「あおぎり」を含む用例
・寺田寅彦 庭の追憶 (青空文庫)
( かっぱ ) を着て下男と二人で、この石燈籠のわきにあった数本の大きな 梧桐 ( あおぎり ) を細引きで縛り合わせた。それは木が揺れてこの石燈籠を倒すのを恐れたからである。この 梧桐 ( あおぎり...
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・新美南吉 正坊とクロ (青空文庫)
り村の病院にはいっているのです。 正坊の病室のまどぎわには、あおぎりが葉っぱをひろげて、へやの中へ青いかげをなげいれていました。正坊は白いねまきのまま、ベッドの上にすわってあおぎりのみきは、ぞうの足みたいだなあと思いながら、ガラ...
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・国木田独歩 疲労 (青空文庫)
がいの客は実際不在であるから 家内 ( やうち ) しんとしてきわめて静かである。中庭の 青桐 ( あおぎり ) の若葉の影が 拭 ( ふ ) きぬいた廊下に映ってぴかぴか光っている。 北の八番の 唐紙 ( からかみ ) をす...
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・寺田寅彦 明治三十二年頃 (青空文庫)
くも自分だけの場合について考えると、ずっと後に『ホトトギス』に書いた小品文などは、この頃の日記や短文の延長に過ぎないと思われる。 裏絵や図案の募集もあって数回応募した。最初に軒端の 廻燈籠 ( まわりどうろう ) と 梧桐 ( あおぎり...
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・岡本綺堂 磯部の若葉 (青空文庫)
黒い若葉に 埋 ( うず ) められている。 旅館の庭には桜のほかに 青梧 ( あおぎり ) と 槐 ( えんじゅ ) とを多く栽えてある。 痩 ( や ) せた 梧 ( きり ) の青い葉はまだ大きい手を 拡...
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・芥川龍之介 片恋 (青空文庫)
ぶりかでその人が写真に出て来たじゃありませんか。——どこか西洋の町なんでしょう。こう敷石があって、まん中に何だか 梧桐 ( あおぎり ) みたいな木が立っているんです。両側はずっと西洋館でしてね。ただ、写真が古いせいか、一体...
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・鈴木鼓村 雪の透く袖 (青空文庫)
( すそ ) のあたりが、 恰度 ( ちょうど ) 蝉 ( せみ ) の 衣 ( ころも ) のように、雪明りに 透 ( す ) いて見えて、それを通して、庭の 梧桐 ( あおぎり ) や 金目 ( かな...
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・岡本綺堂 火に追われて (青空文庫)
から降ってくるらしい一種のほこりが私の眼鼻にしみた。 「地震だ、ひどい地震だ。早く逃ろ。」 妻や女中に注意をあたえながら、ありあわせた下駄を突っかけて、 沓 ( くつ ) ぬぎから硝子戸の外へ飛び出すと、 碧桐 ( あおぎり ) の枯...
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・岡本綺堂 半七捕物帳 弁天娘 (青空文庫)
のそばには夏の日よけに植えたらしく、葉のない一本の 碧梧 ( あおぎり ) が大きい枝をひろげていた。その梧の木を背中にして、お留がなにか小声で亭主と話していたが、その様子がどうも穏やかでないらしく、普通...
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・梶井基次郎 冬の日 (青空文庫)
時刻、並んだ 蒼桐 ( あおぎり ) の幽霊のような影が写っていた。向日性を持った、 もやし のように蒼白い堯の触手は、 不知不識 ( しらずしらず ) その灰色した木造家屋の方へ伸びて行って、そこに 滲...
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・芥川龍之介 戯作三昧 (青空文庫)
き ) を眺めながら、まだおさまらない腹の虫を、むりにおさめようとして、骨を折った。 日の光をいっぱいに浴びた庭先には、葉の裂けた 芭蕉 ( ばしょう ) や、坊主になりかかった 梧桐 ( あおぎり ) が...
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・岩野泡鳴 耽溺 (青空文庫)
二階の 家根 ( やね ) を上までも越している。いちじくの青い広葉はもろそうなものだが、これを見ていると、何となくしんみりと、気持ちのいいものだから、僕は 芭蕉葉 ( ばしょうば ) や 青桐 ( あおぎり...
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・幸田露伴 太郎坊 (青空文庫)
( あおぎり ) の繁みから次第に暮れて来て、ひょろ 松 ( まつ ) 檜葉 ( ひば ) などに 滴 ( したた ) る 水珠 ( みずたま ) は夕立の後かと 見紛 ( みまご ) うばかりで、その...
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・幸田露伴 五重塔 (青空文庫)
ころ ) に 布 ( し ) かれあるところ、 梧桐 ( あおぎり ) の影深く四方竹の色ゆかしく茂れるところなど ( めぐ ) り 繞 ( めぐ ) り過ぎて、 小 ( ささ ) やかなる折戸を入れば、花も...
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・宮本百合子 二人いるとき (青空文庫)
が出ている茶がかった客間なので、庭の 梧桐 ( あおぎり ) の太い根元にその根をからめて咲き出ている 山茶花 ( さざんか ) の花や葉のあたりを暖かく照らしている陽は、座敷の奥まで入って来ない。多喜子は、座布...
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・太宰治 十五年間 (青空文庫)
してもその家から引き上げなければならなくなった日に、私は、たのむ! もう一晩この家に寝かせて下さい、玄関の 夾竹桃 ( きょうちくとう ) も僕が植えたのだ、庭の 青桐 ( あおぎり ) も僕が植えたのだ、と或...
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・睡蓮 (青空文庫)
は葉を落した高い梧桐(あおぎり)の下でひっそりと物音を沈めているばかりだった。そのひと晩は夜の闇が附近いちめんに密集して垂れ下って来ているような静けさで、私は火鉢につぐ炭もひとり通夜の支度をする寂しさを感じた。すると、次の...
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・徳田秋声 足迹 (青空文庫)
が低く空気がしッとりしていた。 碧桐 ( あおぎり ) の蔭に 埃 ( ほこり ) を 冠 ( かぶ ) った瓦斯の見えるある下宿屋の前へ来かかったとき、母親と車夫との話し声を聞きつけて、薄暗い窓の 簾 ( すだれ ) のう...
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・萩原朔太郎 猫町 散文詩風な小説 (青空文庫)
疲労した心の影に、とある 空地 ( あきち ) に 生 ( は ) えた 青桐 ( あおぎり ) みたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の法則が反覆している、人間生活への味気ない 嫌厭 ( けん...
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・本庄陸男 白い壁 (青空文庫)
保彦ぜえもんにお内儀さんなんどいるもんけえ、すっこんでろ、やい元木!」それだけ喚きとばした塚原の注意は、次の瞬間さっと窓外の雨に向き替っていた。 梧桐 ( あおぎり ) の広葉が眼の下に見え、灰色にくすんだ運動場は雨の底にしぶいていた。そし...
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・豊島与志雄 恩人 (青空文庫)
は黙って窓から庭の植込みを見ていた。 「あの木は暫く見ないうちに随分大きくなったもんだね。」と云って青々とした芽を出している 梧桐 ( あおぎり ) を指した。 「何よりも梧桐が一番早く伸びますよ。」 「そうだね。」と云...
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