「スッキリ」を含む用例
・宮本百合子 後庭 (青空文庫)
タリと落つきを持って生えた苔の美くしい地面の何とも云えず好い一種の香いが、モタモタした気持をスッキリ澄せて行く。 二三度左手を帯にはさんで行ったり来たりすると、何となし急に周囲の景色に気をとられた。 この二三日何かして一度も庭に出ずに居た間に大変、変化...
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・坂口安吾 「刺青殺人事件」を評す (青空文庫)
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・坂口安吾 家康 (青空文庫)
の家康は誰の目にも大狸で、それまで家康は化けてゐたといふのだが、五十何年も化けおほせてゐた大狸なら最後の仕上げももうすこしスッキリとあかぬけてゐさうなものだ。関ヶ原から大坂の役まで十年以上の時日があり、その...
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・夢野久作 斬られたさに (青空文庫)
い処で向い合ってみると又、一段と 水際立 ( みずぎわだ ) った若侍であった。外八文字に 踏開 ( ふみひら ) いた姿が、スッキリしているばかりではない。錦絵の役者振りの一種の妖気を冴え返らせたような眼鼻立ち、口元……夕闇...
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・坂口安吾 推理小説について (青空文庫)
がいの探偵小説は二分の一ぐらいの長さで充分で、その方がスッキリ読み易くなるように思われる。 凄味というものは事実の中に存するのだから、文章はたゞその事実を的確に表現するために機能を発揮すべきものだ。 その次に、日本の探偵小説は 衒学 ( げん...
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・人外魔境 水棲人 (青空文庫)
なりこの奇男子と別れたくないような気持が、折竹にだんだん強くなってきた。 警抜なる挙措(きょそ)、愛すべき図々しさ。なんという、スッキリとした厭味のないやつだろう。しかし、この男が何者かということは、ほぼ彼に想像がついていたのだ。泥坊か、密輸...
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・宮本百合子 旅へ出て (青空文庫)
にものんきらしい若やいだ様子だ。 枯草の上を一足一足ときっぱり歩く足はスッキリとしまって育ったひづめの音がおだやかに響く。 小鳥さえも居ない木から木へと見すかしては友達をさがす様な様子をして、甘っ...
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・太宰治 小さいアルバム (青空文庫)
ぱり、だめでした。どうして私はこんなに、あか抜けないのだろう。YもTも、こうしてみると、さすがにスッキリしていますね。二匹の競馬の馬の間に、 駱駝 ( らくだ ) がのっそり立っているみたいですね。私は、どう...
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・夢野久作 衝突心理 (青空文庫)
は千番トラックのギャレジの二階に寝泊りしていたが、蟹口は、 淀橋 ( よどばし ) で煙草店を出している妻女ツル子(二十五)の処から通勤していた。その妻女のツル子というのは、頑固な、グロテスクな顔をした蟹口とは正反対に江戸前のスッキリした 別嬪...
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・夢野久作 白菊 (青空文庫)
に連れて何ともいえない品のいい菊の花の 芳香 ( におい ) がスッキリと闇を透して、彼の周囲に慕い寄って来た。 彼はマキリを取落した。…… 三度 ( みたび ) 、 呆然 ( ぼうぜん ) となった。 何から何まで馬鹿にされ、オモ...
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・菊池寛 大島が出来る話 (青空文庫)
面の 挨拶 ( あいさつ ) が済んでから、彼は同僚となるべき人々に、一々紹介された。 「岡村君に吉川君。」と、課長は最初に、二人の青年を紹介した。岡村と云われた青年は、中肉の 身体 ( からだ ) にスッキリ...
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・宮本百合子 日記 一九一三年(大正二年) (青空文庫)
さまのおおせで命にかけて 灯をあさるわしゃひとり虫」 フット心の中で何ともつかないこんなものを考えたらみじめになった。 そのさきを考えようとしても出て来なかった。別な虫の三度目に飛び込んだ時にはほやをひび入らせてしまった。桃色のかさのかかったスッキリ...
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・国枝史郎 神秘昆虫館 (青空文庫)
( すそべり ) 野袴、 柄袋 ( つかぶくろ ) をかけた蝋鞘の大小、スッキリとした 旅装 ( たびよそお ) い、足を入れたは東海道で、 剣侠 ( けんきょう ) 旅へ出たのである。 「考え...
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・国枝史郎 善悪両面鼠小僧 (青空文庫)
うからであった。妙に濁って底力がなく、それでいて太くて不快な響きがある。スッキリとした江戸前の、いつもの調子とは似ても似つかない。 「ねえお前さんどうしたの? いつもと声が違うじゃないか?」 訊い...
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・坂口安吾 安吾巷談 天光光女史の場合 (青空文庫)
にかかっているだけのことだ。今からでも、おそくはないのである。 恋愛に生きることは、政治に生きることである。同時に、不本意な恋愛ならば、解消するのが、政治的に生きる方法でもある。恋愛自体はカラクリがなく、スッキリしていれば、おの...
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・坂口安吾 明治開化 安吾捕物 その十八 踊る時計 (青空文庫)
大伍が便器を捧持して往復する姿などには第一霊気の閃きがない。 「祈ってもらえばいいのに。退屈な病人だ」 見るもの聞くものが妙子の気に入らなかった。しかし、まさか全作を殺すような気性のスッキリした人物がこの邸内に居ようとは考えていなかったのである。もっとも、彼(つま...
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・坂口安吾 九段 (青空文庫)
模様のような手のこんだものだが、しかしスッキリとしていてそう品の悪いものではない。そろいのユカタと云ったって、花柳地の姐さんがお揃いで着るものだから、イヤ味やヤボなところはない。姐さんのユカタだから模様はコッテリしているが、万事...
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・三好十郎 おりき (青空文庫)
開いていられぬほどに明るい夏の午後。 人の姿はなく、ただ麦畑の穂波の一個所が、モゴモゴと動いている。 シンカンとした永い間。 奥の谷の方から、小径を踏み分けてスタスタと登って来る青年。まだ少年と言ってもよいほどの頬をした、スッキリ...
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・松本泰 P丘の殺人事件 (青空文庫)
はしていないようですが、あの女は大分お酒を飲過ぎて苦しんでいますから、ちっと休ませてやりましょう」エリスは 同情 ( おもいやり ) 深い調子でいった。 紺サージの着物に、紅い 柘榴 ( ざくろ ) 石の頸飾りをした彼女のスッキリ...
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・山本禾太郎 仙人掌の花 (青空文庫)
湖辺に後姿を見せて佇んでいることもあった。時とすると不自由な身体を松葉杖に支えられていることもあった。 閑枝の結婚は、旧式の、而かも一種の犠牲婚姻であった。その結婚の当夜、まだスッキリと病気の癒りきらぬ身体を自動車にゆられているとき、閑枝...
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・夢野久作 難船小僧 (青空文庫)
いだ。 睫毛 ( まつげ ) の濃い、張りのある 二重瞼 ( ふたえまぶた ) 、青々と長い三日月 眉 ( まゆ ) 、スッキリした白い鼻筋、 紅 ( あか ) い 耳朶 ( みみたぼ ) の 背後 ( うし...
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・夢野久作 名娼満月 (青空文庫)
はねかけるような恰好をしたと思うと、銀の鈴を振るようなスッキリとした声で、 「男の恥を知んなんし」 とタッタ一言。白い 腮 ( あぎと ) を三日月のように 反向 ( そむ ) けて、眉一つ動かさず。見返りもせずに、 裲襠 ( うち...
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・夢野久作 巡査辞職 (青空文庫)
は見るからにここいらの貧乏百姓の 児 ( こ ) と感じの違った、インテリじみた色の白い鼻筋のスッキリとした美しい青年であった。青々と乱れた頭髪が、白い額の汗に粘り付いていたが、神経の激動のために、その濃い 眉 ( まゆ ) がピ...
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・夢野久作 鉄鎚 (青空文庫)
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・夢野久作 笑う唖女 (青空文庫)
せこせた」] 山羊鬚 ( やぎひげ ) の 頓野 ( とんの ) 羊伯と、その後妻の肥った老人。仲人役の郡医師会長、栗野医学博士夫妻は、 流石 ( さすが ) にスッキリしたフロックコートに 丸髷...
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・葉山嘉樹 淫賣婦 (青空文庫)
その時、私がどんな階級に属しているか、民平——これは私の 仇名 ( あだな ) なんだが——それは失礼じゃないか、などと云うことはすっかり忘れて歩いていた。 流石 ( さすが ) は外国人だ、見るのも気持のいいようなスッキリ...
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