「はとこ」を含む用例
・上村松園 北穂天狗の思い出 (青空文庫)
の方からもいろんな人が来るし、宇田 荻邨 ( てきそん ) さんや中村岳陵さんなぞも来たことがある」などとなかなかよく知っている。山道にはところどころに清水が湧き出ているが、こうした処にゆくと馬はきまって立止りゆっくり水を飲む。せき...
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・壮年の歌 (Wikisource)
うつくしき花草は 咲く間を待たで萎むらん 消えはてにけり吾恋は 芸術諸共消えにけり そは何故のうき世にて 人に誠はありながら 恋路の末はとこしへの 冬を性命に刻むらむ 黒髪われを覆ふとも 血潮はわれを染むるとも 花口...
ja.wikisource.org/wiki/壮年の歌
・六月晦大祓祝詞 (Wikisource)
まき くしさし いけはぎ さかはぎ くそへ ここだくのつみを あまうつつみとのりわけて くにつつみと いきはだたち しにはだたち しろひと こくみ おのがははおかせるつみ おのがこおかせるつみ ははとこ...
ja.wikisource.org/wiki/六月晦大祓祝詞
・寺田寅彦 夢 (青空文庫)
たいて鍛え上げたばかりの鉄片を組合せて作ったきわめて簡単なもののように見える。鉄はところどころ赤く錆びている。それにもかかわらずこの粗末な器械は不思議な精巧な仕掛けでもあるかのように全く自働的に活動している。ちょうど鶴のような足取りで二歩三歩あるくと、立ち...
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・蒲原有明 新しき聲 (青空文庫)
亦魅せられて遂に悔ゆるの期なきをよろこぶのである。新しきは古びるといふ。 ( はか ) ない世の言い慣はしだ。 ない世の信念だ。古びるが故に新しきは未だ眞正に新しきものではない。世に珍奇なるものは歳月の經過と共にその刺撃性を失ふこともあらうが、眞正に新しきものはとこ...
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・寺田寅彦 障子の落書 (青空文庫)
連れの自転車が来る。手に手に紅葉の枝をさげた女学生の一群が目につく。博覧会の跡は大半取り崩されているが、もとの一号館から四号館の辺は、閉鎖したままで残っている。壁はしみに汚れ、明り取りの窓 硝子 ( ガラス ) はとこ...
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・生田春月 聖書 (青空文庫)
厚革で、製本はひどく堅牢だ。革はところどころはげたり、すりむけたりしている。縁も煤けている。何だかこう漁師町の娘でも見るような気がする。意外に軽い。 無雑作に開いて見ると、これは 聖書 ( バイブル ) だっ...
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・牧野富太郎 アケビ (青空文庫)
びの実はなかなかに風情のあるものであるから、俳人も歌よみもみなこれを見逃さなかった。昔の連歌に山女(あけび)を見て「けふ見れば山の女ぞあそびける野のおきなをぞやらむとおもふに」と詠んでいる。この「野のおきな」はとこ...
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・岡本綺堂 火に追われて (青空文庫)
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・伊丹万作 映画と癩の問題 (青空文庫)
鼻腔だけが無気味な闇黒をのぞかせていた。顔の色はところによって勝手に変色したり褪色したような感じで、部分的な変化が多く、一貫した主色というものが感ぜられなかったが、だいたいの感じは真珠貝の裏に似ており、紫や桜色にテラテラと輝いて見えた。そし...
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・細井吉造 二つの松川 (青空文庫)
品的野営地はもうもうたる雨足の 裡 ( うち ) にすっかり 屏息 ( へいそく ) してしまったのである。しかし野営地まではともかく道はあった。もちろんこの道は決して登山者のためにひらかれたものではない。それはとこ...
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・寺田寅彦 竜舌蘭 (青空文庫)
節句の祝宴はたいてい二日続いたもので、親類縁者はもちろん、平素はあまり往来せぬ遠縁のいとこ、はとこまで、中にはずいぶん遠くからはるばる泊まりがけで出て来る。それから近村の小作人、出入りの職人まで寄り集まって盛んな祝いであった。近親...
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・寺田寅彦 どんぐり (青空文庫)
でも一時は満足する事ができたようであった。 病気は少しずつよい。二月の初めには 風呂 ( ふろ ) にも入る、髪も結うようになった。車屋のばあさんなどは「もうスッカリ御全快だそうで」と、ひとりできめてしまって、そっとふとこ...
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・白蟻 (青空文庫)
のは否まれぬと思う。わけても、この「白蟻」は、巧拙はともかく、私としては、愛惜措(お)く能わざる一つなのである。私は、こうした形式の小説を、まず、何よりも先に書きたかったのである。私小説(イヒ・ローマン)——それ...
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・岡本綺堂 十番雑記 (青空文庫)
帯持の我々はいよいよ心ぜわしい日を送らなければならなかった。 今度の家は元来が新しい建物でない上に、震災以来 殆 ( ほとん ) どそのままになっていたので、壁はところどころ崩れ落ちていた。障子も破れていた。 襖 ( ふすま ) も 傷 ( いた ) んで...
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・エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 少数と多数 (青空文庫)
にかくの如き現象が生じたのであらう? かの思想は今は美しき幻影ではなく、多数者の意志を基礎として行はるる『実際的計画』と変じたからである。政治権謀はとこしへに虐げられたる哀れな群集の称讚を歌つてゐる。 私は...
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・原民喜 潮干狩 (青空文庫)
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・寺田寅彦 量的と質的と統計的と (青空文庫)
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・山中貞雄 陣中日誌(遺稿) 附・戦線便り (青空文庫)
紙風船」が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。 負け惜しみに非ず。 ○保険の金はそっくり井上金太郎氏にお渡しする事。 ○井上さんにはとことん迄御世話をかけて済まんと思います。 僕のもろもろの借金を(P・C・L...
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・森鴎外 みちの記 (青空文庫)
ろ ) の医こそ 熟 ( よ ) く知りたれ。何某という軍医、恙の虫の論に 図 ( ず ) など 添 ( そ ) えて県庁にたてまつりしが、こはところの医のを 剽窃 ( ひょうせつ ) したるなり云々。かか...
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・牧野信一 海棠の家 (青空文庫)
家にも稀には母親に伴れられて遊びに来たのであるが、よそに来ると私とさへ碌々口もきかずに母親の蔭で愚図ばかり鳴らしてゐたので、そこでの記憶は何も残つてゐない。あの家でのあの娘の記憶はところ/″\ばかにはつきり残つてゐるにもかゝはらず——。 はつ...
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・齋藤茂吉 接吻 (青空文庫)
に香柏樹の並木が遙か向うまで続いてゐる。香柏樹はすでに暗緑の広葉で埋つてゐる。香の高い花は遠のむかしに散つて、今は柔い青いいろの実を沢山につけてゐる。そしてアムゼル鳥の朗かなこゑは、ときどき夕の空気を 顫動 ( せんどう ) させてゐる。歩道にはとこ...
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・林芙美子 崩浪亭主人 (青空文庫)
人身寄りもない日本ではあつたけれども、戻つてみると、故郷はありがたい。古い袷に手をとほしたやうなぬくぬくとしたものを感じた。妻の糸子は甲州のかじかざはと云ふところの生れださうだけれども、これとても、子供の頃に東京へ出て來てゐたので、そのかじかざはと云ふとこ...
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・川上眉山 書記官 (青空文庫)
る人の影は見えず。 われを 嘲 ( あざ ) けるごとく辰弥は椅子を離れ、庭に 下 ( お ) り立ちてそのまま東の川原に出でぬ。地を 這 ( は ) い渡る松の間に、乱れ立つ石を削りなして、おのずからなる腰掛けとしたるがとこ...
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・平林初之輔 動物園の一夜 (青空文庫)
なことを思うとどうも気のせいか人の通るような 跫音 ( あしおと ) が聞こえてくる。そして不意に咳がこみあげてくるのだ。 駒下駄 ( こまげた ) を 穿 ( は ) いているので、幸いにも水は足うらまではとどかないのであるが、腰を...
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・中里介山 大菩薩峠 椰子林の巻 (青空文庫)
こい野郎だなあ」 ここで、 やべ と やばぬ の押問答になりましたが、 やべ というのは「歩め」或いは「歩べ」という急調な 訛 ( なまり ) でありまして、ところにより、俗によって使用されるが、必ず...
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・寺田寅彦 厄年と etc. (青空文庫)
がただ一人の自分の事だとは自分自身にさえ分らないかもしれない。 巻物の中にはところどころに真黒な墨で塗りつぶしたところがある。しかしそこにあるべきはずの絵は、実際絵に描いてあるよりも幾倍も明瞭に墨の下に透いて見える。 不思...
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紫の死びと色があらわれていた。又その色は彼の長い指にも爪ぎわにもあった。その紫色の斑点は、墓の中でだんだんに濃い紅色になり、やがて黒くなって崩れ出す筈のものであった。墓のなかで脹れあがった唇の皮はところどころに薄い赤い 亀裂...
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・宮本百合子 二人いるとき (青空文庫)
妙な気がして……」 と云った。 「私の仕立屋さんとしての面でだけ受け切れないようなところがあって」 と苦笑した。桃子は、とっさに何のことか見当がつきかねる風であったが、 「ああ」と、軽くうなずいて、 「あの...
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・佐左木俊郎 仮装観桜会 (青空文庫)
花のほうがかえってある一つの落ち着きをもって、じっとこの人間の騒々しい芝居を眺めていた。 その雑踏の中でも、前田鉄工場の仮装団はとくに目立っていた。彼らはその仮装が同じばかりでなく、同じような 昂奮 ( こうふん ) で語り、同じ声で叫び、そし...
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