「取り柄」を含む用例
・坂口安吾 探偵小説を截る (青空文庫)
他の亜流の作品には必然性というものはない。いつか形式ができ、その馬鹿の一つ覚えというほかに一切の取り柄がないのである。 ヴァン・ダインとなると、この形式の臭気は、まったく鼻持ちならなくなる。フィロ・ヴァ...
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・太宰治 答案落第 (青空文庫)
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・芥川龍之介 僻見 (青空文庫)
云ふ事情の下にありながら、しかも軽佻に振舞ひ得るものは大力量の人のあるばかりである。 この数篇の文章は僕の好悪を示す以外に、 殆 ( ほとん ) ど取り柄のないものである。唯僕は僕の好悪を出来るだけ正直に示さうとした。もし取り柄...
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・平林初之輔 華やかな罪過 (青空文庫)
に口をきかないくせに口をきくとなると、こちらが面食らって返事のしようのないようなことばかり言うのが常でした。 だけど妾は今でも信じているんです。そして、妾という人間に何か取り柄があったとすればそれだけが取り柄だったと誇っているのです。とい...
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・松永延造 アリア人の孤独 (青空文庫)
次のやうな断定へと急いで行つた—— 「彼れは貧困のため、女の歓心を充分に買ふ事が出来ないで今や非常に悩んでゐる。女は彼れよりも上段に立つて、むしろ、彼れを 軽蔑 ( けいべつ ) さへしてゐる。所で、ウラスマルはあの野暮な、何の取り柄...
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・太宰治 めくら草紙 (青空文庫)
てやった。そんなに醜く黒くはないのだけれども、鼻もひくいし、美しい面貌ではない。ただ、唇の両端が 怜悧 ( れいり ) そうに上へめくれあがって、眼の黒く大きいのが取り柄である。姿態について、家人に問うと、「十六...
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・芥川龍之介 大導寺信輔の半生 ——或精神的風景画—— (青空文庫)
し又同時に口の中には何度も彼自身を 嘲笑 ( ちょうしょう ) していた。…… 六 友だち 信輔は才能の多少を問わずに友だちを作ることは出来なかった。たといどう言う君子にもせよ、素行以外に取り柄...
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・芥川龍之介 大導寺信輔の半生 —或精神的風景画— (青空文庫)
ひどう言ふ君子にもせよ、素行以外に取り柄のない青年は彼には用のない行人だつた。いや、寧ろ顔を見る度に揶揄せずにはゐられぬ道化者だつた。それは操行点六点の彼には当然の態度に違ひなかつた。彼は中学から高等学校、高等...
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・国枝史郎 三甚内 (青空文庫)
け声は預けて置いて肉を切らせて骨を切るという実質一方の構えである。 相手の男はそれに反してまるで剣術など知らないらしい。身の軽いを取り柄にしてただ翩翻 [#「翩翻」は底本では「翻翩」] 《へんぽん》と飛び廻るばかり [#「ばかり」は底本では「だかり」] だ。ただ...
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・国枝史郎 血曼陀羅紙帳武士 (青空文庫)
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・坂口安吾 梟雄 (青空文庫)
れた信長の兵力は少しずつ恢復しはじめた。 ★ 義龍にライ病の症状が現れた。 「六尺五寸のバカでライ病。取り柄がないな」 道三は苦りきった。 義龍はひそかに自分の腹心を養成し、また寄せ集めた。マジメで、行いが正しくて、学を好み、臣下を愛した。全て...
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・坂口安吾 落語・教祖列伝 花天狗流開祖 (青空文庫)
は天下泰平の山奥の村落では、おだやかならぬ話であった。 ★ オカカは長い間考えちがいをしていた。オラトコのアネサは生一本の怠け者で、ほかに望むところのないのが、せめてもの取り柄であると。ところが、そう...
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・太宰治 皮膚と心 (青空文庫)
知らない。見せたくない。もともと醜い私が、こんな腐った肌になってしまって、もうもう私は、取り柄がない。 屑 ( くず ) だ。はきだめだ。もう、こうなっては、あの人だって、私を慰める言葉が無いでしょう。慰め...
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・豊島与志雄 山吹の花 (青空文庫)
世の最も浅間しい姿だった。久子が聞かされた事柄の概略を順序不同に列挙してみよう。 A女——田宮さんてずいぶん冷酷なかたね。久子さんはどこといって取り柄はないが、ただ僕を慕っていてくれるから、突っ放すのも気の毒で、先方...
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