「即座」を含む用例
・岸田國士 『桜樹』の序 (青空文庫)
版について企画の相談をうけた。 私の頭には、すぐ数名の中堅作家の名が浮び、その才能、思想、気魄の点で、私の考へてゐる「日本人全体を対象とするやうな小説」の執筆の依頼をしたらといふ事が即座に決定したのである。 同僚...
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・原民喜 三人 (青空文庫)
にもし一人が何か素晴しいことを云へば、他の二人も即座に歓声をあげて寛ぐかも知れないのだ、誰もそれを知ってゐながら奇妙に素晴しいと云ふことがなかった。だから黙った。 山裾を廻って坂になるところまで来た時、眉の濃い男が、「帰らうか。」と云...
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・芥川龍之介 翻訳小品 (青空文庫)
かく ) の羽根を残らず落してしまつた。 森の鳥は即座に騒ぎ立つて、一度にこの 詐偽師 ( さぎし ) を突き殺してしまつた。 すると今度はほんたうの孔雀が、悠々と森へ歩いて来た。 「どうだ。おれ...
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・岸田國士 築地座の『ママ先生』 (青空文庫)
岸田國士 築地座の『ママ先生』 築地座の『ママ先生』 岸田國士 友田恭助君夫妻が、私の「ママ先生とその夫」をやりたいと云つて来た。配役は十人のうちから九人を選ぶといふ窮屈千万な方法だが、私は即座...
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・黒島伝治 チチハルまで (青空文庫)
ヤが馬占山の尻押しをしとるというのは本当かな?」もう二十日も風呂に這入らない彼等は、早く後方に引きあげる時が来るのを希いながら、上からきいた噂をした。 「ウソだ。」 労働組合に居ったというので二等兵からちっとも昇級しない江原は即座...
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・折口信夫 まじなひの一方面 (青空文庫)
折口信夫 まじなひの一方面 まじなひの一方面 折口信夫 まじなひ 殊に、民間療法と言はれてゐるものゝ中には、一種讐討ち療法とでも、 命 ( ナヅ ) くべきものがある様である。蝮に咬まれた時は、即座...
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・芥川龍之介 飯田蛇笏 (青空文庫)
の僕は十七字などを並べたことのない人間だった。勿論蛇笏の名も知らなかった。が、そう云う偉い人を知らずにいるのは不本意だったから、その飯田蛇笏なるものの作句を二つ三つ尋ねて見た。赤木は即座に妙な句ばかりつづけさまに諳誦した。しか...
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・牧野信一 山を降る一隊 (青空文庫)
槍のやうに長い物差を振り廻して木口の寸法を計ると、 「何メートル、何々……」 と非常に大きな声で——相当の間隔のある事務所の窓口でそれを即座に記帳する係の者に一ト声で易々と聞きとれる程度に、だから、それ...
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・豊島与志雄 失策記 (青空文庫)
癖をもっているのがある。三十五六歳の中流婦人で、相当の財産と閑暇とを持ち、人柄もよく快活で、顔立も十人並というところ、まあそこいらにざらにある女なのである。ところで、何かのついでに、鼻の話が出ると、彼女はひどく敏感で、即座...
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・豊島与志雄 長篇小説私見 (青空文庫)
のすぐれた作品の名前を挙げることは、即座にでも出来る。然し、関心のもてる人物の名前を挙げてみよと云われる時、即座には固より、作品の頁をめくっても、答えは容易ではあるまい。これは人物の名前に対する吾々の健忘性の故ばかりではない。最近...
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・岡本かの子 恋愛といふもの (青空文庫)
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・芥川龍之介 じゅりあの・吉助 (青空文庫)
と果して吉助は、 朝夕 ( あさゆう ) 一度ずつ、額に十字を劃して、祈祷を捧げる事を発見した。彼等はすぐにその旨を三郎治に訴えた。三郎治も後難を恐れたと見えて、即座に彼を浦上村の代官所へ引渡した。 彼は 捕手...
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・高村光雲 幕末維新懐古談 鶏の製作を引き受けたはなし (青空文庫)
の鳥の中でも製作しておもしろそうなものは、もうそれぞれ手が附けられている。自分の手に掛けてやるとして、さて、どの鳥をやったものか。私も即座では当惑しましたが、ふと、思い附いて、鳥として西洋人に示しておもしろい題になるものという考えから 矮鶏...
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・寺田寅彦 鉛をかじる虫 (青空文庫)
込みつづけて来た知識のどれだけのプロセントが自分の身の養いになっているかと考えてみても、これはちょっと容易には分かりかねる 六 ( むつ ) かしい問題である。しかし、ともかくも、学校で教わったことの少なくも何十プロセントは綺麗に忘れてしまっていて、例えば自分等の子供に質問されて即座...
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・寺田寅彦 中村彝氏の追憶 (青空文庫)
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・上村松園 楠公夫人 (青空文庫)
彩管報国の念やみ難いものを抱いていた矢先だったので、即座に承諾したのであった。私は昭和十六年四月十七日の湊川神社の大祭に神戸へ赴き神前にその旨を御報告お誓い申しあげて来た。 ところが、困ったことに、楠公...
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・南方熊楠 易の占いして金取り出だしたること (青空文庫)
間やっと暮らし得るだけの物を与えてこの家を失わず守らしめ、今日を待って今日泊るべき旅人を責めしめたので、この旅人も易占の名人ゆえ、千金を求められると、即座にこの家のどこにその金を 蔵 ( おさ ) め隠しあるを占い知って娘に告げくれるは必定と、十年...
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・牧野信一 熱海線私語 (青空文庫)
六歳の時からカトリツク教会のイギリス人に伴いて読み書きを習つてゐたので、もうその頃は外国からの 少年雑誌 ( セントニコラス ) や新聞の日曜漫画など、即座に日本語に移しながら朗読が出来た。人気者のハツピー・フリガンのことを私は缶チヤンと称び換へて、聴手を笑はせた。その...
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・豊島与志雄 川端柳 (青空文庫)
があの世でまた癇癪でも起して頭痛がしてるといけないから、生前好きだった歌を位碑の前に供えようということになった。ところが、鹿爪らしい戒名と平仮名交りの小唄とでは、どうもつきが悪い。そこでA老人が即座に、その小唄を漢詩に訳して、あの...
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・寺田寅彦 試験管 (青空文庫)
でけたたましい自動車の警笛を聞いても存外それが右だか左だかということさえわからないことがあるのに、あの小さな蚊は即座に音源の所在を精確に探知し、そうして即座に 方向舵 ( ほうこうだ ) をあやつってねらいたがわずまっしぐらにそのほうへ飛来するのである。 敵の...
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・遺言 (青空文庫)
でも顔だけ見せればいいと云ふんだ。こつちでも元気のいい学生達の顔を見るだけでもいい。とにかくいい機会だから行つて見よう。僕は即座にさう決心した。そして相憎く財布が空だつたので、菊坂の下宿からひよろ/\歩いて駿河台まで行つた。 講堂...
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・海野十三 沈没男 (青空文庫)
大きな音がしますから、 貴下 ( あなた ) も 船底 ( せんてい ) へいかれた方がよいと思います」 余は、胸をはって、 即座 ( そくざ ) に断った。 「いや、ここにいます。どうか僕にはお 構 ( かま ) いな...
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・岸田國士 時計とステッキ (青空文庫)
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・岸田國士 “現代風俗”に就いて (青空文庫)
たちの生きてゐる時代といふものに対する共通の認識がないから駄目だ。お互がそんなに距つたところにゐる原因を相手の方へ押しつけるだけでは話は進まない。 さて、結論を急がなければならぬが、どうせこの結論は、問題を即座に解決させるやうなものではない。 風俗の混乱は、風俗...
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・岸田國士 二つの答 (青空文庫)
も劇芸術の何ものたるかを解し、優れた作品を翫味する能力があるかと聞かれゝば、即座に然りと答へることが出来ないにしても、「否」と答へることは、少くとも、その比例に於いて躊躇しないわけに行きません。たゞ「芝居に行くのは、楽し...
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・三木清 辞書の客観性 (青空文庫)
といふものは案外役に立たないのではないかと思ふ。他の方面については、辞書はなるほど有益ではあるが、それは自分がそれについて知らないからである。辞書に依つてものを知らうとしても、客観的な辞書といふものは、だいいち面白く読めない。即座...
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・坂口安吾 酒のあとさき (青空文庫)
ダンスホールは東山の中腹にたつた一軒たてられた景色のよいところで、もし酒を飲ましてくれるなら、私は外の場所では酒を飲まないと思つたほどの良いところであつた。 舞妓の一人が、踊りませうと私に言つた。よろしい、私は即座に返事をした。私が...
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・佐藤垢石 河童酒宴 (青空文庫)
の間の命の洗濯である。 四五杯傾けてほんのりすると、父はいつも借の面白い物語、いや自分の見聞談を私にきかせるのを例とした。ある夜、私は父に人間以外に酒を呑む動物があるかどうか問うてみた。すると父は、即座に、ある...
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・佐藤垢石 烏惠壽毛 (青空文庫)
手に入りますか、と試問されても、頭がこんがらかり舌が吊ってしまって即座には返答ができないであろう。その退職金を懐中にし、途中で軽く一盃召し上がって、ひとまずいそいそとわが家へ帰った。 二 二階へ上がり、かた...
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・太宰治 列車 (青空文庫)
たちの忠告もあり、お互の将来のためにテツさんをくにへ返す、あすの二時半の汽車で帰る 筈 ( はず ) だ、という意味のことがらが簡単に 認 ( したた ) められていた。私は頼まれもせぬのに、テツさんを見送ってやろうと即座...
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