「冤罪」を含む用例
・坂本龍馬 手紙 慶応三年五月中下旬頃 高柳楠之助あて (青空文庫)
レ 成筈ニ候。将御出発後ハ唯貴方の御用のミ御達し被 レ 成、私共困難の事件者時日を御延し被 レ 成候。是不解の第一ニ候。 且於当方所ニハ未御談判ニても明白ニ御座候。此条私共江冤罪を御被セ被 レ 成候...
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・太宰治 女人訓戒 (青空文庫)
づく観察したところに依っても、決して狡猾な悪性のものでは無かった。むしろ、内気な、つつましい動物である。狐が化けるなどは、狐にとって、とんでも無い 冤罪 ( えんざい ) であろうと思う。もし化け得るものならば何もあんな、せま...
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・菊池寛 若杉裁判長 (青空文庫)
一つ若杉さんの心理に動いていた感情は、どんなことがあっても、 冤罪 ( えんざい ) の人を作ってはならぬという考えでした。よく裁判の話の時に、引き合いになる格言ですが、「たとい九人の有罪者を逸するとも、一人の 冤罪者 ( えん...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 須磨 (青空文庫)
は普通人と同じように生活していることはよろしくないとされるのはこの国ばかりのことでもありません。私などのは遠くへ追放するという条項もあるのですから、このまま京におりましてはなおなんらかの処罰を受けることと思われます。 冤罪 ( えんざい ) であ...
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・中里介山 大菩薩峠 如法闇夜の巻 (青空文庫)
しは今まで存じませんでございました」 お君は自分の 冤罪 ( えんざい ) を申し開きするような態度でこう言いました。 お君が、自分の冤罪を主張するように熱心になったのを、能登守は意外に思いました。 「お前がそれを聞かない——では...
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・堺利彦 赤旗事件の回顧 (青空文庫)
ろで我々の問題が起こった。佐藤君は 冤罪 ( えんざい ) を着ているのではないか。もしそうだとすれば、今一人の男がけしからぬ。我々の多数はついに今一人の男を有罪と認め、それに絶交を申し渡した。我々...
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・芥川龍之介 冬 (青空文庫)
右隣りには兄に会いに来たらしい十六七の女が一人とめどなしに泣き声を 洩 ( も ) らしていた。僕は従兄と話しながら、この右隣りの泣き声に気をとめない 訣 ( わけ ) には 行 ( ゆ ) かなかった。 「今度のことは全然 冤罪 ( えんざい ) ですから、どう...
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・太宰治 眉山 (青空文庫)
る時はころげ落ちるみたいに、ダダダダダ。いやになりますよ、ダダダダダと降りてそのまま御不浄に飛び込んで扉をピシャリッでしょう。おかげで僕たちが、ほら、いつか、 冤罪 ( えんざい ) をこうむった事があったじゃありませんか。あの...
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・田中貢太郎 陸判 (青空文庫)
えたものだろう」 朱は言った。 「妻は睡っていてかえられたものです、実に不思議ですが、その理由がわからないのです、僕が殺したというのは 冤罪 ( えんざい ) です」 呉侍御は朱の言葉を 信 ( まこと ) にで...
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・豊島与志雄 三木清を憶う (青空文庫)
獄死しようなどと、吾々は夢にも思わなかった。彼が捕えられることになった事件そのものが、実につまらないものだった。彼の友人高倉テル君が、これも殆んど冤罪で、治安維持法にひっかかり、警視庁に留置されているうち、何故...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 半鐘の怪 (青空文庫)
間になっている六畳へほうり込まれてしまった。 二 これで問題もまず解決したと安心していた町内の人たちは、その夜なかに又もや半鐘の音におどろかされた。半鐘はあたかも権太郎の 冤罪 ( むじつ ) を証明するように鮮かな音を立てて響いた。この...
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少し姿勢がどうかならんかねえ。気を附けて見給え。損の行かない話だ。」 これは少し 冤罪 ( えんざい ) であった。 勿論 ( もちろん ) この銀行員の風采は、伯爵中尉と比べることは出来ない。しかし 世間並 ( せけ...
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・久生十蘭 顎十郎捕物帳 かごやの客 (青空文庫)
んが入って来たところをわれわれ二人に見られたことも承知しとるのじゃけん」 「そうですよ。こりゃ、たしかに 冤罪 ( えんざい ) ですな。……ひょろ松、お前の意見はどうだ」 「……あっしは、こんなふうに考えておりました。加代姫は、六平になにか弱い尻をにぎられていて、今まで 強請...
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・喜田貞吉 道鏡皇胤論について (青空文庫)
道鏡が天智天皇の皇孫であるとの旧説を祖述し、これによって道鏡に纏わる幾多の疑問を合理的に解説して、以て我が皇統の尊厳をいやが上にも明らかにせんとするにあった。しかるにそれを見られた仏教連合会の当時の幹部の人々は、従来我が仏教がこの悪逆なる妖僧の為に被った冤罪...
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・幸田露伴 魔法修行者 (青空文庫)
長病で治らなかった余りに、人に狐を 憑 ( つ ) けるなどという事が一般に信ぜられていたに乗じて、他の者から仕組まれて 被 ( き ) せられた 冤罪 ( えんざい ) だったかも知れない。が、何に...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 明石 (青空文庫)
をさせないままで親が死ねば海へでも身を投げてしまえと私は遺言がしてございます」 などと書き尽くせないほどのことを泣く泣く言うのであった。源氏も涙ぐみながら聞いていた。 「 冤罪 ( えんざい ) のために、思いも寄らぬ国へ 漂泊 ( さまよ ) って来ていますことを、前生...
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・紫式部 與謝野晶子訳 源氏物語 若菜(上) (青空文庫)
大人になりまして一官吏の職を奉じますようになりましてから、私のために院がいろいろの注意を実例によってお与えくださいます際などにも、自分は 冤罪 ( えんざい ) によってどんなことが過去にあったというようなことを少しでも仰せになることはございません。一生...
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・森鴎外 あそび (青空文庫)
者として復活している。手数の掛かった履歴である。 木村が文芸欄を読んで不公平を感ずるのが、自利的であって、 毀 ( そし ) られれば腹を立て、褒められれば喜ぶのだと云ったら、それは 冤罪 ( えんざい ) だろう。我が...
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・森鴎外 舞姫 (青空文庫)
の勇気なければ、彼活溌なる同郷の人々と交らんやうもなし。この交際の 疎 ( うと ) きがために、彼人々は唯余を嘲り、余を嫉むのみならで、又余を猜疑することゝなりぬ。これぞ余が 冤罪 ( ゑんざい ) を身...
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・折口信夫 「ほ」・「うら」から「ほがひ」へ (青空文庫)
三年六月)を見ても、 馬飼 ( ウマカヒ ) ノ 首歌依 ( オビトウタヨリ ) 、冤罪を蒙つて「 揚言 ( コトアゲ ) して誓ひて曰はく、虚なり。実にあらず。若し是れ実ならば必天災を被らむ」と言...
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・清水紫琴 誰が罪 (青空文庫)
とうとう委託物費消といふ汚穢なる罪名を付せらるるの、残念なる次第に立到つたのです。実にまるで誣告されたんです、不当なる判決を下されたんです、立派な冤罪に逢つたんです』 はなはだしく憤慨して腕を扼し、思はず高声にいひ放ちしが、辺り...
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・大庭武年 旅客機事件 (青空文庫)
にしてもこの事件の謎を自分の力で解決しなくてはならないと言う責任感が湧いて来た。運命的とは言え、自分こそ事件現場にいた唯一の無関係者だ、自分がこれを解決せずに誰れに解決が出来ると言えるであろう。それよりなにより、又自分にとっては、親愛なる三枝を冤罪...
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・富ノ沢麟太郎 あめんちあ (青空文庫)
( らくはく ) している境遇へつけこんで、同盟して彼一人を奈落の底へ突きおとすのであるかも知れない。 そうして彼はたった一つのカフスボタンのために、 冤罪 ( えんざい ) の悲運に陥るのであろう。 それ...
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・中里介山 大菩薩峠 農奴の巻 (青空文庫)
悪い——と観念してみたり、或いはまた他に別の手段方法を試むることにでもなるか、いずれにしても、この二人の知恵者が底を割った以上は、あの 冤罪 ( えんざい ) の 晒 ( さら ) し 者 ( もの ) を...
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