「夢遊病」を含む用例
・田中貢太郎 狸と同棲する人妻 (青空文庫)
行商に出ていた仁蔵は、夢遊病者のようになって 彼方此方 ( あっちこっち ) 歩いていて、やっと気が 注 ( つ ) いて帰って来たところで、女房の直が大きな古狸と 睦 ( むつ ) まじそうに飯を食っているので、棍棒を 執...
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・雨の回想 (青空文庫)
また床の中に連れ戻されるのだが、こんなことが毎晩続いた。夢遊病者のように、自分でははっきりそれを意識しなかった。 里のお婆さんの方もまた、預けた家へかえしはしたが、心配と逢いたさに、昏(く)れ方[#底本では「昏(くれ)れ方」と誤...
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・浜尾四郎 夢の殺人 (青空文庫)
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・岸田國士 観て忘れる (青空文庫)
と手術」(?)張りで、あのフアイトとかいふ役者の夢遊病者的演技も大方底が見えたやうである。いや、それよりも、あの魔術使ひ見たいな金貨を、さも深刻らしく使つたところなど、独逸流の悪趣味に相違ないが、これ...
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・海野十三 地獄街道 (青空文庫)
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・小野佐世男 ジャズ狂時代 (青空文庫)
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・豊島与志雄 情意の干満 (青空文庫)
の自由さと柔軟さを以て浮んでくる。私はそのなかを夢遊病的に彷徨し、催眠状態で君を見戍る [#「見戍る」は底本では「見戌る」] 。自ら気付いて驚き覚むることもあるけれど、それは瞬時の隙間で、また君の「色香」に包まれる。言葉...
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・夢野久作 殺人迷路 (連作探偵小説第七回) (青空文庫)
気が付いた時に彼は又も脊髄までドキンとさせられながら立佇まった。 彼は眼を一パイに見開いた。唇をワナワナと震わした。今までよりも更に数等深い鋭い恐怖に襲われつつ、白昼の夢遊病者のようにノロノロと自分の周囲を見まわした。 其処 ( そこ ) はち...
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・豊島与志雄 轢死人 (青空文庫)
不幸か、反対の方からまた汽車がやって来ました。すると男は、ふらふらと、まるで夢遊病者ででもあるように、線路の上に上っていって、またレールを枕に寝てしまいました。死神にとっつかれてるというんでしょうね。それ...
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・堀辰雄 色褪せた書簡箋に (青空文庫)
の首がすつぱりと快く切られるやうにと、よく工夫し修正した斷頭臺を作る。かかる自殺の中には美學がある。自分の最後の行爲を注意深く構成せんとする氣遣ひがある。 不死身であるところのあらゆる存在物は、彼等の魂の影のなかに、人殺しの夢遊病者、執念...
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・芥川龍之介 二つの手紙 (青空文庫)
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・坂口安吾 勉強記 (青空文庫)
先生は追分の下宿を二室占領して数千巻の書籍と共にくすぶっていたが、朝になると、大概脱脂綿にアルコールをしめして、丁寧に本を拭いていらっしゃる。というのは、最近鞍馬先生に夢遊病の症候が現れて、先生は夜中無意識のうちに歩行し、最も貴重な本箱に向って放尿し、また...
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・坂口安吾 明治開化 安吾捕物 その九 覆面屋敷 (青空文庫)
は苦悶を隠してしばし沈黙していたが、思いきって答えてくれたのである。 「それはな。これをちかごろの言葉で夢遊病と申すそうな。寝たまに起きていろいろのことをおやりになる。そういう奇病がござるために牢にお入れ申したものじゃ。東京...
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・牧野信一 鬼の門 (青空文庫)
が、恰で夢のやうで、更に私は堪へられぬ不安を覚えた。(斯んな経験があるので私は、先刻の、屋上の騒ぎのことも未だ夢とばかりは信じられぬのである。ヒポコンデリイが嵩じて、夢遊病と進んでゐるやも知れぬ。) こん...
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・タイトル (青空文庫)
まちにして私の幻覚を訂正した。だれが夢遊病者でなく、夢を白日に信ずるだらうか。愚かな、馬鹿馬鹿しい、ありふれた錯覚を恥ぢながら、私はまた坂を降つて来た。然(しか)り——。私は今もそれを信じてゐる。坂の向うにある風景は、永遠の『錯誤...
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・山下利三郎 流転 (青空文庫)
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・小熊秀雄全集-1 短歌集 (青空文庫)
れば鶏の餌にもと雪ほりてキャベツ畠のキャベツをさがす 折々雑記 夜となれば酒をひた欲るつぶら眼の夢遊病者となりにけるかな しづか夜の辻うら売りを愛ほしとおもひしづかに酒のみしかな 悲しさよわれにむかひて鳴きてゐる虫の言葉をきく耳もたず 蟋蟀...
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・小熊秀雄全集-10 詩集(9)流民詩集2 (青空文庫)
まで歩いてゆくか 後を尾けて行つてごらん その時私は電燈の明るい光りの下で 少年世界を熱心に読んでゐた、 私は雑誌を畳の上に伏せた、 それから母に言ひつけられたやうに 妹よ、お前の夢遊病を尾けて行つた、 戸外...
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・小酒井不木 「心理試験」序 (青空文庫)
責任は持たないつもりである。 欧米の探偵小説にも、暗号や、双生児の犯罪や、夢遊病を取り扱った作品は決して、少くはない。然るにそれが、江戸川兄の手によって、「二銭銅貨」となり、「双生児」となり、「二癈人」となると、到底...
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・與謝野寛 素描 (青空文庫)
どこの女の身の上は解りかねる。若しやと想ふこともあるが、それでは事実が余りに ROMANESQUE だ。おれと仏蘭西の NOBLESSE、そんな夢幻劇が型のやうに仕組まれやうとは考へられない。まあ暫く 夢遊病者 ( ノク...
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・岡本かの子 夏の夜の夢 (青空文庫)
に湿つた草の匂ひのせゐでもありますよ。でもよく幾夜も僕の夢遊病症につき合つて下さいましたね。これが最後の夜と思へばお名残り惜しいけれど、もう夜もぢきあけます。僕たちはもうお別れしなくちや……。平凡で常識な昼日中がやつて来ます。僕たちが 折角...
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・原民喜 二つの死 (青空文庫)
りの人間がみんな私同様の戦災者の宿なしの群のやうにおもへたり、ふと周囲に動いてゐる人間はただ単に私の夢遊病の眼に映る幻覚ではないかと思へる。私は勤先の出版社や知人のところへ出向いて部屋のことを頼んでみるのだつたが、下宿の部屋へ戻つて来ると、今は...
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・小酒井不木 血の盃 (青空文庫)
子の精神に、段々異常の徴候があらわれて来た。彼女は毎夜 深更 ( しんこう ) に家を抜け出しては、 恰 ( あだか ) も夢遊病者のするように、諸方を歩き廻った。丹七は始めのうちはそれをとめるようにしたが、とめ...
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・南部修太郎 一兵卒と銃 (青空文庫)
列縱隊 ( れつじうたい ) は五 列 ( れつ ) になり三 列 ( れつ ) になりして、 兵士達 ( へいしたち ) はまるで 夢遊病者 ( むいうびやうしや ) のやうにそろそろ 歩 ( ある...
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・蘭郁二郎 蝕眠譜 (青空文庫)
時代からの彼の様子などを考え出していた時、私は、思わずアッと叫ぶところであった。 彼が起き上ったのだ。 ダガ、彼はまだ寝ているのである。危なっかしい早瀬を渡るような足取りで、ベットからはなれたのだ。 (夢遊病——) 忌 ( いま...
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・岡本かの子 決闘場 (青空文庫)
は打ち解けてワルトンを懐かしそうに見えた。夢遊病者のように幽幻に彼女が振舞うのにワルトンは暫らく見とれた。が、それ等の彼女の美点は、ワルトンに少しも関係の無い気がし出した。全く彼女の彼に対する反応はほんの僅かであった。ワル...
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・岡本かの子 ドーヴィル物語 (青空文庫)
っと客を気易くさせる淡い影を壁の隅々に持たせ乍ら取付けた様な威厳、上ずった品位、 慧眼 ( けいがん ) のものが早くそれを見破ろうとする前に縦横からあらゆる角度の屈折光線がその作意をフォーカスする。で、客はただもう貴族趣味の夢遊病者となって、われ知らず飲み、喰い...
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・芥川龍之介 保吉の手帳から (青空文庫)
の窓を見上げながら、寒そうに立っている姿が見えた。 「わんと云え。わんと云わんか!」 主計官はまたこう呼びかけた。その言葉には何か乞食の心を支配する力があるらしかった。乞食はほとんど夢遊病者のように、目は...
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