが、それが皮肉どころか、二人の最後の逃避所となって、金さえ儲ければ末長く安身立命出来るという観念が生じてしまった。勿論それはただ観念で、二人とも浪費家だから、片野さんの家には少しの財産があるが、そして芳枝さんの小料理屋...
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・貨幣 (青空文庫)
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・関根金次郎 本因坊と私 (青空文庫)
によくあるだるま茶屋といふ奴さ。茨城県は遊廓がなかつたと思ふんだが。そのせゑか田舎の小料理屋には、大抵だるまといふ酌婦を置いてあるんだ。 その家も酌婦が五六人ゐてネ、その中にひとり三十五六の大年増がゐたんだよ。それ...
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・芥川龍之介 庭 (青空文庫)
は家ぐるみ破壊された。破壊された跡には停車場が建ち、停車場の前には小料理屋が出来た。 中村の本家はもうその頃、誰も残つてゐなかつた。母は勿論とうの昔、 亡 ( な ) い人の数にはひつてゐた。三男も事業に失敗した揚句、大阪...
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・縮図 (青空文庫)
が大衆的な浅草あたりの食堂へ入ることを覚えたのは、銀子と附き合いたての、もう大分古いことであったが、それ以前にも彼がぐれ出した時分の、舞踏仲間につれられて、下町の盛り場にある横丁のおでん屋やとんかつ屋、小料理屋へ入って、夜更(よふ)けま...
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・思ひ出 抒情小曲集 (青空文庫)
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