「八重洲」を含む用例
・宮本百合子 父の手帳 (青空文庫)
達蔵氏ト共ニ左記ノ処ニ事務所ヲ開始シ公私ノ依頼ニ応ジ専心建築工事ノ設計監督ニ従事仕候間此段御披露申上候。敬具」云々と初めて八重洲町に事務所をこしらえた前後の様子が相当こまかにのこされているのです。四十一歳になった壮年の父の心の中では、この手帳がブランクであった時期、どの...
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・牧野信一 日本橋 (青空文庫)
戸日本橋——の吹奏に歩調を合せながら、この武者修業のテープを切つた。麗かな朝陽のなかには、もう春の気合ひが感ぜられる。 これから旅へ向はうとする気色ばんだ汽関車、終夜の旅を終へて眠りの 庫 ( くら ) に入らうとする車達の入り乱れた響きを脚下に感じながら八重洲...
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・宮本百合子 時計 (青空文庫)
ルサムの銀の片側でその時分腕時計というのはなかったから円くて平たい小型の懐中時計である。私は、それに黒いリボンをつけ、大変大切に愛してもっていた。袴をはいたときは、袴の紐にその黒いリボンをからみつけて。 或る日、急に八重洲町の事務所にいる父に会わなければならない用が出来た。どう...
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・木下尚江 鉄窓の歌 (青空文庫)
控訴院の監房にて、母の身をのみ思ひ耽りつゝ、 言葉にも、顔にも出さで、たらちねは、東の空や、眺めたまはん。 ○ 同じくは、露に濡れても、きりぎりす、野辺に鳴く音を、尋ねてしかな。 ○ 木葉散りて、八重洲...
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・太宰治 女類 (青空文庫)
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・林芙美子 淪落 (青空文庫)
も呆んやりと人の踊りをみている、或日、偶然、八重洲口の駅の前で逢つて、しばらくお茶をよばれながら話した。ジャワへいつていて、このごろ復員したばかりで、まだ何処にも勤めていないと云つていた。かえつてみたら、奥さ...
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・幸田露伴 水の東京 (青空文庫)
に入らずして本流を追ひて上れば、江戸橋下に至り ○日本橋下に至り、終に 一石橋 ( いつこくばし ) 下に至りて御濠に出づ。御濠は西の方滝の口に至り、南の方呉服橋八重洲橋鍛冶橋数寄屋橋に至るまで船を通ずべし。豊海...
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・高浜虚子 丸の内 (青空文庫)
本郷町を過ぎて警視庁、帝劇の焼けあとを見、いたる所に『すいとん』の旗が出ていて、そこに人が黒山のようにたかっているのを見た。 私はこの『すいとん』に腹をこしらえたことも一、二度ならずあった。しかしこの時八重洲...
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・松本泰 宝石の序曲 (青空文庫)
は二時間ほどして東京駅の 八重洲口 ( やえすぐち ) の改札を出ると、とある横町の清涼飲料水の看板の出ている酒場の路地へ姿を消した。 高い建物の上に遅い月が懸かっていた。夜はまだ更けてはいないが辺りは不思議に静かで、どこ...
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・田中貢太郎 日本天変地異記 (青空文庫)
刻に麹町から出た火があって、雉子橋、一つ橋、神田橋に及び、また北風になった風に煽られて、八重洲河岸、大名小路を嘗め、西丸下桜田に至って二つに別れ、一方は通町に出で、一方は愛宕下から芝浦まで往った。この...
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・平出修 瘢痕 (青空文庫)
に打解けるつもりでゐてもこんな生真面目な話になると「君」とは云はないで「貴方」と云はなければならないのを白川は本意ないことに思つた。 「さうかい。君がさう云ふ希望があるんなら……。」松村はややしばし考へて居たが、 「東洋演芸などはどうかね。」 「あの八重洲...
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・林不忘 釘抜藤吉捕物覚書 怪談抜地獄 (青空文庫)
ょ濡れの女は裏の井戸から今出て来たばかりだと言うのである。 安政 ( あんせい ) 二年卯の年、十月二日真夜中の大地震まで、八重洲河岸で武家を相手に手広く質屋を営んでいた 叶屋 ( かのうや ) は、最初の揺れと共に火を失した 内海紀伊 ( うつみきい ) 様...
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