「主従」を含む用例
・上村松園 砧 (青空文庫)
いざ砧を打たんとて馴れし襖の床の上、涙かたしき 狭筵 ( さむしろ ) に思いをのぶる便りぞと夕ぎり立寄り主従とともに、恨みの砧打つとかや、衣に落つる松の声/\、夜寒を風やしらすらん」 秋酣 ( しゅうかん ) の、折し...
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・楠山正雄 葛の葉狐 (青空文庫)
き ) をながめながら、 保名主従 ( やすなしゅじゅう ) はしばらくそこに 休 ( やす ) んで、 幕張 ( まくば ) りの中でお 酒盛 ( さかも ) りをはじめました。 そのうちだんだん日が 傾...
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・森鴎外 山椒大夫 (青空文庫)
めて、主従四人の群れを見渡した。そしてこう言った。「まあ、お気の毒な。あいにくなところで日が暮れますね。この土地には旅の人を留めて上げる所は一軒もありません」 女中が言った。「それは本当ですか。どう...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 山祝いの夜 (青空文庫)
そんなことは家来まかせにして置いた。 あくる朝になると、その男は約束の通りに来た。 「わたくしは喜三郎と申します。なにぶん願います」 彼は市之助のまえにも挨拶した。そうして、型ばかりの荷物をかつがせて貰って、かれは市之助主従...
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・岡本綺堂 鷲 (青空文庫)
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・酒井嘉七 ながうた勧進帳 (稽古屋殺人事件) (青空文庫)
は特に厳しく詮議されていた。関守の富樫左衛門は義経主従を疑惑の目で見守る。しかし、弁慶は落ちつきはらって、自分達は南都東大寺建立のため勧進の山伏となっているものである、と云う。関守は、若し、そうした御僧であれば、勧進...
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・泉鏡花 雨ばけ (青空文庫)
人が一人、従者を 従 ( したが ) へて通り 懸 ( かか ) つた。 知音 ( ちいん ) の 法筵 ( ほうえん ) に列するためであつた。 ……来かゝる途中に、 大川 ( おおかわ ) が 一筋...
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・北村透谷 客居偶録 (青空文庫)
はく ) して主従唯だ二個、異境に 彷徨 ( はうくわう ) して漁童の嘲罵に 遭 ( あ ) ふ。然も主は僕を捨てず、僕は主を離れず、木車一輛、山海を越えて百里の外に旅す。 讃 ( ほ ) むべ...
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・高村光雲 幕末維新懐古談 名高かった店などの印象 (青空文庫)
なり ) 竹成 ( たけなり ) という両人の者を従え、この大河に網打ちに出掛けたところ、その網に一寸八分黄金 無垢 ( むく ) の観世音の 御像 ( おぞう ) が掛かって上がって来た。主従...
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・菊池寛 恩讐の彼方に (青空文庫)
の一太刀を、左の頬に受けたのである。が、一旦血を見ると、市九郎の心は、たちまちに変っていた。彼の分別のあった心は、闘牛者の槍を受けた牡牛のように荒んでしまった。どうせ死ぬのだと思うと、そこに世間もなければ主従...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 明月一夜騒動 (青空文庫)
もども月影を避けるようにして、小急ぎに向こう横町へ出ていきましたので、疑惑はさらに数倍。 「気づかれぬよう、あとつけろ」 善光寺辰というちょうほうな生きぢょうちんがあるところへ、月光は降るばかりでしたので、主従...
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・蒲松齢 田中貢太郎訳 阿英 (青空文庫)
明けきらないうちにもういってしまった。 玉は 東粤 ( とうえつ ) で乱を聞いて昼夜兼行で帰って来たところで、途で土寇の一群に遇った。主従は馬を乗りすてて金を腰にしばりつけ、草むらの中に匿れていた。 鸚鵡 ( おうむ ) のよ...
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・芥川龍之介 虱 (青空文庫)
( いか ) にも勇ましいものだつたさうである。 しかし、その船へ乗組んでゐる連中は、中々勇ましがつてゐる所の騒ぎではない。第一どの船にも、一艘に、主従三十四人、船頭四人、 併 ( あは ) せて...
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・宮本百合子 あとがき(『宮本百合子選集』第二巻) (青空文庫)
にとってその害悪の実感される環境において、人間性の浪費の悲劇を描いたのだった。 「三郎爺」は一九一七年にかかれた。「古き小画」とは数年をへだてている。それにもかかわらず、一つの面白い共通点がある。作者はこの二つの作品のどちらにおいても、封建的な主従...
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・宮本百合子 夜叉のなげき (青空文庫)
が、神或は馬琴流の善玉悪玉の通念に対して、一般人間性を主張した時代は、日本でも逍遙の「小説神髄」以来のことである。私たちのきょうの生活感情はそこから相当に遠く歩み出して来ている。「主従は三世」と云って、夫婦...
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・森鴎外 歴史其儘と歴史離れ (青空文庫)
竹と云ふ老女が附いてゐたのである。さて沖に漕ぎ出して、山岡大夫は母子主従を二人の船頭に分けて売つた。一人は佐渡の二郎で母とうば竹とを買つて佐渡へ往く。一人は宮崎の三郎で、あんじゆとつし王とを買つて丹後の由良へ往く。佐渡へ渡つた母は、舟で...
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・田中貢太郎 妖怪記 (青空文庫)
おずおずとその前へ出て酌をした。 「その方達にも、盃をとらする」 主人の武士が、盃を出すと従者達はそれを順々にまわして往った。女はそれにいちいち酌をした。 主従は酒に酔うてきた。主人は白い歯を出して折おり笑った。お作...
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・北村透谷 「歌念仏」を読みて (青空文庫)
( ぬのこ ) 一枚にて追払はるゝ段より、お夏の愛情は一種の神韻を帯び来れり。清十郎の胸の 中 ( うち ) には恋の因果といふ猛火 燃 ( もえ ) しきりて、主従の縁きるゝ神の 咎 ( とが ) めを...
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・芥川龍之介 忠義 (青空文庫)
見えて、進んで来る。現に一度などは、危く林右衛門を手討ちにさえ、しようとした。「 主 ( しゅう ) を 主 ( しゅう ) とも思わぬ奴じゃ。本家の手前さえなくば、切ってすてようものを。」——そう...
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・菊池寛 吉良上野の立場 (青空文庫)
ずると引きずられて出た。 「やあ! 白綸子を着ている」 外で待っていた一人がいった。誰かが、呼子の笛を吹いた。 (白綸子を知っている。何も物事がわからんくせに、白綸子だけを知っている。わしはどうして浅野主従のために、重ね...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 血の降るへや (青空文庫)
帰っていらっしゃいね……」 声といっしょに、するする、とかすかなきぬずれのような音がありました。 右門主従は、おもわず息をのみました。のぞきたいのをけんめいにこらえて、じっと耳をすましながら、中のけはいをうかがいました。 と思...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 毒色のくちびる (青空文庫)
りと金切り声で秀の浦を声援しているやつがあるぜ」 「どうどう? どこですか」 「ほら、あっちのいちばんすみの奥から、さかんにやっているじゃねえか」 「いかさまね。女の旗本というのも聞いたことがねえから、虫のせいかな——」 主従...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 子持ちすずり (青空文庫)
うぜ、主従は二世三世、かわいいおまえのことだ、——そうまではおせじを使ってくださらねえにしても、もちっとどうにかいい顔をしたらいいじゃござんせんか、いい顔をねえ」 「…………」 「え! だんな! どう...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 京人形大尽 (青空文庫)
のぎょッとなったのはいうまでもないことでしたが、しかしさすがは生き馬の目を抜くお江戸のまんなかで育った職人でした。 「八丁堀のおだんながたでござりまするか」 早くも右門主従をそれと知ったらしく腰を低めましたので、名人...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 七化け役者 (青空文庫)
つき従って、そのご警護かたがた右門主従もお出迎えに行ったのがちょうど暮れ六ツ少し手前の刻限でした。と申しますと少しく異様に聞かれますが、東北路は山形二十万石の 保科 ( ほしな ) 侯に、それから仙台六十四郡の 主...
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・佐々木味津三 右門捕物帖 闇男 (青空文庫)
たくの無言の行なのです。——雨ゆえに、きょうばかりは二丁きばった御用駕籠を連ねながら、おしの名人と、おしゃべりの名人とは、一路話のその麻布北条坂目ざして急ぎました。 だが、不思議でした。 あば敬主従と右門主従とは、お番...
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・坂口安吾 明治開化 安吾捕物 その十五 赤罠 (青空文庫)
郎と云う。元来、遠縁に当る家柄の者で、姓も同じ不破である。重二郎は当年三十七。これからが分別盛りで、手腕の揮いどころという大切なところであるが、彼は主家の娘トミ子を妻に与えられ、今までの浅からぬ主従...
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・小島烏水 梓川の上流 (青空文庫)
げ ) にも敵人に面縛するを 肯 ( がえ ) んぜず、夫人や、姫や、侍婢、近侍と共に出奔した、野麦峠を越えて、信州島々谷にかかったころは、一族主従離れ離れになり、秀綱卿が 波多 ( はた ) へ出...
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・清水紫琴 したゆく水 (青空文庫)
では奥様しばらくここに。私はお先へ参つて御様子を』『ああさうして』と。主従が、うなづき囁き、こつそりと、なほも木立の奥深く、奥庭までも忍び行く。 かかる 工 ( たく ) みのありぞとも、知らぬ澄は、己が名の、澄も、すま...
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・岡本綺堂 平造とお鶴 (青空文庫)
して、おすま親子に対する彼の態度から推察すると、どうも昔の主従関係であるらしい。おそらく昔の家来すじの者が旧主人のかくれ家をさがし当てて、 奇特 ( きどく ) にもその世話をしているのであろう。親子...
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