「埃」を含む用例
・正岡子規 土達磨を毀つ辞 (青空文庫)
ゑものつくりにこねられてかかる見にくき姿とはなりける。むつかしき 頬 ( ほお ) ふくらしてひたすらに世を 睨 ( にら ) みつけたる 愛嬌 ( あいきょう ) なさに前の持主にも見離され道端の夜店に 埃 ( ほこり ) をかぶりて手のなき 古雛...
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・石川啄木 心の姿の研究 (青空文庫)
えてぎらつく 軌条 ( れーる ) の心。 母親の居睡りの膝から辷り下りて 肥った三歳ばかりの男の児が ちょこ/\と電車線路へ歩いて行く。 起きるな 西日をうけて熱くなった 埃 ( ほこり ) だらけの窓の 硝子...
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・芥川龍之介 悠々荘 (青空文庫)
にんぞう ) が一つあった。殊にその女人像は一面に 埃 ( ほこり ) におおわれたまま、ストオヴの前に横になっていた。 「するとその肺病患者は 慰 ( なぐさ ) みに彫刻でもやっていたのかね。」 「これ...
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・芥川龍之介 漱石山房の冬 (青空文庫)
案内した。 × × × 三十分の 後 ( のち ) 、わたしは 埃 ( ほこり ) 風に吹かれながら、W君と町を歩いてゐた。 「あの書斎は冬は寒かつたでせうね。」 W君は太い杖を振り振り、かうわたしに話しかけた。同時...
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・芥川龍之介 身のまはり (青空文庫)
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・正岡子規 徒歩旅行を読む (青空文庫)
西瓜の切売を食うような楽みは行脚的旅行の一大利得である。 夏時の旅行は余もしばしばやった事があるが、旅行しながら毎日文章を書いて新聞社に送るという事はよほど苦しい事である。一日の炎天を草鞋の 埃 ( ほこ ) りに...
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・堀辰雄 あいびき (青空文庫)
そりと垂れている 埃 ( ほこり ) まみれのカアテンにさえぎられて、その中の様子はよく見えなかった。それでも台所のところなどは内部がちらりと見えた。そこなどはいろんな台所道具が雑然と散らかっていて、中に...
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・北大路魯山人 鮪の茶漬け (青空文庫)
茶の残りを集めたいわば茶のくずであるから、 埃 ( ほこり ) などがまじっていよう。これを 洗滌 ( せんじょう ) する意味で、ざるの中に入れた茶に水をさすと、乳白色に水がよごれてこぼれてくる。これを捨て、ざるの中の粉茶に熱湯を 注...
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・泉鏡花 凱旋祭 (青空文庫)
( すそ ) の 埃 ( ほこり ) 、 歩 ( あゆみ ) の砂に、両側の二階家の 欄干 ( らんかん ) に、果しなくひろげかけたる紅の 毛氈 ( もうせん ) も白くなりて、仰げば 打重 ( うち...
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には一冊一ペニイの安値で古本屋の見切り本の箱の中にならべられる運命となった。出版してから三年ばかり後のこと、ラファエル前派の詩人ロゼッテイの二人の友人が、散歩の途次偶然、 埃 ( ほこり ) に埋もれたこの珍しい本を発見して、彼にその話をした。ロゼ...
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・田山花袋 父の墓 (青空文庫)
ひ ) と物の腐る 臭 ( にほひ ) と沈滞した 埃 ( ほこり ) の 交 ( まじ ) つた空気の 臭 ( にほひ ) とが 凄 ( すさま ) しく鼻を 衝 ( つ ) いた。 理髪肆 ( とこ...
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・芥川龍之介 百合 (青空文庫)
うへい ) の 家 ( うち ) では蚕に食わせる桑の 貯 ( たくわ ) えが足りなかったから、父や母は 午頃 ( ひるごろ ) になると、 蓑 ( みの ) の 埃 ( ほこり ) を払ったり、古い 麦藁...
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・斎藤茂吉 三年 (青空文庫)
までかかりつけの赤十字社病院前の歯科医を訪ねると、そこは強制疎開のために家を取りこぼつてゐる最中であつた。労働服などを 著 ( き ) て 埃 ( ほこり ) の中で立働いてゐた。 致方 ( いたしかた ) がないので、その近くの歯科をたづねると、いづ...
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・中島敦 河馬 (青空文庫)
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・野口雨情 枯草 (青空文庫)
う ) の 萬象 ( もの ) の子よ 慰藉 ( なぐさ ) に唄ふひとふしも げに 東雲 ( しののめ ) の近づけば 塵と 埃 ( あくた ) に 甘眠 ( うまい ) せむ 朝は静けき 太陽 ( あま...
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正しく波動する。 生命の振子は重々しく動いている。全存在はそのゆるやかな波動のうちにのみ込まれる。その他は皆夢にすぎない、うごめく奇形な夢の断片、偶然に舞い立つ原子の 埃 ( ほこり ) 、人を...
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・芥川龍之介 追憶 (青空文庫)
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・泉鏡花 二、三羽——十二、三羽 (青空文庫)
を題材にした一篇の読みだしは、「 巴里 ( パリイ ) は包囲されて飢えつつ 悶 ( もだ ) えている。屋根の上に雀も少くなり、下水の 埃 ( ごみ ) も少くなった。」と言うのではなかったか。 雪の時は——見馴れぬ花の、それ...
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・長谷川時雨 木魚の顔 (青空文庫)
った不良若衆で、当時でのモダン代言人である。——あたしは、彼のデコボコ頭の 凹 ( ひく ) みにたまった 埃 ( ごみ ) をながめた。 以下、その老爺さんの生活の断片で、アンポンタンの眼に 映 ( うつ ) った...
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・葉山嘉樹 淫賣婦 (青空文庫)
蒸し暑くて、 埃 ( ほこり ) っぽい七月下旬の夕方、そうだ一九一二年頃だったと覚えている。読者よ! 予審調書じゃないんだから、余り突っ込まないで下さい。 そのムンムンする蒸し暑い、プラタナスの散歩道を、私は...
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・岡本かの子 とと屋禅譚 (青空文庫)
劃の密集した屋根が近々と望まれた。日本建ての屋根瓦のごちゃごちゃした上に西洋風の塔が取って付けたように 抽 ( ぬ ) き立っていた。すべてが 埃 ( ほこり ) に 塗 ( まみ ) れて汚らしく、肉慾...
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・華々しき一族 (青空文庫)
ともっと飛びまわりたい。 須貝 あのコオトじゃ、埃(ほこり)が立つだけですよ。人情から言っても謝りたいコオトだ。 未納 少し堅めるといいんだわ。 須貝 堅めてもいいが……。 未納 撮影所の裏に、ローラーがあるのよ。 須貝...
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・梶井基次郎 檸檬 (青空文庫)
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・芥川龍之介 仙人 (青空文庫)
って、廟の中へはいった。そうして、片手で李をさしまねきながら、片手で、床の上の紙銭をかき集めた。 李は五感を失った人のように、茫然として、廟の中へ這いこんだ。両手を鼠の糞と 埃 ( ほこり ) との...
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・新世帯 (青空文庫)
ぐり)を盛った、竹の色の青々した引物の籠(かご)をも、ズラリと茶の室(ま)へならべた。小野は新聞紙を引き裂いては、埃(ほこり)の被(かぶ)らぬように、御馳走(ごちそう)の上に被せて行(ある)いていた。新吉...
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・泉鏡花 怪談女の輪 (青空文庫)
れども、 何百年 ( なんびやくねん ) の 古邸 ( ふるやしき ) 、 些 ( すこし ) も 手 ( て ) が 入 ( はひ ) らないから、 鼠 ( ねずみ ) だらけ、 埃 ( ほこり ) だら...
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・白蟻 (青空文庫)
りに豪華な装幀をもってせられたことに、感謝しておきたいと思う。 一九三五年四月 世田ケ谷の寓居にて 著者 序、騎西一家の流刑地 秩父(ちちぶ)町から志賀坂峠を越えて、上州神ヶ原の宿(しゅく)に出ると、街を貫いて、埃(ほこり)っぽ...
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・岡本かの子 夏の夜の夢 (青空文庫)
じて煙突の掃除をしてゐるのだと牧瀬はいつた。その 埃 ( ほこり ) の加減か、または夜気で冷えた加減か池の面には薄く銀灰色の 靄 ( もや ) が立て 籠 ( こ ) めて来て、この濃淡の渦巻は眺める人に幻を突きつけて、記憶...
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・岡本かの子 蔦の門 (青空文庫)
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